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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第186話ゾッティ伯爵

(おい、気がつているのだろ)

(ああ、分かっているよ)

俺が子供たちに料理を教えていると、ビランの街で大きな動きがあった。

街を中心に、広大な領地を支配するゾッティ伯爵が、直々に俺と交渉がしたいと言いだしたのだ。

もちろん俺は郊外で料理教室をしているから、ビランの街にはいないのだが、捕縛した愚連隊と暗殺団を浮遊させたままにしている。普通の魔法使いなら、浮遊させている物体の近くにいる。遠く離れた場所から浮遊魔法を継続するなど、常識では不可能なのだ。

だからゾッティ伯爵は、俺が近くにいると言う前提で、愚連隊と暗殺団は浮遊する近くにまで来て、俺との直接交渉を望んでいるのだ。

もちろん最初はギルドマスターにやらせたり、警備隊にやらせていたのだが、その時は俺はもちろんセイも無視していたのだ。

だがいつまでたっても返事すらもらえず、城門からの出入りも不可能な状態が続き、市民の怒りも徐々に高まっていた。

その上に、愚連隊が次々と冒険者ギルドや警備隊の不正を証言したのだからたまらない。口封じしようにも、高レベル冒険者や警備隊の攻撃が、浮遊空域に全く通じないのだから、実力が違い過ぎるのを思い知らされるだけだった

(だったら返事してやったらどうだ)

(子供たちへの料理指導が終わったらな)

(今返事してやれば、事が穏便に納まるのではないか)

(そうかもしれないな)

(分かっているのなら、行く行かないは別にして、返事くらいはしてやったらどうだ?)

(動くのが遅すぎるから、少々待たせてやるんだよ)

(それを理由に、副ギルドマスターや重臣が、伯爵にミノルへの悪意を吹き込むのではないか?)

(そうだな、悪意を吹き込んで、俺と敵対させようとするだろうな)

(ふむ、その事を分かっていて返事をしないのだな)

(もうここまで事態が悪化したんだから、伯爵家を滅亡させるくらいの荒療治が必要だと思っているんだよ)

(ミノルがビランの全責任を背負う覚悟ができたんだな)

(そんな責任は背負わないよ)

(だが伯爵家を滅亡させると言う事は、街を支配すると言う事ではないのか?)

(伯爵家を滅亡させて、しばらく街を治めていれば、ローファン王国が街を取り返そうとするさ)

(侵攻軍に明け渡すのか?)

(そうだよ)

(だが侵攻軍が街に入り込めば、兵士が市民に乱暴するぞ。当然略奪や暴行が起こり、多くの女性や子供が苦しむ事になるぞ。ミノルは自分がそんな事を引きを起こして、平気でいられるほど強くはないだろ?)

(そうか、そうだな、俺にはそう言う強さはないな)

(だったらこの辺で手打ちをしたらどうだ?)

(そうだな、だけど舐められるのも嫌だし、ここはリュウに出てもらおう)

(珍しいな、リュウを使うのか)

(最近リュウの食べる量が増えているから、それに相応しい仕事をしてもらわないとね)

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