初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第210話白虎の活躍
「やってみろ、白虎」
セイの指示を受けた白虎は、一瞬の躊躇(ためら)いも見せず、俺の返事も聞かず、領都内に飛び降りて行った。
「驕り高ぶった愚かな民よ、人間の癖に同じ人間を奴隷にするなど、おこがましいにもほどがある。今この場で奴隷を解放しなければ、原初の竜の裁きを待つまでもない。聖獣たるこの白虎が、領都を破壊しつくし、奴隷を持つ人間を殺し尽してくれる!」
「まあ! 聖獣様が、聖なる行いをして下さるのですね!」
「いや、それはちょっと違うよ、オードリー」
「何がでございますか?」
「白虎はそんな聖人君主な生物じゃないよ、ただただセイが怖くて、セイの機嫌を取るために働いているんだよ」
「そんなんことはありません! 虐げられた奴隷を解放しようとなされるなど、ミノル様の従魔に相応しい働きではありませんか」
あ~、オードリーが壊れてしまった。
余りにのも突拍子もない事が、眼の前で立て続けに起こったから、まともな状況判断ができないのだろう。
「もう眠たいみゃ、お腹もすいたミャ!」
「そうか、何が食べたいんだい?」
「ジャイアント・ホワイトホエールのステーキが食べたいミャ!」
「え~と、いったんキャンプ地に戻るのは・・・・・」
「駄目に決まっているだろ、白虎の仕事ぶりを見てやれ」
「セイはいつも白虎に冷たいのに、こんな時にはそう言う事を言うのだな」
「そう言えば、ミノルはこの場に留まるであろう」
「やり方が汚いな」
「人間を見習っているのだ」
今日のセイに何を言っても無駄だろう。それにしても、今日は白虎もいつもと違う。本当に誠心誠意働いているが、何かしっくりとこない。どうにもこうにも、騙されて動かされているとしか思えない。
「早くジャイアント・ホワイトホエールのステーキを焼いて欲しいみゃ!」
「や、でもな、ここは空中だし」
「いまさら何を言っているのだ、空中だろうが海中だろうが、結界を張っていれば何でもできるではないか。さっさとステーキを焼いてやれ。それにまだオードリーには、ジャイアント・ホワイトホエールのステーキを食べさせてやっていないではないか」
「そうか、そうだな。妻に迎えると言っているのに、最高の料理を食べさせてあげていないと言うのは、いけないな」
「そうだぞ、アグネスはともかく、白虎に食べさせている料理を、自分の妻には食べさせていないなど、手抜きにもほどがあるぞ」
「オードリー、今から俺が作れる最高の料理を作るから、食べてくれるかい?」
「本当ですか! とてもうれしいです、ありがとうございます」
上空で俺たちがこんな事をしている間に、白虎は勤勉に働いてくれて、多くの奴隷を解放しながら、逆らう領都民を虐殺していった。
セイに厳しく注意された俺は、しばらくは放置しておいて、時間が経ってから蘇生魔法を使う事にした。
セイの指示を受けた白虎は、一瞬の躊躇(ためら)いも見せず、俺の返事も聞かず、領都内に飛び降りて行った。
「驕り高ぶった愚かな民よ、人間の癖に同じ人間を奴隷にするなど、おこがましいにもほどがある。今この場で奴隷を解放しなければ、原初の竜の裁きを待つまでもない。聖獣たるこの白虎が、領都を破壊しつくし、奴隷を持つ人間を殺し尽してくれる!」
「まあ! 聖獣様が、聖なる行いをして下さるのですね!」
「いや、それはちょっと違うよ、オードリー」
「何がでございますか?」
「白虎はそんな聖人君主な生物じゃないよ、ただただセイが怖くて、セイの機嫌を取るために働いているんだよ」
「そんなんことはありません! 虐げられた奴隷を解放しようとなされるなど、ミノル様の従魔に相応しい働きではありませんか」
あ~、オードリーが壊れてしまった。
余りにのも突拍子もない事が、眼の前で立て続けに起こったから、まともな状況判断ができないのだろう。
「もう眠たいみゃ、お腹もすいたミャ!」
「そうか、何が食べたいんだい?」
「ジャイアント・ホワイトホエールのステーキが食べたいミャ!」
「え~と、いったんキャンプ地に戻るのは・・・・・」
「駄目に決まっているだろ、白虎の仕事ぶりを見てやれ」
「セイはいつも白虎に冷たいのに、こんな時にはそう言う事を言うのだな」
「そう言えば、ミノルはこの場に留まるであろう」
「やり方が汚いな」
「人間を見習っているのだ」
今日のセイに何を言っても無駄だろう。それにしても、今日は白虎もいつもと違う。本当に誠心誠意働いているが、何かしっくりとこない。どうにもこうにも、騙されて動かされているとしか思えない。
「早くジャイアント・ホワイトホエールのステーキを焼いて欲しいみゃ!」
「や、でもな、ここは空中だし」
「いまさら何を言っているのだ、空中だろうが海中だろうが、結界を張っていれば何でもできるではないか。さっさとステーキを焼いてやれ。それにまだオードリーには、ジャイアント・ホワイトホエールのステーキを食べさせてやっていないではないか」
「そうか、そうだな。妻に迎えると言っているのに、最高の料理を食べさせてあげていないと言うのは、いけないな」
「そうだぞ、アグネスはともかく、白虎に食べさせている料理を、自分の妻には食べさせていないなど、手抜きにもほどがあるぞ」
「オードリー、今から俺が作れる最高の料理を作るから、食べてくれるかい?」
「本当ですか! とてもうれしいです、ありがとうございます」
上空で俺たちがこんな事をしている間に、白虎は勤勉に働いてくれて、多くの奴隷を解放しながら、逆らう領都民を虐殺していった。
セイに厳しく注意された俺は、しばらくは放置しておいて、時間が経ってから蘇生魔法を使う事にした。
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