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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第212話水濠と城壁

「アグネス、まずは土を圧縮して、強固な岩盤を創り出すんだ」

「分かったみゃ」

俺は領界線ギリギリに、幅100m深さ100mの水濠を創り出した。まあ創り出したとは言っても、城壁に使うための、強固に圧縮した岩盤を創り出すには、それだけの土が必要だったのだ。

普通の城壁ならば、加工した石やレンガ、時には自然石を積み上げて、高く丈夫だけれど継ぎ目のある城壁にする。

だけど俺が魔法を駆使して創る城壁は、一切継ぎ目の分からない、高温高圧で精製した岩盤製だ。

ただ100m×100mの土を圧縮強化して創り出した城壁は、幅50m高さ50mになっている。

しかも本当の城壁の厚みは前後15mずつで、中心の20mは空洞で、将兵の居住スペースや軍馬の厩舎になっている。

もちろんこれだけの城壁を創り出す魔法は、膨大な魔力が必要だ。

「疲れたみゃ、お腹が空いたみゃ、モツ焼きが食べたいミャ」

「よくがんばったね、食事をしたらお昼寝しなさい」

「分かったみゃ! 早く寝たいから、すぐにモツ焼きが欲しいみゃ」

「セイ、アグネスの食事を作っている間は、俺の代わりに城壁を作っておいてくれ」

「白虎、魔法の練習がてらやっておけ」

「え~、俺もモツ焼きが食べたいぞ」

「白虎!」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

「セイ様、白虎様も辺境伯の領都ではよく働いて下さいました、休むときは皆で休んでもいいのではありませんか?」

「セイ、さっき言った事は取り消す、皆で食事にしよう」

「ならば余にも食べさせてくれるのであろうな」

「リュウ、急に現れたら怖いだろうが! それに家族で食べると言っているだろ、リュウは家族ではないだろ」

「そんな冷たい事を言うでない、余も辺境伯軍を追い返すのを手伝ったではないか。それに手加減させるから、変に気疲れしたぞ。どうせなら皆殺しにした方が、後の面倒もなかっただろう」

「あのなぁ~リュウ、原初の竜がこの世界で無暗に暴れたら、原初の人間との戦いになるんだろ。世界を股にかけた、原初同士の戦いなど、迷惑以外の何物でもないぞ!」

「だが余がこの世界の原初も兼ねた方が、ミノルも何でも自由にできて、便利になるのではないか?」

「そんな事になったら、責任と罪の意識で胃に穴が開くわ!」

「だったら大人しくしてやるから、余にもモツ焼きを食べさせるのだ」

「リュウは開拓村で作ってもらえばいいだろ!」

「開拓村で作らせた料理も美味いが、セイや白虎が作った料理の方が美味いのだ」

「リュウ、お主は我や白虎の従魔にでもなるつもりか?」

「馬鹿を言うな、下僕に作らせているのだ」

「我を下僕と言うか?」

「おいおいおい、こんな所で原初同士の戦いを始めるんじゃない! 白虎、リュウの分を作ってやってくれ」

「仕方ないなぁ~、でも俺の分は主が作ってくれよ」

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