大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第141話乱戦

最悪のタイミングで仕掛けられた魔王親衛隊の攻撃に対して、ダイは全く慌てなかった。
これくらいのことはあるだろうと、事前に想定していたので、準備していた魔晶石を核とした使い魔を放つ事で対応した。
一つ一つの魔晶石は銅級・鉄級・銀級と低質だったが、それを魔獣素材で作った複数の魔法陣に10万個組み込むことで、玉鋼級使い魔を十体創り出した。
さらに金級・白金級・白銀級魔晶石を100個組み合わせる事で、同じく玉鋼級使い魔を百体創り上げ、魔王親衛隊の迎撃部隊としたのだった。
ダイの周囲では、ダイの使い魔と魔王親衛隊の熾烈な戦いが展開されているが、本来なら魔王親衛隊が圧勝すべきところを、使い魔が善戦していた。
ダイが創り上げた魔晶石使い魔は、魔界での戦い用に創り出された特別製で、人間界とは比べ物にならない濃密な魔素を取り組み自らの力とする、ダイ特製の魔法陣が組み込まれているのだ!
魔界の魔素を取り込んで、ダイに充填してもらうことなく魔力を補給する事ができる使い魔は、魔界では永久に動くことができる特別な存在であった。
しかも組み込まれた魔法陣の中には、魔界の魔素を取り込むことなく、そのまま攻撃魔法や防御魔法に流用できると言う、掟破りの便利な魔法陣まで組み込まれており、本来実力で上回る魔王親衛隊相手でも、互角以上に戦えるようになっていた。
だがそれでも、一万を数える魔王親衛隊に対して、僅か百十体の使い魔では不利な戦いになるのはしかたがない。
遠距離から放たれる魔王親衛隊の攻撃魔法が、徐々にダイをとらえ始めた!
だがダイも事前に防御魔法と攻撃反射魔法を展開していたので、攻撃を放った魔王親衛隊に魔法をはね返し、的確に魔王親衛隊を倒していった。
だがいくらダイが展開した防御魔法や攻撃反射魔法であっても、一定の攻撃を受けたり時間がたったりしたら崩壊する仕組みなのは、普通の防御魔法や攻撃反射魔法と同じだった。
ダイが幾重にも張り巡らせた防御魔法と攻撃反射魔法であったが、徐々に削られていき、今はルイからもらったセラミック複合完全鎧に内蔵されている、自動展開防御魔法と攻撃反射魔法を残すだけとなっていた。
魔晶石使い魔たちが、身を挺して魔王親衛隊の遠距離攻撃魔法の盾となり、最後の貴重な時間を創り出してくれたおかげで、何とかダイは魔王城の防御結界を破壊できる攻撃魔法を準備することができた。
そして魔族の常識では考えられない、短い時間で展開された大規模攻城用攻撃魔法が、一気に魔王城に向かって放たれたのであった!

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