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転生したから田舎でまったりしよう!

お餅サンド

エルフェントベアーの親子





俺たちは、下山中に発見した2匹のエレファントベアーをどうするか話し合っていた


「ちょっと、これどうするの?」


「分からないわよ!レイ、どうにかしなさい!」


「そんな事言われても、」


倒れているクマの傷を見ると、明らかに助からないと分かるくらい、深刻な状態だった


恐らく獣の爪による傷だと思われるのだが、左の腹部が裂けて肉が丸見えであり、流血はないが、傷口がグズグズに化膿している。


もう1匹のクマと見比べると、体が一回り大きく、恐らく親であると思う。


「この傷じゃもう助からないと思うよ」


「でもこのままには出来ないでしょ!魔法が得意なんだから何とかしなさいよ!」


「魔法は有用だけど、万能じゃないよ!傷を回復させる魔法なんか分からないんだよ」 


「とりあえず、子グマに分かってもらわないといけないわね、この子達は魔獣なんでしょ?」


魔獣は、知能が高めなのが基本的な特徴だ


「そーだよ、話を何となく理解することは出来ると思う」


「わかったわ!」




こうして、俺とカトレア姉さんと子グマで話し合いをする




ーーー


「とりあえずこれで様子を見るしかないよ」


「そうね」


俺たちは、少しは進んだ所に土魔法で小屋を建て、そこに母グマを運んだ


というのも、子グマは、こちらのいうことが何とか理解できたので、母グマをできる限り治療するから、移動していいか尋ねると、首を縦に振ったのだ、


そのため、屋敷の裏手にある林に小屋を建て、母グマの傷を魔法で作ったぬるま湯で洗浄して、寝かせている


その間に姉さんが、屋敷に戻って薬草の図鑑を取ってきて、さらに辺りの薬草を採集してきたので、薬を作り、母グマの傷に塗ったのだ


薬を塗って少しすると、今まで食いしばっていた口元が、緩んでいくので、鎮痛剤が聞いたようだ


「私たちは明日も来るけど、母グマから離れちゃダメよ?」


「クゥーン、」


姉さんがそう言うと、子グマは頷きながら鼻を鳴らした




辺りはもう既に日がほとんど暮れている。




「「ただいま」」


俺達がそう言いながら家に入ると、レイラ母さんが仁王立ちしていた




「こんな時間まで何をやっていたのよ!心配したのよ?」


「ごめんなさい、」


「ドタドタドタ」


すると直ぐに、山に入る装備をした父さんが玄関にかけてきた


「2人とも何をしていたんだい?心配でならなかったよ?」


「芋虫が蝶々に羽化する所を見つけたから、つい飛び立つまで見ちゃったんだよ、「「ごめんなさい」」


俺は咄嗟に適当な嘘をつくと、姉さんも乗ってきた




「そうかい、確かに見ちゃう気持ちも分かるけど、カトレアは1度帰ってきていただろ?その時にちゃんと誰かに伝えておけば良かったんじゃないかな?  今度からは、ちゃんと言うんだよ?  レイもいいかい?」




「はい、」


「ライルがそう言うなら私はなにも言わないわ、とにかく無事でさえいてくれればいいのよ」


レイラ母さんがそう言いながら俺たちの頭を撫でるので、嘘をついたことに少し罪悪感が残った。


「よし、じゃぁ夕飯にするか!」




父さんのその一言で、皆いっせいにダイニングテーブルへ向かうのだった、




ーーーーー




夕飯とお風呂を終え、俺はレイラ母さんに、回復系の魔法は無いのか聞いてみたら、あるにはあるが地属性の魔法らしく、適正がない母さんには、使えないため教えられないらしい。


