初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第209話領都の真実
「おい! やり過ぎだぞセイ!」
「大丈夫だ、ミノルなら蘇生に失敗することもない」
「そう言う問題じゃない! 見てみろセイ! 軍勢の進攻上にある家々が破壊され、多くの領民が殺されてるではないか!」
俺はとっさに軍勢と領民の間に、防御魔法を展開したが、わずかに間に合わず、多くの領民が殺されることになった。
「蘇生してやればいいではないか」
「そんな問題ではないと、何度も言っているだろ! 殺される恐怖を味わった人間が、例え蘇生されたとしても、今後は殺される恐怖で、まともな人生を送れなくなるだろ!」
「この世界で生きて行くなら、それくらいは平気だよ」
「それはセイの独善的な考えだろ」
「ミノルよ、辺境伯だけではなく、領民自体が驕(おご)り高(たか)ぶり、他の領地の者たちを虐(しいた)げているのだ」
「そんな馬鹿な!」
「ミノルよ、人間を信じたい気持ちは分かる。だがここの領民の心を読んでみれば、ここの領民が他領の者にどう言う事をやって来たか、真実が分かるぞ」
「人の心など読みたくない! だがセイがそこまで言うのなら、真実なのだろうな・・・・・」
「あそこを見ろ、ミノル! 富裕な領民が、無理矢理奴隷を道に出そうとしているぞ」
セイの言う方向を遠見で見れば、軍勢が残して行った物資を集めさせようと、奴隷を道に出そうとしている領民がいる。その奴隷の姿は哀れなもので、ろくに食べさせてもらっていないのだろう、痩せ衰えている。
「あの青あざや傷は、領民が自分の欲望のために、奴隷を傷つけたものだ。奴隷は他領で暮らしていたのを、辺境伯軍が襲って連れて来たのだ」
「だがそれは辺境伯が悪いのであって・・・・・」
「ミノル、真実を分かっていて言い訳するなど、卑怯にもほどがるぞ!」
ああそうだ、俺にも本当の事は分かっている。
この領都に住む人間が、自分が豊かになり、楽に暮らすために奴隷を欲したのだ。辺境伯だけが悪いのではなく、領都の民も悪いのだ。己の欲望を満たすために、他者を奴隷として支配しようとしたのだ。
「分かった、分かったけれど、だったらどうしろと言うんだ」
「領都の奴隷を全て解放して、逃がしてやればよかろう」
「だが奴隷を解放しても、金もなければ食料もないだろう?」
「今までで奴隷を虐げていた、悪逆非道な主人から、金と食料を奪えばよかろう。もちろん辺境伯や、その一族一門家臣が貯め込んだ、金と食料も奪えばいい」
「そこまでやるのか?」
「そこまでやるのだ、そして骨の髄まで、ミノルに対する恐怖を植え付けるのだ。そうすれば、新たに創り出す冒険者村は、誰からも攻められたりしないだろう」
「主、俺にも手伝わせてくれ」
「大丈夫だ、ミノルなら蘇生に失敗することもない」
「そう言う問題じゃない! 見てみろセイ! 軍勢の進攻上にある家々が破壊され、多くの領民が殺されてるではないか!」
俺はとっさに軍勢と領民の間に、防御魔法を展開したが、わずかに間に合わず、多くの領民が殺されることになった。
「蘇生してやればいいではないか」
「そんな問題ではないと、何度も言っているだろ! 殺される恐怖を味わった人間が、例え蘇生されたとしても、今後は殺される恐怖で、まともな人生を送れなくなるだろ!」
「この世界で生きて行くなら、それくらいは平気だよ」
「それはセイの独善的な考えだろ」
「ミノルよ、辺境伯だけではなく、領民自体が驕(おご)り高(たか)ぶり、他の領地の者たちを虐(しいた)げているのだ」
「そんな馬鹿な!」
「ミノルよ、人間を信じたい気持ちは分かる。だがここの領民の心を読んでみれば、ここの領民が他領の者にどう言う事をやって来たか、真実が分かるぞ」
「人の心など読みたくない! だがセイがそこまで言うのなら、真実なのだろうな・・・・・」
「あそこを見ろ、ミノル! 富裕な領民が、無理矢理奴隷を道に出そうとしているぞ」
セイの言う方向を遠見で見れば、軍勢が残して行った物資を集めさせようと、奴隷を道に出そうとしている領民がいる。その奴隷の姿は哀れなもので、ろくに食べさせてもらっていないのだろう、痩せ衰えている。
「あの青あざや傷は、領民が自分の欲望のために、奴隷を傷つけたものだ。奴隷は他領で暮らしていたのを、辺境伯軍が襲って連れて来たのだ」
「だがそれは辺境伯が悪いのであって・・・・・」
「ミノル、真実を分かっていて言い訳するなど、卑怯にもほどがるぞ!」
ああそうだ、俺にも本当の事は分かっている。
この領都に住む人間が、自分が豊かになり、楽に暮らすために奴隷を欲したのだ。辺境伯だけが悪いのではなく、領都の民も悪いのだ。己の欲望を満たすために、他者を奴隷として支配しようとしたのだ。
「分かった、分かったけれど、だったらどうしろと言うんだ」
「領都の奴隷を全て解放して、逃がしてやればよかろう」
「だが奴隷を解放しても、金もなければ食料もないだろう?」
「今までで奴隷を虐げていた、悪逆非道な主人から、金と食料を奪えばよかろう。もちろん辺境伯や、その一族一門家臣が貯め込んだ、金と食料も奪えばいい」
「そこまでやるのか?」
「そこまでやるのだ、そして骨の髄まで、ミノルに対する恐怖を植え付けるのだ。そうすれば、新たに創り出す冒険者村は、誰からも攻められたりしないだろう」
「主、俺にも手伝わせてくれ」
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