大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。
第203話紅花村4
「申し開く事はあるか」
「申し開くも何も、何故このような無体な目にあわせられるかが分かりません」
「本当に分からないと言っているのか」
「はい。本当に分かりません」
白々しいにも程がある。
代官の不正は、魔晶石使い魔が集めてくれている。
今更どれほど演技をしようと、騙されはしない。
だが、三文芝居を愉しむ心算で付き合ってやろう。
「まずは王家の勅命である商売の自由を、支配領域の民に知らせなかったのは何故だ」
「恐れながら、急な王家王国の交代で政治まで変更すると、民が混乱しますので、徐々に変えていこうと思いました」
「民の為を思って伝えなかったというのだな」
「はい。ガブリエラ女王陛下の一番の願いが、民の安寧な生活だと伺って言いましたので、あえてそう致しました」
「私的な考えを優先して、王家王国の命を蔑ろにしたというのだな」
「表面上はそう見えますが、ガブリエラ女王陛下の真心を優先させるためでございます」
代官は自分の私利私欲を、ガビの真心で誤魔化そうとしている。
横で聞いているガビは、とても不愉快そうな表情を隠そうともしていない。
別の女の姿に偽装しているから我慢しているが、男に偽装していたら鼻を鳴らしている所だろう。
三文芝居にしても、観客を苛立たせるようなら途中で止めさせるべきだな。
「では聞くが、紅花の値段は同じ重さの米五十倍の価値がある。それを前王家の悪法と同じように、紅花の半分の米しか与えず、私服していたのは何故だ」
「紅花村だけが金を持ってしまいますと、近隣の米の買い占め、米価を暴騰させてしまい、貧民が飢えてしまいますので、代官所で管理しておりました」
「確かに代官所の帳簿にはそう書いてあるが、御前の隠れ家から探し出した帳簿には、高値で売った紅花の代金であらゆる穀物を買い占め、それを村々に高値で売ったと書いてあるぞ」
「知りません。私の隠れ家ではなく、他の悪人の隠れ家でございます。私の隠れ家と言う証拠はありますか」
証拠を突き付けられて、少々顔色が悪くなったが、それでも言い逃れしようとする。
そこで隠れ家で囲っていた愛人や使用人に証言させたが、それでもそれは偽証だと言い切る。
余りに往生際が悪いので、どうしてくれようかと一瞬言葉が続かなかった。
「黙りおろう。我らを愚弄するのもたいがいにいたせ。もはや手心は加えん。王家王国の拷問官に、生まれてきたことを後悔するほどの攻めを与えるように命じてくれる」
「ひぃぃぃぃ。どうか、どうか、どうか御許し下さい」
「ならん。巡検使を舐めてのらりくらりと言い逃れを図りおって、それほど民を思っていたと申すのなら、その心で拷問に耐えてみよ」
「ひぃぃぃぃ。申します。申します。全て正直に申します。ですから拷問だけは御許し下さい」
やれやれ、どれほど情理を尽くそうとしても、糞のような悪党が罪を悔いて自白する事などない。
力尽くで白状させるしかないのだな。
「申し開くも何も、何故このような無体な目にあわせられるかが分かりません」
「本当に分からないと言っているのか」
「はい。本当に分かりません」
白々しいにも程がある。
代官の不正は、魔晶石使い魔が集めてくれている。
今更どれほど演技をしようと、騙されはしない。
だが、三文芝居を愉しむ心算で付き合ってやろう。
「まずは王家の勅命である商売の自由を、支配領域の民に知らせなかったのは何故だ」
「恐れながら、急な王家王国の交代で政治まで変更すると、民が混乱しますので、徐々に変えていこうと思いました」
「民の為を思って伝えなかったというのだな」
「はい。ガブリエラ女王陛下の一番の願いが、民の安寧な生活だと伺って言いましたので、あえてそう致しました」
「私的な考えを優先して、王家王国の命を蔑ろにしたというのだな」
「表面上はそう見えますが、ガブリエラ女王陛下の真心を優先させるためでございます」
代官は自分の私利私欲を、ガビの真心で誤魔化そうとしている。
横で聞いているガビは、とても不愉快そうな表情を隠そうともしていない。
別の女の姿に偽装しているから我慢しているが、男に偽装していたら鼻を鳴らしている所だろう。
三文芝居にしても、観客を苛立たせるようなら途中で止めさせるべきだな。
「では聞くが、紅花の値段は同じ重さの米五十倍の価値がある。それを前王家の悪法と同じように、紅花の半分の米しか与えず、私服していたのは何故だ」
「紅花村だけが金を持ってしまいますと、近隣の米の買い占め、米価を暴騰させてしまい、貧民が飢えてしまいますので、代官所で管理しておりました」
「確かに代官所の帳簿にはそう書いてあるが、御前の隠れ家から探し出した帳簿には、高値で売った紅花の代金であらゆる穀物を買い占め、それを村々に高値で売ったと書いてあるぞ」
「知りません。私の隠れ家ではなく、他の悪人の隠れ家でございます。私の隠れ家と言う証拠はありますか」
証拠を突き付けられて、少々顔色が悪くなったが、それでも言い逃れしようとする。
そこで隠れ家で囲っていた愛人や使用人に証言させたが、それでもそれは偽証だと言い切る。
余りに往生際が悪いので、どうしてくれようかと一瞬言葉が続かなかった。
「黙りおろう。我らを愚弄するのもたいがいにいたせ。もはや手心は加えん。王家王国の拷問官に、生まれてきたことを後悔するほどの攻めを与えるように命じてくれる」
「ひぃぃぃぃ。どうか、どうか、どうか御許し下さい」
「ならん。巡検使を舐めてのらりくらりと言い逃れを図りおって、それほど民を思っていたと申すのなら、その心で拷問に耐えてみよ」
「ひぃぃぃぃ。申します。申します。全て正直に申します。ですから拷問だけは御許し下さい」
やれやれ、どれほど情理を尽くそうとしても、糞のような悪党が罪を悔いて自白する事などない。
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