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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第207話再脅迫

ローファン王国:辺境伯領都直上

「なあセイ、ここは領界線じゃなく、辺境伯領の領都なんじゃないのか?」

「そうだが、それがどうかしたのか?」

「さっきセイは、領界線に辺境伯軍が侵攻して来たと言ってじゃないか!」

「記憶にないな、辺境伯軍が攻めてくると言った記憶はあるんだが」

「いい加減にしろよ、それにどこが攻めてきているんだ、領都に軍勢が集結しているだけじゃないか!」

「だがこの軍勢が、冒険者村に攻め寄せてくるぞ」

「そうとは限らないだろう! あれほどリュウに恐怖していた軍勢を、これほど短時間で再編成出来るはずがないんだ。これは敗軍をまとめているだけじゃないのか?」

「だが敗軍をまとめたら、再侵攻をはかるかもしれんぞ」

「リュウにあれだけ脅かされたら、もう1度攻めてくる奴なんていないよ。どれほど辺境伯が命令しても、それに応ずる将兵も冒険者もいないよ」

「人間は利己的で欲深いものだぞ、人質を取ってでも再度の侵攻を企てる」

「あのなぁ~、そうなったらそうなった時に、もう1度リュウに撃退させればいいだろ?」

(ミノル、家族融和のためには、共通の敵を作るのがいいのだぞ)

(内緒話かよ、セイ。確かに国をまとめるのに、敵国を作るのは常套手段(じょうとうしゅだん)だけど、そんな汚い手は使わないぞ)

(だがなミノルよ、負けて逃げ帰った将兵や冒険者の中には、辺境伯の命令で仕方なく従軍していた者もいるぞ)

(確かにそんな人間もいるだろうな)

(そな人間が、辺境伯に侵攻中止を提案してみろ、下手すれば家族ともども殺されてしまうぞ)

(確かにそう言う可能性はあるな)

「ミノルよ、手先に使われる可哀想な将兵や冒険者を、何度も何度も撃退するのは可愛そうだ。ここは元凶である、辺境伯と重臣たちを叩くべきではないか」

「確かにそれは一理あるけど」

(そのついでに家族の融和を図ればいい。ついでにアグネスの魔法練習の場にすればいい)

(セイは何時からそんな悪人になったんだ?)

(人間とかかわるようになってからだ)

(人間の所為にするんじゃない!)

(だったら言おう、帝国軍が我の世界に攻め込んで来てからだ)

(そう言われると返す言葉がないな。俺の生まれ育った世界ではないが、人間とはそう言う面がある生物なのは確かだな)

「さあミノル、何もリュウに負けてボロボロになっている軍を、再度攻撃しろとは言わない。領都の民を攻撃しろとも言わない。自分は城でふんぞり返り、軍に民を蹂躙(じゅうりん)させようとした、辺境伯とその一族一門を、しっかり脅し付けてやれ」

「分かったよ、だけど俺が直接手を下すのは最後だ。アグネス、魔法の練習に、あの城を攻撃しなさい」

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