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前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。

克全

第55話

火竜シャーロットは東の侵攻軍にも襲い掛かった。
情け容赦なく、強者を自身で捕獲し、普通の人間の将兵はドラゴニュートに捕獲させた。
東西合わせて3万の大軍を捕まえて、人間牧場で飼う事にした。
子供達に軟らかくて美味しい人間を食べさせたくて、雌雄の人間を交尾させ、赤子を産ませてから、大切なスリークォーター火竜の子に与えた。

この事は、水精霊を通してアシュラム達も知っていた。
アシュラム達は、カチュア姫にもこの事を知らせた。
カチュア姫を守護する水精霊は、火竜を嫌ってはいたが、直接境界を接しないなら我慢出来ると、傲慢な返事を寄こしてきた。
本当に偏狭偏屈な性格だった。

多少心の広い水精霊が、ゴライダ王国からのオアシスに残ってしまったことが、悪い方向に出てしまったのだ。
水乙女カチュア姫と信仰心の強い人間、人間を養うための動物は守護するが、それ以外の生き物を拒絶するようになってしまった。

一方ゴライダオアシスの水精霊は、一気に大らかになり、火竜シャーロットやドラゴニュートとの共存にも乗り気だった。
人間牧場の存在は問題だったが、今そこに飼われているのは、ゴライダ王国を滅亡させた元凶の犯罪者と、サライダ王国を滅ぼそうと攻め込んできた敵兵だ。
黙認してもいい要素が多かった。

特に南の大国出身のアシュラムは大らかだった。
人間牧場に関しても、犯罪者奴隷として考え、死刑の代わりの刑罰だと納得していた。
妥協できないような潔癖な人間は、新たに出来たオアシスの方に移動していた。
サライダ王国に住む人々は、二つのオアシスの呼び名を変えていた。

元々の場所にあったオアシスをゴライダオアシスと呼び、元々ゴライダ王国の王都だった都市をゴライダと呼んだ。
一方新たに出来たオアシスをサライダオアシスと呼び、現在建設中の街をサライダと呼び、新たな王都と定めた。
カチュア姫と王配となったアシュラムに、九人従者が加わって話し合った結果だった。

いや、実際にはそれぞれの守護者である水精霊が話し合った結果だった。
これによって、火竜・ドラゴニュート・水精霊・人間・動植物の棲み分けが開始された。
今のサライダ王国の人口では使いきれない水が溢れ、王城の人間牧場ばかりか、砂漠や荒野にまで川が流れていった。
東西の大国までには届かず、途中で涸れてしまうような細い川だが、そこに動植物が集まるようになり、砂漠や荒野の動物が爆発的に増える結果となった。

砂漠や荒野が劇的な変化を迎えようとしていたが、サライダ王国侵略に動き出した東西の大国は、もう止まることが出来なかった。

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