「異世界動画で億万長者・ドローンの御蔭で助かっています」(神隠しで異世界に迷い込んだ人間不信の僕は、又従姉の助けを受けて異世界で生き残ろうと必死です)
第26話常設商店
「バルバラ、本当に明日は黒胡椒300kg・干椎茸100kg・上白糖100kg・濃紫の絹100kgでいいのですか? 余りに多すぎないですか?」
「今回は本気で人間を送り込みます、ローゼンミュラー家の領民従士30兵・専任従士10兵に我ら4姉妹が総出で荷を運びます」
「領民従士1兵に20kg担がせるのなら、量としてはそれほど多くはないでしょうが、そんなに大量に持ち込んで値崩れ起こさないですか?」
「ダンジョン都市で新たに従兵を募集して戦力を強化した上で、向こうに常設の店を出します」
「それは以前からの話し合いで聞いていましたが、本当に大丈夫ですか?」
「イチロウ殿が心配されているのは、ローゼンミュラー家が高々騎士家であり、有力な貴族家に目をつけられることですか?」
「そうです、2カ月弱しかここで暮らしていませんが、漏れ聞く話では弱肉強食の世界だと理解しています。これほど莫大な商品を売りに出したら、領地を攻め取ろうとする者が必ず現れるのではありませんか?」
「確かに他の領地なら、瞬く間に有力貴族に食い物にされてしまいます。ですがローゼンミュラー領は特殊なのです」
「どう特殊なのですか?」
「ローゼンミュラー領と接する領地まで行くのには、半日も険しい獣道をかきわけて進む必要があります」
「それは知っています」
「その上で、もし侵略軍を送り込んで来たとしても、新月期の3日以外は常に獣に襲われる事になります。特に満月期の前後7日間は、砦の範囲以外は魔獣の襲撃まであるのです」
「そうですね、メイドたちに砦外の動画撮影を御願いしましたが、かなり危険を犯して狩りや耕作をされていますね」
「獣を狩る事も命懸けなら、魔獣や獣から作物を守る事も命懸けの領地です。イチロウ殿の御蔭で、砦内で自給自足が可能になりそうですが、今までは初代様の蓄えを切り崩したり、祖父が従士を連れて傭兵まがいの事をして不作を補っていました」
「今までは旨味のない領地だったでしょうが、裕福な貴族なら少々の損害なら覚悟するのではありませんか?」
「少々の損害では済まないのです、万の大軍が送られて来たとしても、獣道を登ってこれる戦闘は1兵のみです。要所要所を弓兵で抑えれば、砦にたどり着くまでに半月期になってしまうでしょう」
「では敵が少数精鋭の部隊を送り込んできた場合はどうです?」
「確かに精鋭部隊を送り込まれた方が対処は難しいと思いますが、姉上様に勝てる騎士はそうおりませんし、私や妹たちも一騎当千の戦士です。さらに領民一丸となって、城壁や濠を盾として護りを固めれば、そう簡単に攻め落とされはいたしません」
「唯一の弱点の兵糧に関しても、自給自足の目途(めど)が立ったと言う事ですか?」
「全てはイチロウ殿の御蔭でございます」
「そう思うなら、こちらの出した条件も護って頂けるのですね」
「はい、必ずや」
「今回は本気で人間を送り込みます、ローゼンミュラー家の領民従士30兵・専任従士10兵に我ら4姉妹が総出で荷を運びます」
「領民従士1兵に20kg担がせるのなら、量としてはそれほど多くはないでしょうが、そんなに大量に持ち込んで値崩れ起こさないですか?」
「ダンジョン都市で新たに従兵を募集して戦力を強化した上で、向こうに常設の店を出します」
「それは以前からの話し合いで聞いていましたが、本当に大丈夫ですか?」
「イチロウ殿が心配されているのは、ローゼンミュラー家が高々騎士家であり、有力な貴族家に目をつけられることですか?」
「そうです、2カ月弱しかここで暮らしていませんが、漏れ聞く話では弱肉強食の世界だと理解しています。これほど莫大な商品を売りに出したら、領地を攻め取ろうとする者が必ず現れるのではありませんか?」
「確かに他の領地なら、瞬く間に有力貴族に食い物にされてしまいます。ですがローゼンミュラー領は特殊なのです」
「どう特殊なのですか?」
「ローゼンミュラー領と接する領地まで行くのには、半日も険しい獣道をかきわけて進む必要があります」
「それは知っています」
「その上で、もし侵略軍を送り込んで来たとしても、新月期の3日以外は常に獣に襲われる事になります。特に満月期の前後7日間は、砦の範囲以外は魔獣の襲撃まであるのです」
「そうですね、メイドたちに砦外の動画撮影を御願いしましたが、かなり危険を犯して狩りや耕作をされていますね」
「獣を狩る事も命懸けなら、魔獣や獣から作物を守る事も命懸けの領地です。イチロウ殿の御蔭で、砦内で自給自足が可能になりそうですが、今までは初代様の蓄えを切り崩したり、祖父が従士を連れて傭兵まがいの事をして不作を補っていました」
「今までは旨味のない領地だったでしょうが、裕福な貴族なら少々の損害なら覚悟するのではありませんか?」
「少々の損害では済まないのです、万の大軍が送られて来たとしても、獣道を登ってこれる戦闘は1兵のみです。要所要所を弓兵で抑えれば、砦にたどり着くまでに半月期になってしまうでしょう」
「では敵が少数精鋭の部隊を送り込んできた場合はどうです?」
「確かに精鋭部隊を送り込まれた方が対処は難しいと思いますが、姉上様に勝てる騎士はそうおりませんし、私や妹たちも一騎当千の戦士です。さらに領民一丸となって、城壁や濠を盾として護りを固めれば、そう簡単に攻め落とされはいたしません」
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