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前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。

克全

第45話

シャーロットは歓喜に震えていた。
新しい子供達は、醜いが力に溢れていた。
身体はこれまでの子供と同じように小さいが、一撃で成体のドラゴニュートを負かすほどだった。
人間など、砂細工のように簡単に壊すことが出来た。

昔産んだ子供達は、既に成体となったドラゴニュートもいる。
兄弟姉妹で交尾して、火竜の子が誕生するのを期待していた。
だが産まれる子はドラゴニュートばかりだった。
落胆したが、最初からそれほど期待していたわけではないから、次に賭けた。
力の強い子同士が交尾すれば、火竜の子が産まれるかもしれない。

それでも産まれない場合は、気は進まないが、熊と同じように自分の子と交尾する覚悟をしていた。
血は濃くなってしまうが、仕方がない。
火竜と言う種を残したかった。
雌として生き物として、どうしても火竜の子を残したかった。

だから泣く泣く孫を犠牲にした。
子のドラゴニュートが交尾をするようになって、急速にドラゴニュートの数が増えていた。
今はまだ食糧に不足はないが、いずれサライダ王国の貢物だけでは、子供や孫を養えなくなる。
だからかわいい孫を犠牲にした。

一番弱い幼体ドラゴニュートを囮にして、王城の奥深くまで勇者英雄を誘い込むのだ。
人間はドラゴニュートを斃した事を喜んでいる。
中には莫大な財宝を持ち帰り、大金持ちになった者もいた。
人間を誘い込むためにわざと持って帰らせたとも気がつかずに。
それからは王城に入り込む人間が急増した。

御陰でドラゴニュートが共喰いをする事もない。
自分が新たな子を産むための食糧も不足していない。
どんどん人間を誘い込まないといけない。
同時に別の手段も講じなければいけない。
待つだけでは絶対に食糧が不足してしまう。
そのまま食べる分の貢物と、人間牧場に回す貢物を上手く回さないといけない。

成体となった子の半数を子別れさせることにした。
孫などの幼体は全て残したが、成体の半数は王城から追い出した。
だがサライダ王国と言う餌場を荒らされるわけにはいかない。
近くに置いておくわけにはいかない。
だが矮小で弱く醜くとも可愛い子供だ。
荒れ地や砂漠で餓死させるのは嫌だった。

だから元の姿に巨大化して、背中に乗せて遠くまで運んだ。
東西の大国の領域まで急いで運んだ。
本当は餌の多い緑豊かな所まで運んでやりたかった。
だがあまり長く縄張りから離れるのは危険だった。
今は大切な期待の子供がいるのだ。

だからギリギリの所にまで運んだ。
砂漠と荒地と人里の境界に多くの子供を置き去りにした。
まあ子供とは言っても成体にまで成長してる。
成体のドラゴニュートからみれば、人間など餌でしかない。
上手くすればこの辺りを縄張りにしてくれるかもしれない。

シャーロットはそう考えていた。
そしてこの事が、ドラゴニュートを東西の大国に放つことになった。

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