婚約破棄された聖女な公爵令嬢は、義兄に恋する。
第1話
アントリム公爵家令嬢マリアは、自国の王太子ロアンと婚約をしていた。
完全な政略結婚だった。
ウィリングドン王家の血を引くアントリム公爵は、王国でも一二を争う権力者だったが、今以上に王国の実権を手に入れたかった。
権力を手に入れるには、表の財力と武力に加え、奥のハーレムも支配下に置く必要があった。
だが残念な事に、アントリム公爵には王太子に似合う年頃の娘がいなかった。
そこで分家から養女を迎えることにした。
だが分家の養女では、王太子の正妃としてハーレムの送り込むには、身分的に問題があった。
だから身分を偽り、養女ではなく実子として育てた。
公爵の権力を使い、全ての痕跡を消し去った。
多くの競争相手を蹴落とし、王太子の婚約者の座をもぎ取った。
だがそれは、決してマリアが望んだモノでなかった。
マリアは愚かな王太子を嫌悪していた。
獣欲を宿した視線を嫌悪していた。
そしてマリアは罪に悩んでいた。
マリアは兄アベルに恋していたのだ。
実の兄妹間の恋は、絶対に許されない事だった。
マリアは知らなかったのだ、自分が養女である事を。
それほどアントリム公爵の隠蔽は巧妙だった。
本当に信頼できる者だけで工作し、信頼できない者を殺してまで隠蔽した。
だがアベルは覚えていた。
だが口にしてはいけない事だと、幼心に誓っていた。
問題は王太子ロアンだった。
この男はどうしようもない愚か者だった。
僅か十三歳から社交界で醜聞を広め、多くの令嬢を傷者にした。
中には妊娠する令嬢もいて、国王やアントリム公爵が秘かに処分しなければならなかった。
国王とアントリム公爵は急ぎ目付役をつけることにした。
老練な侍従や屈強な侍従をつけたが、問題は王立学園に登校している時だった。
学園内には男女が二人きりになれる場所が多い。
そこに王太子が令嬢を連れ込むのを防がないといけない。
過去に王太子は何度も侍従を振り切り、令嬢を傷者にしている。
娘を傷者にされた多くの貴族から憎しみを買っていた。
このまま王太子の悪行が続くようなら、廃嫡しなければいけなくなるくらい、多くの貴族に忌み嫌われている。
アントリム公爵は慌てた。
多くの者を殺してまで、実子に仕立て上げた養女を王太子の婚約者にしたのだ。
王太子が廃嫡になれば、それが全て無駄になってしまう。
それに愚かな王太子は望むところだった。
マリアとの間に後継者さえ作ってくれれば、後はハーレムで酒池肉林の生活をして、公務を放り出す愚か者の方が都合がいいのだ。
だから学園内の目付役を急遽探し出した。
自分の息子のアベルだった。
完全な政略結婚だった。
ウィリングドン王家の血を引くアントリム公爵は、王国でも一二を争う権力者だったが、今以上に王国の実権を手に入れたかった。
権力を手に入れるには、表の財力と武力に加え、奥のハーレムも支配下に置く必要があった。
だが残念な事に、アントリム公爵には王太子に似合う年頃の娘がいなかった。
そこで分家から養女を迎えることにした。
だが分家の養女では、王太子の正妃としてハーレムの送り込むには、身分的に問題があった。
だから身分を偽り、養女ではなく実子として育てた。
公爵の権力を使い、全ての痕跡を消し去った。
多くの競争相手を蹴落とし、王太子の婚約者の座をもぎ取った。
だがそれは、決してマリアが望んだモノでなかった。
マリアは愚かな王太子を嫌悪していた。
獣欲を宿した視線を嫌悪していた。
そしてマリアは罪に悩んでいた。
マリアは兄アベルに恋していたのだ。
実の兄妹間の恋は、絶対に許されない事だった。
マリアは知らなかったのだ、自分が養女である事を。
それほどアントリム公爵の隠蔽は巧妙だった。
本当に信頼できる者だけで工作し、信頼できない者を殺してまで隠蔽した。
だがアベルは覚えていた。
だが口にしてはいけない事だと、幼心に誓っていた。
問題は王太子ロアンだった。
この男はどうしようもない愚か者だった。
僅か十三歳から社交界で醜聞を広め、多くの令嬢を傷者にした。
中には妊娠する令嬢もいて、国王やアントリム公爵が秘かに処分しなければならなかった。
国王とアントリム公爵は急ぎ目付役をつけることにした。
老練な侍従や屈強な侍従をつけたが、問題は王立学園に登校している時だった。
学園内には男女が二人きりになれる場所が多い。
そこに王太子が令嬢を連れ込むのを防がないといけない。
過去に王太子は何度も侍従を振り切り、令嬢を傷者にしている。
娘を傷者にされた多くの貴族から憎しみを買っていた。
このまま王太子の悪行が続くようなら、廃嫡しなければいけなくなるくらい、多くの貴族に忌み嫌われている。
アントリム公爵は慌てた。
多くの者を殺してまで、実子に仕立て上げた養女を王太子の婚約者にしたのだ。
王太子が廃嫡になれば、それが全て無駄になってしまう。
それに愚かな王太子は望むところだった。
マリアとの間に後継者さえ作ってくれれば、後はハーレムで酒池肉林の生活をして、公務を放り出す愚か者の方が都合がいいのだ。
だから学園内の目付役を急遽探し出した。
自分の息子のアベルだった。
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