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前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。

克全

第37話

ゴライダ王国は名を変えサライダ王国となった。
人と火竜の子が共存するいびつな国となった。
水精霊が守護するサライダの民は、火竜の子に喰われる事はなくなった。
だが旅人は別だった。
火竜のであるドラゴニュート達に襲われ喰われてしまうのだ。

全ての旅人が喰われるわけではない。
火竜の砂漠近くを通る者。
王城に侵入しようとする者が喰われてしまった。
火竜の砂漠で襲われる旅人は不幸だった。
だが、王城に侵入しようとする者は自業自得だった。

東西の大国には、サライダ王国の噂が流れていた。
ドラゴニュートの噂と同時に、ゴライダ王国の莫大な遺産の話だ。
ドラゴニュートに滅ぼされたゴライダ王国は、とてつもなく豊かな国だった。
東西交易の要衝として、莫大な富が蓄えられていた。
それが全て、王城地区に放置されていると言う噂だった。

東西の大国に住む盗賊や傭兵は我先にサライダ王国を目指した。
二大国の周辺に存在する、中小の国々にも同じだった。
世界中の盗賊と傭兵がサライダ王国を目指した。
彼らはドラゴニュートなど恐れなかった。
大トカゲと人間の混血など、簡単に殺せると思っていた。

多くの勇者と英雄の活躍で、魔獣や竜は人から遠い存在となっていた。
だから人間を相手にする盗賊や傭兵は、魔獣や竜の怖さを知らなかった。
無知ほど恐ろしいモノはなかった。
莫大な遺産に魅かれた者は、王城に入ってドラゴニュートに囚われた。
囚われて家畜にされた。

ドラゴニュートは酒が好きだった。
サライダ王国の民が捧げる酒を愉しみにしていた。
だからサライダの民を襲うことはなかった。
だが肉も大好きだった。
特に人間の肉が大好きだった。

毛が生えておらず。
皮も薄く柔らかい人間は、ドラゴニュートの大好物だった。
一度その味を覚えたら、年老いた山羊や羊では満足出来なかった。
特に内臓が美味しかった。
若い人間ほど美味しかった。

だから、人間牧場で飼育する人間の肉を齧るだけでは我慢出来なくなった。
齧り過ぎて死なせてしまった人間の内臓を食べた。
美味しかったが、もっと若い個体も食べたかった。
だから噂を流した。
王城内に莫大な遺産があると。

種に選んだ人間が悪人だったせいか、ドラゴニュートは悪知恵があった。
性格も悪かった。
どんどん盗賊と傭兵を呼び寄せて、人間を喰えるようにした。
盗賊や傭兵を呼び寄せる為に、時にわざと宝物を持って帰らせた。
それが新たな盗賊と傭兵を呼び寄せることになった。

だがドラゴニュートはやり過ぎた。
種となった人間の悪知恵が遺伝したのかもしれない。
女盗賊や女傭兵を捕らえて孕ませることを思いついた。
人間牧場で子供を産ませ、数を増やす事を考えたのだ。
上手く生産を調整出来れば、軟らかい赤子や子供を食べる事が出来ると考えたのだ。

だがこれが、心優しいカチュアの我慢の限界を超えてしまった。

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