初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第190話蘇生魔法問答

ローファン王国:ビラン郊外の森の中

(やれやれ、リュウに力加減は無理だな)

(当然であろう、原初の竜の圧倒的攻撃力は、全ての原初の中でも群を抜いておる。矮小(わいしょう)な)人間を相手に加減するなど、とてもできるものではない)

(分かっていたなら、教えてくれればいいだろ)

(死んだら蘇生すればいいだけのことだ、リュウが人間に蘇生魔法をかけるのなら、失敗する事などないからな)

(蘇生魔法が失敗したらどうなるのだ?)

(うん? ミノルのレベルなら失敗することなどない。気にする事はないぞ)

(いや、念のために知識として知っておきたいのだよ)

(そうか、レベルの低い者がレベルの高い者を蘇生する場合は、ほぼ100%失敗する)

(なるほど、蘇生魔法とは、高レベルの術者が低レベルの者にかけるのが基本なんだな)

(そう言う事だ)

(同レベルならどうなるんだ?)

(50%の成功率だな)

(どれくらいのレベルなら100%成功するんだ?)

(どれくらいと言うより、レベル差で成功率が違ってくる)

(1レベル違うと、成功率は何%になるんだ?)

(51%だな)

(じゃあ50レベル違えば、蘇生魔法の成功率は100%になると言う事か)

(そう言う事だ)

(じゃあ俺はどうなるんだ?)

(原初の存在以外は、ほぼ全て100%で蘇生できるな)

(じゃあ万が一、アグネスや白虎に何かあった場合でも、100%蘇生させる事ができるんだな?)

(そうだ、魂が消滅していない限り、100%蘇生させる事ができる。我の眷族(けんぞく)である、ハイエルフ族やハイドリアード族などを、1度で完璧に蘇生させたであろう。彼らがどれほど高レベルだったと思っているんだ)

(なるほど、確かにそう言われてみればそうだな。ところで俺は何レベルなんだ?)

(そんな事は分からんよ)

(分からんと言うのはおかしいだろう、この世界はレベルでできあがっているのではないか?)

(確かに原初の人間が支配している世界だけでなく、我の世界もリュウの世界もレベルが存在している。だが原初の存在だけは、レベルを量る方法がないのだ)

(それは、世界の支配者には、レベル制が適用されていないと言う事か?)

(どうだろうな、我が自我を確立した時から、レベルと言う物はなかった。我を中心に世界が形成され、生物が生まれて初めて、レベルと言う概念が産まれたのだ)

(そうか、セイが知らない分からないと言うのなら、そう言う物だと納得するしかないな)

(そうだ、原初の存在よりも高次の存在が決めた摂理なら、そうだと納得するしかない。それよりもミノル、リュウがもう1仕事してくれるようだぞ)

(あれは王国軍なのかな?)

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