前世水乙女の公爵令嬢は婚約破棄を宣言されました。
第16話
やっとこの場に立てました。
何度も望みましたが、どうしても許されませんでした。
領民とは言え、男性の前に姿を見せてはいけないと、強く厳しく言われていたのです。
その当時は、王太子殿下の婚約者でしたから、仕方のない事でした。
私が自由に動くことが許されたのは、王都内の公爵館の奥と、王城内公爵屋敷の奥、王宮内の舞踏会会場だけでした。
それも、戦闘侍女に厳重に護られるという条件下でです。
それほど護られた条件下でも、重臣であろうとも、男性に顔を見せる事は許されませんでした。
本当に窮屈な生活でした。
前世の記憶がありましたから、男性の事も多少は理解出来ています。
隙を見せたら図に乗ってきますが、それほど恐れる事もありません。
それに水乙女の私には、精霊の加護がありますから、あらゆる意味で男性の危険とは無縁なのです。
だから、王太子殿下から婚約破棄を言い渡された事は、少し哀しくはありましたが、衝撃を受けたかと言われれば、全く受けませんでした。
むしろ、これからは自由に動けるという想いが心から湧きあがり、うれしさで飛び上がりそうになったのです。
元婚約者と言う立場。
王家を支えるべき四大公爵家の嫡女と言う立場から、喜びよりも責任感を優先した言動を取りましたが、本当は婚約破棄が嬉しかったのです。
ですが、それでも、全く自由に行動出来ませんでした。
私の事を想ってくれる両親はもちろん、城代をはじめとした家臣達が、私を館の奥底に押し込めて、護ろうとしたのです。
その想いには感謝しております。
ですがそれは、私の望みとは違っていました。
この城壁外の農場は、サライダ公爵領の民を餓えさせない為に、絶対に守らなければいけないものです。
サライダ館の井戸から水が湧きだしていますから、他の領地と違って、干ばつを恐れる事はありませんが、この場から水が湧けば、それが一番いいのです。
水が大量にあれば、荒野の土と家畜の糞を水で混ぜ合わせて、日干し煉瓦を作る事も可能です。
日干し煉瓦を積み上げることが出来れば、多少は防御力を持たせることが出来ます。
そう出来れば、王太子殿下とメイヤ―公爵の襲撃から、農園を守ることが出来るかもしれないのです。
絶対に、民を餓えさえる訳にはいきません。
水乙女としても、公爵家の後継者としても、領民を護らなければいけません。
精霊様に心から祈りを捧げて、領民の加護も乞いました。
身勝手な願いで、精霊様の御怒りを買うかもしれませんが、祈らずにはいられませんでした。
何度も望みましたが、どうしても許されませんでした。
領民とは言え、男性の前に姿を見せてはいけないと、強く厳しく言われていたのです。
その当時は、王太子殿下の婚約者でしたから、仕方のない事でした。
私が自由に動くことが許されたのは、王都内の公爵館の奥と、王城内公爵屋敷の奥、王宮内の舞踏会会場だけでした。
それも、戦闘侍女に厳重に護られるという条件下でです。
それほど護られた条件下でも、重臣であろうとも、男性に顔を見せる事は許されませんでした。
本当に窮屈な生活でした。
前世の記憶がありましたから、男性の事も多少は理解出来ています。
隙を見せたら図に乗ってきますが、それほど恐れる事もありません。
それに水乙女の私には、精霊の加護がありますから、あらゆる意味で男性の危険とは無縁なのです。
だから、王太子殿下から婚約破棄を言い渡された事は、少し哀しくはありましたが、衝撃を受けたかと言われれば、全く受けませんでした。
むしろ、これからは自由に動けるという想いが心から湧きあがり、うれしさで飛び上がりそうになったのです。
元婚約者と言う立場。
王家を支えるべき四大公爵家の嫡女と言う立場から、喜びよりも責任感を優先した言動を取りましたが、本当は婚約破棄が嬉しかったのです。
ですが、それでも、全く自由に行動出来ませんでした。
私の事を想ってくれる両親はもちろん、城代をはじめとした家臣達が、私を館の奥底に押し込めて、護ろうとしたのです。
その想いには感謝しております。
ですがそれは、私の望みとは違っていました。
この城壁外の農場は、サライダ公爵領の民を餓えさせない為に、絶対に守らなければいけないものです。
サライダ館の井戸から水が湧きだしていますから、他の領地と違って、干ばつを恐れる事はありませんが、この場から水が湧けば、それが一番いいのです。
水が大量にあれば、荒野の土と家畜の糞を水で混ぜ合わせて、日干し煉瓦を作る事も可能です。
日干し煉瓦を積み上げることが出来れば、多少は防御力を持たせることが出来ます。
そう出来れば、王太子殿下とメイヤ―公爵の襲撃から、農園を守ることが出来るかもしれないのです。
絶対に、民を餓えさえる訳にはいきません。
水乙女としても、公爵家の後継者としても、領民を護らなければいけません。
精霊様に心から祈りを捧げて、領民の加護も乞いました。
身勝手な願いで、精霊様の御怒りを買うかもしれませんが、祈らずにはいられませんでした。
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