大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第143話罠

ダイは魔王と魔王親衛隊の攻撃をものともせず、魔王の操る青龍偃月刀をはねのけて、ついに魔王の身体に攻撃を届かせた!
だが当然魔王も防御魔法と攻撃反射魔法を事前にかけていたので、一撃で魔王を殺すことはできなかったし、反射してくる攻撃により、ダイの防御魔法も削られていく。
だが一撃を受けた魔王が、ほとんど全ての防御魔法と攻撃反射魔法を破壊されたことに恐怖し、大きく後方に逃げて間合いを取った。
そしてダイはその時間を利用して、複合セラミック製完全鎧が展開するだけになっていた防御魔法と攻撃反射魔法を、今一度全部かけ直そうとした。
だが魔王はこの時を待っていた!
ダイが攻防を中止し、魔王との間合いを開けたこの絶好の機会を魔王は逃さなかった。
非常時に切り札として準備していた、大規模攻撃魔法を起動させ、ダイに叩きつけたのだ!
ダイはとっさに事前の予定を変え、攻撃反射魔法を止めて、防御魔法だけを幾重にも張り巡らす事にした。
代々の魔王が非常時の為に用意していた大規模攻撃魔法は、強大な魔王個人であっても遠く及ばないくらいの破壊力であり、いかにダイと言えども完全に防ぎきれるものではなかった。
ダイが張り巡らせた防御魔法が次々と破壊されるが、ダイは諦めずに内側に新たな防御魔法を次々と展開し、決して攻撃が肉体に及ばないようにした。
だが連続して強力な防御魔法を展開することで、ダイの魔力は徐々に削られることになり、次第に攻撃魔法も防御魔法も使えない状態に追い込まれそうだった。
だがそうは言ってもダイの魔力は、魔族の常識すら通じないほど膨大な量なので、今直ぐどうこうなるような事はないが、魔王がしかけた大規模攻撃魔法陣が健在なうちは、攻撃が終わることはない。
しかしダイも何も手を打っていないわけではなく、魔晶石使い魔百十体に防御から攻撃に転じるように命じていた。
使い魔の半数は魔界の濃密な魔素を利用し、魔力に転換することなくそのまま強力な攻撃魔法に転用し、次々と魔王親衛隊を倒していった。
使い魔の残りの半数は、同じようの濃密な魔素を利用して攻撃魔法に転用するのは同じだが、攻撃目標がダイを苦しめている大規模攻撃魔法陣だった。
だが魔王親衛隊もいつまでもやられっぱなしではなかった。
魔王親衛隊の誇りにかけて、大規模攻撃魔法陣を使い魔ごときに破壊されるわけにはいかず、半数が盾となり半数が特攻するような形で使い魔に突撃してきた。

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