大国王女の謀略で婚約破棄され 追放になった小国王子は、 ほのぼのとした日常を望む最強魔法使いでした。

克全

第22話蛇使い

猛毒を持った大蛇は、駆け出しの冒険者には手に余る存在なのだが、今回は解毒魔法が使えるレイラが控えているので、安心して狩ることができる。
ポイズンスネークは、弱点である頭が小さく攻撃が当てにくいうえに、動きが素早く反撃される危険も高いので、普通は見かけると直ぐに駆け出し冒険者は逃げ出すのだ。
駆け出し冒険者の孤児たちは、鋼鉄剣の切れ味を生かしてポイズンスネークを倒したものの、3度も毒を受けてしまった。
そのためレイラから毒消しの魔法治療を受けていたが、たかだか鉄級のポイズンスネークを狩るのに3度も魔法治療を受けるのはもったいないので、次からはレイラに狩らそうとルイとダイが考えるのであった。
「ダイ、多くの蛇が近づいて来るようだ」
「ポイズンスネークでございますか?」
「それもいるが、もっと強い蛇もいるようだね」
「なぜ蛇だと分かるんですか?」
「一時的に従魔にしたグリフォンの眼で確認しているんだよ」
「若様は多彩な魔法をお使いになられるのですね」
「まあね。だけど戦経験は少ないから、ダイの後見で経験を積ませて欲しいな」
「そうでございますね。ここにいるような白金級や白銀級では、若様の経験の足しにもなりませんから、もっと強い魔獣のいる場所に移動すべきですね」
「お年寄りや孤児たちがここで生きていけるめどが付いたら、直ぐに移動することにしよう」
「それがようございます」
「あれ? 魔族がいるね」
「刺客でございますか?」
「どうだろう? だけど何やら蛇に命令を下しているみたいだね。それに姿形から考えると、メドゥーサのように思う」
「魔族の中にメドゥーサと言う種族がいるのでしょうか」
「メドゥーサを倒したと言う話は聞いたことがあるから、それが嘘や誇張でない限り、同じ姿をした魔族が他にもいるのだろうね」
「若様は魔力を使い切っておられるので、私が倒しに行って参ります」
「魔力は回復するように身体の中で練っているから大丈夫だよ。それよりも近づいて来る蛇たちを先に片づけてくれる」
「左様でございますね。確かにレイラ達だけでは手に余りますな」
ルイとダイは相談をして、メドゥーサだろうと思われる蛇使いに操られた大量の蛇型魔獣を先に狩ることにした。
ルイとダイからすれば、どれほど大量にいようとも、たかだか金級以下の魔獣など魔法を使うまでもなく殲滅できる弱い存在なのだ。
指弾を使った石飛礫で蛇たちの頭部を粉砕したり貫通させたりして、皮や鱗に傷をつけないように気を付けて、サクサクと蛇の大軍を全滅させ、魔法袋に収納するのだった。

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