女将軍 井伊直虎

克全

第82話侵攻準備

幕府は一旦農繁期に間に合うように、国衆・地侍を一旦国許に帰したが、同時に竿入れ検地も強行した。だが同時に丹念に聞き込みを行ったうえで、境界争いや水利争いの調整も行った。時には強権を発動させて、諍いの有る場所を幕府の直轄領とすることもあったが、これによって無闇に訴える者は減った。

長引く戦乱で放棄された耕作地に屯田兵を配備したことで、農繁期に戦わせることの出来る兵が減ってしまった。だが豊かな軍資金を活用し、難民や浮民に加えて山の民や河原者も足軽に召抱えたり、屯田兵として耕作に従事させた。これによって一旦減ってしまった、直属の足軽兵団を元の兵数に戻すことができた。

同時にかねてから決まっていた、六郎の元服が次の侵攻に備えて行われた。義直将軍と義元から諱を貰い、今川直元と名乗ることになり、新たに集めた足軽兵団を直卒することになった。そこで農繁期でも自由に合戦が出来る、幕府の兵団を新設し義直・直竜・直元を補佐する者も決められた。

義直足軽兵団:5万兵
直竜足軽兵団:1万兵
直元足軽兵団:1万兵
義元足軽兵団:1万兵

年が明けて早々に直竜・直元・義元が直属軍を率いて合戦に赴いたが、それぞれに支配下領内の大名・国衆・地侍が3個兵団に付属させられた。まずは義直将軍の安全を確保する為に、直属の足軽兵団5万兵を京・山城に配備している。

次に今川直元が摂津・河内・和泉の国衆・地侍を2万1900兵農閑期動員し、紀伊国の雑賀・根来衆1万兵雇って、総勢4万1900兵で播磨に攻め込んだ。

直元足軽兵団   1万0000兵
河内国242,105石   7200兵
和泉国141,512石   4200兵
摂津国356,069石 1万0500兵
雑賀衆・根来衆  1万0000兵
4万1900兵

これに伴い今川義元は、大和・伊賀の国衆・地侍を1万6200兵農閑期動員し、今川直竜の後詰を行った。これは単に播磨侵攻に対する後詰ではなく、阿波に逃げ込んだ三好勢に後方上陸されないようにする為でも有る。

義元足軽兵団   1万0000兵
大和国448,945石 1万3200兵
伊賀国100,000石   3000兵
2万6200兵

播磨国への侵攻が順調に進む中、雪解けと同時に今川直竜が、丹波・丹後・若狭・山城の国衆・地侍を2万0200兵農閑期動員した。直属の足軽兵団1万兵とあわせて3万0200兵で但馬国に攻め込んだのだ。

直竜足軽兵団   1万0000兵
丹波国263,887石   7800兵
丹後国110,784石   3300兵
若狭国 85,000石   2500兵
山城国225,262石   6600兵
3万0200兵

これほどの兵力を投入しつつも、万が一北条・武田・北畠が裏切った場合に備えて、駿河・遠江・三河・尾張・美濃・近江・越前の兵力を予備に取っている。そしてそのことを北条・武田・北畠もひしひしと感じていた。

予備兵力      農繁期動員  農閑期動員    最大動員
尾張国571,737石 1万1400兵 1万7100兵 2万2800兵
三河国290,715石   5800兵   8700兵 1万1600兵
遠江国255,160石   5000兵   7500兵 1万0000兵
駿河国150,000石   3000兵   4500兵   6000兵
近江国775,379石 1万5400兵 2万3100兵 3万0800兵
美濃国540,000石 1万0800兵 1万6200兵 2万1600兵
越前国499,411石   9800兵 1万4900兵 3万9600兵

影響国
伊勢国567,105石 1万1200兵 1万6800兵 2万2400兵
志摩国 17,854石    300兵    500兵    700兵
紀伊国243,550石   4800兵   7200兵   9600兵

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