前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。
第17話
「水だ!
水が湧きだしたぞ!」
「こっちもだ!
こっちにも、水が湧きだしているぞ!」
カチュアが城代が設けた祭壇に登り、領民全てに、その麗しい姿が見えるようにしたうえで、水の精霊に祈りを捧げた。
すると直ぐに、王都の城壁外であるにもかかわらず、清らかな水が、あちらこちらから滾々と湧き出してきたのだ。
それは、オアシスに生きる者にとって、水乙女の奇跡以外の何物でもなかった。
荒野を揺るがすような大歓声が、その場にいた全ての領民から沸きあがった。
いや、領民だけではなく、領主である父親や母親も、家臣団からも沸きあがっていた。
湧きあがった水は、不思議と他家の領地の方には流れなかった。
土地の高低を無視して、サライダ公爵領から遠くへと、川を作って流れていった。
他家の土地の方が低く、自然に任せればそちらに流れるはずの場所は、水が地に潜ってしまい、決して他家の領地には向かわなかった。
まるで水に意思があるかのように、サライダ公爵家の領地にだけ水が流れた。
サライダ公爵家に権利がある範囲内にだけ水が流れ、その範囲に沿って、より遠くに流れていった。
それは、サライダ公爵家の農園だけが広がるという事だった。
その現実が、家臣団と領民を勇気づけた。
王太子の婚約破棄は、やはり間違いだったのだと、家臣団と領民は強く思った。
シャーロットは偽物で、カチュア御嬢様こそ、本当の水乙女だと、強く確信した。
そしてそんな水乙女様に仕える自分達こそ、精霊様に祝福されているのだと思った。
この奇跡は、サライダ公爵家を見張っていた、王家王国や貴族家に瞬く間に広まった。
自分達の将来を決する、重大な決断をする為に、サライダ公爵家を見張っていたのだ。
城代はそれを知った上で、遠くの見張りからも見える高さに祭壇を作り、カチュア御嬢様に祈りを捧げて頂くように願ったのだ。
貴族家の反応は劇的だった。
今迄王太子に加担していた貴族家が、急に王太子と距離を取ろうとした。
サライダ公爵家の味方をしようとまではしなかったが、当主が仮病を使い、王太子に参戦出来ないと詫びの使者を送った。
王家王国軍に至っては、王太子派の一部馬鹿を除いて、大半が不参戦を決めた。
王太子に逆らうのは怖いが、それ以上に、精霊様の逆鱗に触れるのが怖かった。
だから、国王陛下の命がなければ、軍を動かす事は出来ないとの建前を使い、頑として王太子の参戦命令に従わなかった。
王太子の参戦命令に従ったのは、メイヤー公爵家と一部の貴族家士族家だけだった。
シャーロットの知恵を受けた王太子が、サライダ公爵家から湧き出した水を、参戦した貴族家に分け与えると伝えた事で、一部の貴族家士族家が参戦命令に応じたのだ。
水が湧きだしたぞ!」
「こっちもだ!
こっちにも、水が湧きだしているぞ!」
カチュアが城代が設けた祭壇に登り、領民全てに、その麗しい姿が見えるようにしたうえで、水の精霊に祈りを捧げた。
すると直ぐに、王都の城壁外であるにもかかわらず、清らかな水が、あちらこちらから滾々と湧き出してきたのだ。
それは、オアシスに生きる者にとって、水乙女の奇跡以外の何物でもなかった。
荒野を揺るがすような大歓声が、その場にいた全ての領民から沸きあがった。
いや、領民だけではなく、領主である父親や母親も、家臣団からも沸きあがっていた。
湧きあがった水は、不思議と他家の領地の方には流れなかった。
土地の高低を無視して、サライダ公爵領から遠くへと、川を作って流れていった。
他家の土地の方が低く、自然に任せればそちらに流れるはずの場所は、水が地に潜ってしまい、決して他家の領地には向かわなかった。
まるで水に意思があるかのように、サライダ公爵家の領地にだけ水が流れた。
サライダ公爵家に権利がある範囲内にだけ水が流れ、その範囲に沿って、より遠くに流れていった。
それは、サライダ公爵家の農園だけが広がるという事だった。
その現実が、家臣団と領民を勇気づけた。
王太子の婚約破棄は、やはり間違いだったのだと、家臣団と領民は強く思った。
シャーロットは偽物で、カチュア御嬢様こそ、本当の水乙女だと、強く確信した。
そしてそんな水乙女様に仕える自分達こそ、精霊様に祝福されているのだと思った。
この奇跡は、サライダ公爵家を見張っていた、王家王国や貴族家に瞬く間に広まった。
自分達の将来を決する、重大な決断をする為に、サライダ公爵家を見張っていたのだ。
城代はそれを知った上で、遠くの見張りからも見える高さに祭壇を作り、カチュア御嬢様に祈りを捧げて頂くように願ったのだ。
貴族家の反応は劇的だった。
今迄王太子に加担していた貴族家が、急に王太子と距離を取ろうとした。
サライダ公爵家の味方をしようとまではしなかったが、当主が仮病を使い、王太子に参戦出来ないと詫びの使者を送った。
王家王国軍に至っては、王太子派の一部馬鹿を除いて、大半が不参戦を決めた。
王太子に逆らうのは怖いが、それ以上に、精霊様の逆鱗に触れるのが怖かった。
だから、国王陛下の命がなければ、軍を動かす事は出来ないとの建前を使い、頑として王太子の参戦命令に従わなかった。
王太子の参戦命令に従ったのは、メイヤー公爵家と一部の貴族家士族家だけだった。
シャーロットの知恵を受けた王太子が、サライダ公爵家から湧き出した水を、参戦した貴族家に分け与えると伝えた事で、一部の貴族家士族家が参戦命令に応じたのだ。
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