大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第34話加工食品

ルイとダイはレイラ達とよく話し合って、レイラが狩った白銀級魔物を冒険者ギルドに持ち込むことにした。
本当は、不当に安い評価額の上に七割もの税金を納めないといけないので、隠して自分たちのモノにした方がいいのだが、今回は多くの人に狩ったところを見せているし、レイラの冒険者レベルを白銀級に昇級させるためにも、冒険者ギルドに持ち込む方がいいと判断したのだった。
白銀級の貴重な魔晶石はもちろん、極上の肉も利用価値の高い貴重な毛皮も牙も爪も、不当に安く強制的に買い取られてしまった。
だがその見返りも多少はあり、レイラが白銀級の強さだと言う噂が広まる事で、レイラが守っている若い冒険者や老人や孤児に害を与える者がいなくなるのだ。
さてルイとダイが魔境町を離れる前に、食料保存用の冷凍冷蔵魔法陣は築いたものの、魔核がなくなってしまうと動かなくなってしまう。
普通の魔法陣に改良に改良を加えているので、少ない魔力で強く長く効果が続く上に、銅級や鉄級のような低級魔核でも動く優れた魔法陣だが、それでも魔核が無ければ動かない。
冒険者ギルドの強制買取を拒否すれば、銅級や鉄級の魔核なら確保できるだろうが、今直ぐレイラたちだけで冒険者ギルドと対決するのは難しいだろう。
だが慣習的に認められている、魔境で食べる分だけは強制買取を免除される分の魔核を使う事で、何とか上手く使って欲しいとルイとダイは考えていた。
さらにそれに加えて、地下都市で隠しておく方法もあるので、本気で魔境内で暮らしていこうと思う者だけを厳選して、強制買取を無視する獲物も確保することも考えていた。
同時にルイは、冷凍冷蔵魔法陣が壊されたり魔核が無くなったりして使えなくなった時も考え、魔境内の色々な野草を組み合わせて、極上のハムやソーセージやベーコンを作るレシピを教えることにした。
特に力を入れたのは、普通なら捨ててしまう低級魔獣の血から作るブラッドソーセージだった。
低級魔獣の種類によって多種多様な野草を刻んで血に加え、低級魔獣の胃・腸に流し込んで、同じく野草と材木を使って燻製にするのだ。
ルイが伝授するレシピは、今知られているレシピとは違っていて、一年以上という非常に長い期間保存できるうえに、わずかだかケガを治す効果や魔力を回復させる効果もあるのだ。
効果によって野草の組み合わせや塩漬け燻製の手順が違うため、老人や孤児を何組にも分けて、何度も何度も伝授した。
だがここでルイは一つ大きなミスをしていることに気付いた。
それは塩の確保だった!
魔境内に岩塩がないので、生きていくために絶対必要な塩を確保するには、魔境町で購入するしか方法がないのだ。
そこで魔境町を出立する日を延期して、新たに魔境の土からわずかな塩分を集めて塩を作る魔法陣を築いた。

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