大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。
第72話宴会
ソフィア陛下に案内してもらったルイとダイは、今回助けた全ての獣人が避難所で暮らせるのかを確認する為に、一度避難所に集めて数日暮らしてみることにした。
それぞれが自分に割り当てられた家でも籠城できるのだが、それでは個人や数家族だけが誘拐されたり殺されたりしても、誰も気付くことができない。
今回獣人の住む山岳地帯が襲われたように、いくら峻険な山々に護られているとはいえ、この山岳地帯も襲われないとは言い切れないのだ。
どうしても避難所に逃げられない場合は仕方がないが、基本非常時には避難所に集まるような習慣を育てておきたかった。
それにこの村に集まった元奴隷の獣人たちは、ほとんどが個人か少人数で貴族に囲われていたので、集団で行動したり暮らしたりすることに慣れていない。
何より急に奴隷から解放されたので、自由になった喜びもあるが、これからどうやって暮らしていけばいいのかと言う不安も大きいのだ。
そのような不安は、同じ境遇だった者たちと一緒にいることで、ある程度は軽くできるので、個人で孤立した横穴住宅で暮らす前に、集団生活もさせてみたいと思ったのだ。
「そんなに心配することはありませんよ」
「どう言う事ですか?」
獣人たちの事を想い、色々と思案するルイに対して、ソフィア陛下は声をかけるのだった。
「一人一妖の妖精族を付けてあげますから、孤立することはありません。妖精族のつながりをつかって、パートナーになる獣人族同士を引き合わせもしますから、獣人族同士の付き合い方を知らない者でも、徐々にこの村独特の習慣を創り上げることができます」
「何から何までありがとうございます」
ソフィア陛下の配慮は、妖精族の能力を知らないルイには思いもつかない事であったし、知っていても妖精族に強要できることでもなかったので、とてもありがたいことであった。
だがそれでも、みんなで一緒に食事をしたり歌ったりすることは大切なので、今日はみんなで宴会をすることになった。
ソフィア陛下も賛成してくれて、妖精族に案内させて元奴隷をルイとダイの家に集めてくれたので、たわわにブドウの実のなる大広間で、飲めや歌えの大宴会をした。
ルイが魔法袋から出したワインやエールも元奴隷たちに喜ばれたが、妖精族が作った伝説のワインは、天上の飲み物かと思うほどの美味しさで、ルイは礼を忘れてソフィア陛下に創り方を教えてもらうのであった。
妖精ワインの効果もあり、初めての宴会は大成功だった。
多くの獣人たちが打ち解けた関係となり、友達を作るきっかけとなった。
大広間のブドウ棚の下、やわらかな苔のじゅうたんの上で眠る獣人たちは、長年の苦難の生活を忘れ、幸せな未来を夢見るのだった。
それぞれが自分に割り当てられた家でも籠城できるのだが、それでは個人や数家族だけが誘拐されたり殺されたりしても、誰も気付くことができない。
今回獣人の住む山岳地帯が襲われたように、いくら峻険な山々に護られているとはいえ、この山岳地帯も襲われないとは言い切れないのだ。
どうしても避難所に逃げられない場合は仕方がないが、基本非常時には避難所に集まるような習慣を育てておきたかった。
それにこの村に集まった元奴隷の獣人たちは、ほとんどが個人か少人数で貴族に囲われていたので、集団で行動したり暮らしたりすることに慣れていない。
何より急に奴隷から解放されたので、自由になった喜びもあるが、これからどうやって暮らしていけばいいのかと言う不安も大きいのだ。
そのような不安は、同じ境遇だった者たちと一緒にいることで、ある程度は軽くできるので、個人で孤立した横穴住宅で暮らす前に、集団生活もさせてみたいと思ったのだ。
「そんなに心配することはありませんよ」
「どう言う事ですか?」
獣人たちの事を想い、色々と思案するルイに対して、ソフィア陛下は声をかけるのだった。
「一人一妖の妖精族を付けてあげますから、孤立することはありません。妖精族のつながりをつかって、パートナーになる獣人族同士を引き合わせもしますから、獣人族同士の付き合い方を知らない者でも、徐々にこの村独特の習慣を創り上げることができます」
「何から何までありがとうございます」
ソフィア陛下の配慮は、妖精族の能力を知らないルイには思いもつかない事であったし、知っていても妖精族に強要できることでもなかったので、とてもありがたいことであった。
だがそれでも、みんなで一緒に食事をしたり歌ったりすることは大切なので、今日はみんなで宴会をすることになった。
ソフィア陛下も賛成してくれて、妖精族に案内させて元奴隷をルイとダイの家に集めてくれたので、たわわにブドウの実のなる大広間で、飲めや歌えの大宴会をした。
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