「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)

克全

第27話2度目の売買

新月期の2日目、交易に出かけていたアーデルハイトたちが無事に領地に戻って来た。俺としては少々拍子抜けではあったが、今回はバルバラの戦略勝ちだったようだ。バルバラは、2000年の歴史を誇るものの実戦力は地に落ち、日々の生活費にも事欠くが名目上はこの国の盟主・バッハ聖教皇家を後ろ盾にしたのだ。

ローゼンミュラー家を騎士に叙勲したのもバッハ聖教皇家だし、未だに乏しい収穫の中から毎年献納を行っている忠臣だ。その忠臣が有力な交易ルートを獲得し、毎年の献納額を増やすと言って来たのだから、実行力のない勅書くらい幾らでも発行してくれた。

だが有力貴族や士族家ではただの紙切れの勅書でも、ど田舎の商人や冒険者には絶大な効果があった。同じ騎士であろうとも、アショフ武王家や有力貴族家に仕える騎士よりもローゼンミュラー家が立派に思えてしまうのだ。しかも利益の一部をバッハ聖教皇家に献金するための御用商店とあれば、率先して設立を手助けしてくれたし、護衛の冒険者や傭兵を紹介してくれた。とは言っても、バッハ聖教皇家が養えきれなくなった者の中で、貴族家どころか有力士族家にさえ再仕官できなかった半端者だ。

設立した御用商店で売っている商品も、他では絶対買う事のできない超高級品であり、風味や品質が落ちないように小量であっても特殊な包装がされている。(フィルムやガラス瓶で密閉され乾燥剤が入れられている)勅書を受けて事前に集まっていた、国内の商人や有力貴族の使いが先を争って購入した。

黒胡椒300kg:金300kg=金貨9万9999枚と銀貨6枚
上白糖100kg:銀100kg=銀貨3万3333枚と銅貨6枚
干椎茸100kg:銀100kg=銀貨3万3333枚と銅貨6枚
濃紫絹100kg:金300kg=金貨9万9999枚と銀貨6枚
だった。

今回仕入れた物の中で、異世界で目玉商品だったのは、濃紫に染められた正絹長襦袢地の綸子だった。1反の重さが500g前後だから、200反をドローン配達で手に入れたのだ。今回の仕入れは以下のようになっているが、籠城戦を考慮して、2kgのお米も大量に仕入れている。

黒胡椒:1000g×100×3304円=33万0400円
黒胡椒:100g×2000×313円=62万6000円
上白糖:1000g×30×5940円×10=5万9400円
干椎茸:1000g×100×6800円=68万0000円
濃紫絹:500g×200×1万6800円=336万円

コシヒカリ:2kg×200×1850円=37万円
小麦粉  :2kg×200×847円=16万9400円

セミオーダードローン:38kg運搬型=300万円

計859万5200円もの支出があったが、前回970万分の金貨を送っているので、まだ110万円前後の余裕がある。それに獣人家事奴隷の動画再生回数が爆上げしているので、次回の入金時には300万円くらいの振込みが見込める。

動画サイトには、異世界に転移してしまって困っている、行き帰りは出来ないもののドローンの配達だけは可能なので、その資金稼ぎに異世界動画を投稿しているので再生して欲しいと書き込んだ。それが受けたのか、日々毛深くなったり人に近くなったりする獣人動画がセンセーショナルだったのか、今まででは考えられないほどの再生回数になった。

それはそうとして、今回異世界での収支は以下の状態だ。
前回俺の手元に残った貨幣は
金貨:2733枚
銀貨: 902枚
銅貨:  12枚

今回購入したものは
獣人家事奴隷:銀貨619枚×10人=銀貨6190枚
これで俺の所有する獣人家事奴隷は20人となった。

次にローゼンミュラー家を仲介して護衛として雇い入れた傭兵が10人だったのが、新たにバッハ聖教皇家から勅書を使って集めた精鋭50兵を加えて60兵となった。これで毎日の傭兵費用が、銀貨120枚に81人分の食費で銀貨81枚の合計201枚となった。

ローゼンミュラー家には傭兵又貸し料として、毎日銀貨48枚と銅貨12枚の収入があり、食費の純利益が銀貨40枚と銅貨8枚ある。

異世界手元貨幣
金貨:19万9998枚
銀貨: 6万0488枚
銅貨      24枚

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