部屋に戻ってゴロゴロしているた


『ガチャッ!』


「ちょっと姉さん、ノックしてっていつも言ってるじゃないか!」


「そんなことよりクマのことよ!大丈夫かしら」


「そんな事って、大丈夫じゃないでしょどう見ても、 」


「やっぱりそうよね、明日朝食を食べたらすぐ行くわよ!」


「うん」






ーーー




翌朝、俺たちは即席小屋に来ていた


「「おはよ」」
「グルッ」


子グマに挨拶すると、こっちを向いて挨拶を返してきた


すぐ母グマの様子をみるが、微動だにせず目をつぶって、浅い呼吸を繰り返していた


その様子を見て、俺と姉さんは、母グマの命はもう長くないと悟った。






それから2時間ほどたっただろうか、母グマが片目をあけこちらを見る


そんな様子を見て姉さんは何かを察したのか


「この子は私たちメルヴィス家が、ちゃんと面倒を見るから、安心して!」


母グマに寄り添い、頭を撫でながら、優しい声でそう言いかけると、「クゥー、」と鳴き、安らかに息を引き取った。


子グマが、すぐに近寄っていき亡き母に体をよせて泣く、母グマは、姉さんの言葉を聞いて安心したのか、とても穏やかな表情だった




そのあとは、子グマと相談し、母グマを火葬して、仮設小屋を壊して、そこにお墓を建てた。


「あなた、これからはうちに来なさいね?」


「クッ」


このやり取りを終え、俺たちは子グマと一緒に屋敷へ戻る、




ーーーーーー




家に帰って、まず誰にもバレないように俺の部屋に子グマを連れていき、リビングのソファーでくつろいでいるレイラ母さんに事情を説明しにいく、


「レイ、覚悟は出来た?」


「覚悟も何も、メルヴィス家で面倒見るって言っちゃったからね、しょうがないよ」


「じゃあ行くわよ!」


そう言って、母さんの前に行く




「ねぇお母さん、相談があるんだけどいい?」


「あら?カトレアとレイが2人揃って?何かしら?」


「昨日のことなんだけど、蝶々の羽化の話は実は作り話でね…」


姉さんが、昨日の下山中からさっきまでに起きた出来事を細かく説明していく




「それで、その魔獣をうちで飼いたいの、」


「2人とも、この話は家族会議が必要ね」


母さんはそう言って席をたち、執務中の父さんと、多分読書をしてるニール兄さんを呼びに行った




「それで、そのクマを飼いたいの」


みんなの前で、改めて姉さんが説明すると父さんが口を開く


「クマについては、母グマと約束しちゃったのなら仕方がないからね、家で面倒見るしかないんだろう、レイ、その子は人を襲うこともないし意思の疎通ができるんだね?」


「うん、それは間違いないよ、大きくなっても大きめの犬くらいの大きさにしかならないと思うし」


「そーかい、それはそうと」


父さんがおもむろに立ち上がると、俺たち目掛けてゲンコツが降ってきた




「「イッデイッ!!」」


「これは子供だけで、偵察なんていう馬鹿な真似をした罰だよ!」


「カトレア、今回はたまたま温厚な魔獣だったから良かったものの、この世界には、父さんでもひとりじゃどうにも出来ないような強い魔獣や魔物だって沢山いるんだ」


「はい、」


「いくらレイが魔法が得意だからといって、まだ剣の稽古も始めてないレイを連れていったのもダメだよ?」


「ごめんなさい、」


「レイもレイだ、カトレアが思い立ったらすぐに行動することくらい分かりきっているだろう?  レイはまだ4歳だけど頭はいい、そーゆー時は、無理やりにでも僕やレイラに報告をしに来なさい!」


「はい、ごめんなさい」


父さんの言うことはごもっともなのだが、あいにくこの姉さんを止めるすべを俺はもちあわせていないのだ


カトレア姉さんを言いくるめるには、どうしたらいいんだろう


そんな事を考えていると次は母さんが口を開く


「2人とも、今後は気をつけなさいね?」


「「はい、」」


「それで、その子グマは今どこにいるのかしら?」


母さんがにこにこ顔で俺たちに聞いてくる


「レイの部屋に一旦置いているけど」


「新しい家族になるんだから、挨拶しないといけないわ!今すぐ連れてきなさい!」


「「はい!」」


「レイラ、君は、」


あの笑顔、もしかして母さん、エルフェントベアーを知っているのか?




そう、エレファントベアーは魔獣ではあるが、めちゃめちゃ可愛いのだ、皆は地球にいる熊を想像してるだろうが、全くの別物!


毛はもふもふで頭が少し大きく、そのキュートな見た目は、テディベアそのまんまだ!


「まぁ、何とかなってよかった。」


「ほんとよね!」




そんなことを言いながら、子グマをリビングに連れていくのだった。



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