月乙女の伯爵令嬢が婚約破棄させられるそうです。
第23話
フィリップス公爵閣下は、必死でヴラド大公殿下に言い訳していますが、これはどうにもなりません。
ヴラド大公殿下が私達の為に開いて下さった婚約披露宴で、このような醜態をするなど、殿下の面目を潰してしまったことになります。
絶対に許されないことです。
まあ、フィリップス公爵閣下にしたら、認めたら家の浮沈にかかわるので、認めるわけにはいかないのでしょう。
それは理解出来るのですが、もうどうしようもないと思います。
言葉は丁寧ですが、ヴラド大公殿下が激怒しておられるのが、私にも理解出来ます。
会場にいる者全員が、事の成り行きを興味津々で聞いておられます。
「アリス嬢にこれ以上の恥をかかせるわけにはいかぬ。
侍女に案内させるから、家に帰るがいい」
「はい。
ありがとうございます。
ヴラド大公殿下」
「待ってくれ。
これは何かの間違いなのだ。
あの女とは、ちゃんと話はつけるから、帰らないでくれ!」
「フィリップス公爵!
これ以上の無礼は、この場での決闘となるぞ。
貴君にその覚悟があるのか?」
「そんなぁ」
私は侍女に案内されて、控室に入りました。
控室にはザラを含めた多くの侍女が待ってくれていました。
今日の主賓は私とローガン様でしたから、着付けや化粧直しなど、多くの手が必要だったのです。
元々家臣の少なかった我が家では、新たな家臣はヴラド大公殿下の紹介で雇った者ばかりです。
当然大公家の家臣とは顔見知りですし、元の同僚です。
阿吽の呼吸で動いてくれます。
直ぐにカイが他の護衛と一緒に来てくれました。
カイが来てくれたら、もう何の心配もありません。
直ぐに馬車の支度を整えてくれて、屋敷に帰ることになりました。
今日は疲れました。
「爺。
フィリップス公爵家が取り潰しになったと言うのは本当?」
「本当でございます」
「私との婚約破棄が原因なの?」
「婚約破棄が原因ではありません。
原因は借財と名誉棄損でございます。
我が家との婚約破棄も、借財と名誉棄損が原因でございます」
「うぅぅぅん。
何かしっくりこないのだけれど。
ヴラド大公殿下が私の為に動いて下さったような気がするのだけれど?」
「ヴラド大公殿下は、御嬢様が作られる花がいたく気に入られております。
カイが戻って以来、御嬢様が作られる花が光り輝いております。
ローガン様が婿に来られる事で、また花が咲かなくなっては困ると申しておられました」
「そうなのね。
だったら今日も心を込めて花の世話をしないといけないわね。
でもなんだか悪いわ。
大好きな事をして、これほどよくしていただけるなんて」
ヴラド大公殿下が私達の為に開いて下さった婚約披露宴で、このような醜態をするなど、殿下の面目を潰してしまったことになります。
絶対に許されないことです。
まあ、フィリップス公爵閣下にしたら、認めたら家の浮沈にかかわるので、認めるわけにはいかないのでしょう。
それは理解出来るのですが、もうどうしようもないと思います。
言葉は丁寧ですが、ヴラド大公殿下が激怒しておられるのが、私にも理解出来ます。
会場にいる者全員が、事の成り行きを興味津々で聞いておられます。
「アリス嬢にこれ以上の恥をかかせるわけにはいかぬ。
侍女に案内させるから、家に帰るがいい」
「はい。
ありがとうございます。
ヴラド大公殿下」
「待ってくれ。
これは何かの間違いなのだ。
あの女とは、ちゃんと話はつけるから、帰らないでくれ!」
「フィリップス公爵!
これ以上の無礼は、この場での決闘となるぞ。
貴君にその覚悟があるのか?」
「そんなぁ」
私は侍女に案内されて、控室に入りました。
控室にはザラを含めた多くの侍女が待ってくれていました。
今日の主賓は私とローガン様でしたから、着付けや化粧直しなど、多くの手が必要だったのです。
元々家臣の少なかった我が家では、新たな家臣はヴラド大公殿下の紹介で雇った者ばかりです。
当然大公家の家臣とは顔見知りですし、元の同僚です。
阿吽の呼吸で動いてくれます。
直ぐにカイが他の護衛と一緒に来てくれました。
カイが来てくれたら、もう何の心配もありません。
直ぐに馬車の支度を整えてくれて、屋敷に帰ることになりました。
今日は疲れました。
「爺。
フィリップス公爵家が取り潰しになったと言うのは本当?」
「本当でございます」
「私との婚約破棄が原因なの?」
「婚約破棄が原因ではありません。
原因は借財と名誉棄損でございます。
我が家との婚約破棄も、借財と名誉棄損が原因でございます」
「うぅぅぅん。
何かしっくりこないのだけれど。
ヴラド大公殿下が私の為に動いて下さったような気がするのだけれど?」
「ヴラド大公殿下は、御嬢様が作られる花がいたく気に入られております。
カイが戻って以来、御嬢様が作られる花が光り輝いております。
ローガン様が婿に来られる事で、また花が咲かなくなっては困ると申しておられました」
「そうなのね。
だったら今日も心を込めて花の世話をしないといけないわね。
でもなんだか悪いわ。
大好きな事をして、これほどよくしていただけるなんて」
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