「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)

克全

第96話覚悟

「一朗君、本当にいいの?」

「はい、覚悟を決めました」

「でもネットで惨く叩かれているわよ、耐えられるの?」

「以前の僕なら、また家に閉じこもって外に出れなくなったかもしれません。でも今は心を許せる妻がいて、手助けしてくれる家臣達がいます」

「そう、でもそれだと、こちらに帰ってこれなくなるかもしれないわよ」

「ネット民だけじゃなく、T国やK国が国連を動かして、僕を人権侵害で叩こうとしてるんですよね」

「ええ、ネットでの一朗君叩きもその影響があると思うわ。このままじゃこちらに帰ってこれるようになっても、最悪の場合は逮捕されてしまう可能性があるわ」

「その恐れがある事は重々承知しています、でもここで僕が手を引いたとしても、こちらの世界の人身売買が無くなる訳ではありません。特に幼い子供達の人身売買は、ネットの批判を恐れて僕が手を引いても無くなりはしません。それならどれほど非難されようが、買い取って養う方がいいと覚悟を決めました」

「そう、一朗君は強くなったのね」

「生き残るためにも家臣領民を守るためにも、毎日毎日獣や魔獣・モンスターを殺してきました。好むと好まざるとにかかわらず、強くなるしかなかったんです」

「でもそうなると、一朗君の資金源である動画配信収入が激減するかもしれないわ、企業も批判を恐れてスポンサーから降りる可能性があるわ。それに企業によったら、苦情や批判に抗しきれなくなって、一朗君に商品を売ってくれなくなるかもしれないわよ」

「その恐れがある事は理解しています、でも同時にお金の為なら何でも売買させてくれる組織が有るのも事実です」

「闇社会を利用するの?」

「闇社会とまでは言えないと思います。現実社会が力のバランスである以上、C国が国際条約を無視して核武装を進めても、百か国以上の国々と国交を続けれるのと同じように、僕との貿易を望む国や組織はなくならないと思います」

「異世界の産物の事ね」

「はい、異世界との交易はどの国にとっても喉から手が出るほど欲しいものです。特に地球に存在しない魔獣やモンスターを手に入れ、薬や武器として利用できないか研究するには、僕との交易は必要不可欠です」

「そうね、そうだよね、一朗君は唯一無二の存在なのよね」

「特に僕が動画であげている、魔法の存在や人獣族の変身の仕組みは、軍事上の一大研究テーマだと思います」

「一朗君が昨日あげた動画を見たけど、あれほどの破壊力がある魔法を地球出身の一朗君が使えるなんて、一朗君が嘘などつかないと分かっていても半信半疑よ」

「だからこそです、だからこそここで膝を屈する必要はないと思うんです。今まで通りとはいかないでしょうが、全てを敵に回す事はないと思います」

「分かったは、これからも出来る限り支援するわ」

「御願いします」

さて、動画にはあげていな必殺の魔法を色々と習得したし、切り札となるような大魔法も覚えることが出来た。もし無制限に地球人が異世界に入り込んで来たとしても、たとえ相手が訓練された軍隊であろうとも、今の俺なら単独で迎え討ったとしても全滅させられると思う。

さすがに核兵器で攻撃されたらお手上げだけど、戦車や戦闘機が相手なら魔法を駆使すれば何とか戦えると思う。姉ちゃんにも話す訳にはいかないけど、子供が出来た以上親として何としてもこの生活を守り抜かないといけない!

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