第27話ルーク視点

お姉ちゃんが御姫様！
御姫様の服を着たお姉ちゃんの膝枕してもらうんだ！
だから御城にいる奴らを変える。
殺した方が簡単なのに……
陛下は殺せと言っているのに。

まあ、陛下の言う事より、お姉ちゃんの言う事の方が大事！
お姉ちゃんのお願いはとても楽しい。
何でもできる。
御城の人間を全員攫うなんて簡単な事。

でも攫うだけでは駄目。
罰も与えないといけない。
陛下を虐めた罰だ。
虐めっ子は絶対に許しちゃいけない。
徹底的に仕返ししないといけない。

何に変化させようかな？
また豚にしようかな？
芋虫がいいかな？
蛙も何度もやっているしぃ。
何か新しい動物にしようか？

顔は、元の顔を残すけど、場所はどうしよう？
でも体が先だね。
今迄使った事のない動物は、でんでん虫かな？
うん、でんでん虫にしよう！
形はでんでん虫で、身体は毛むくじゃらにしよう。

眼は一つがいいんだけど、罰で元の顔を残せと言われたからなぁ。
牙くらいはつけていいのかな。
でも牙をつけて強くなったら、またほかの子を虐めるだろうし。
大魔境で一番弱くしないといけないよなぁ。
でも弱過ぎて直ぐに食べられると罰にならないと言うし。

弱いけれど、長い間苦しませて欲しいかぁ。
陛下も難しい事を言う。
丁度でんでん虫にする事にしたし、丈夫な殻にしよう。
大魔境のどんな動物にも壊せない丈夫な殻にしよう。
頭を潰されたり食べられたら死んでしまうから、顔は表に出すけど、頭は殻の中に入れておこう。

さて、全員大魔境に連れて行きましょう。
ちょいちょいと魔法を使って、でんでん虫！
逃げられないように、とても動きを遅くして、強力な呪いをかけて、大魔境から逃げられないようにしよう。

「オリビア姫、ルーク王。
この度は御助力かたじけない」

やったぁ！
陛下がお姉ちゃんを姫って呼んでる！
やったね！

「いえいえ、独立したとは言え、元はトーレス王家の臣下です。
これからも助け合って行きましょう」

「そう言って頂ければ有難い。
多くの貴族士族が裏切り、ルーク王の魔法で大魔境に閉じ込めて頂いた。
その分戦闘力が激減している。
正式に軍事同盟を締結し、隣国に通達したいのだが、どうだろうか？」

「それは願ってもない事です。
父上や兄上とは絶縁したとは言え、長年仕えてくれた家臣や領民がいます。
隣国がトーレス王国に侵攻すれば、彼らも無事ではすみません。
それに、残念な事ですが、母が妙な野心を持つかもしれません。
それを防ぐにも、同盟は結ぶべきです」

お姉ちゃんと陛下が何か難しい事を話しているけど、そんな事よりも、早く膝枕してくれないかなぁ。