初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第183話不穏
ローファン王国:ビラン郊外の森の中
(暴動が起こりそうだね、セイ)
(そうだな、ミノルが城門を封鎖したから、食料が城内に運び込めなくなっている。市民は食料を買い占めようとするし、商人は儲けようと売り惜しみをしている。とうぜん街では不安と不満がたまり、暴動をあおって略奪を始めようと考えている者もいる)
(抑えるべき領主軍や冒険者ギルドが今回の原因だから、偉そうに力ずくで抑えるのは難しいからね)
(ミノルが捕縛して、街の上空に浮かせている愚連隊が、飢えと渇きで依頼者の名前を言いはずめたからな)
(まだ暗殺団が口を割らないから、愚連隊だけの証言では証拠価値は低いけど、副ギルドマスターと事務長が加担していると愚連隊が言っているからね)
(領主が直接加担していた証拠はないが、街の警備隊幹部が愚連隊を使って、色々な犯罪をやらさせていた証言も出たな)
(警備隊に加えて街の有力者にも、貧民街に使うべき公金を横領していると言う話が出たから、誰も市民を指導する事はできないだろうね)
(リーダーが不在と言う事だな)
(領主も表だってに動きにくいし、冒険者ギルドも大きく信用を落とした。市民革命を始めるにしても、本来指導者になるべき有力者が公金横領しているから、市民がまとまらない。略奪暴動を始める貧民は、俺が捕縛するか逃がしたからね)
(普通の暴動はギリギリまで起こらないだろうが、商人ギルドが計画的に動きだしたな)
(どうやら各商人が護衛を出し合って、冒険者ギルドを襲撃する気のようだね)
(領主を攻めると色々面倒だから、冒険者ギルドを襲撃して黒幕の一部を捕縛し、ミノルと交渉する気のようだな)
(そのようだね)
(交渉には応じないのか?)
(領主はともかく、かかわった警備隊幹部や重臣が処刑されない限り、交渉に応じる気はないよ)
(それでは市民の死傷者や餓死者が出るのではないか? そのような事になって、ミノルの心は耐えられるのか?)
(耐えられないかもしれないね)
(だったら交渉に応じればよかろう)
(冒険者ギルドの襲撃に成功したら、商業ギルドは食料を無償で配るはずだから、しばらくは大丈夫だよ)
(商人が自分たちの富を無償で提供すると言うのか?)
(暴徒に襲われて奪われるくらいなら、一部を吐きだして安全をはかるよ。それにもともと持っていた財産や商品ではなく、冒険者ギルドから奪った物の一部を配るだけだよ)
(だがそれは商人ギルドが冒険者ギルドに勝った場合だけであろう、冒険者ギルドが商人ギルドを撃退した場合はどうなる?)
(それはね)
「ミノル様、ファングラットを全部倒しました。次の訓練相手をお願いします」
「よし、ちゃんとレベリングが出来ているから、予定よりレベルの上がるのが早い。これからも同じように、みんなそろってレベルが上がるように、公平に獲物を分けるんだぞ」
「「「「「はい」」」」」
(暴動が起こりそうだね、セイ)
(そうだな、ミノルが城門を封鎖したから、食料が城内に運び込めなくなっている。市民は食料を買い占めようとするし、商人は儲けようと売り惜しみをしている。とうぜん街では不安と不満がたまり、暴動をあおって略奪を始めようと考えている者もいる)
(抑えるべき領主軍や冒険者ギルドが今回の原因だから、偉そうに力ずくで抑えるのは難しいからね)
(ミノルが捕縛して、街の上空に浮かせている愚連隊が、飢えと渇きで依頼者の名前を言いはずめたからな)
(まだ暗殺団が口を割らないから、愚連隊だけの証言では証拠価値は低いけど、副ギルドマスターと事務長が加担していると愚連隊が言っているからね)
(領主が直接加担していた証拠はないが、街の警備隊幹部が愚連隊を使って、色々な犯罪をやらさせていた証言も出たな)
(警備隊に加えて街の有力者にも、貧民街に使うべき公金を横領していると言う話が出たから、誰も市民を指導する事はできないだろうね)
(リーダーが不在と言う事だな)
(領主も表だってに動きにくいし、冒険者ギルドも大きく信用を落とした。市民革命を始めるにしても、本来指導者になるべき有力者が公金横領しているから、市民がまとまらない。略奪暴動を始める貧民は、俺が捕縛するか逃がしたからね)
(普通の暴動はギリギリまで起こらないだろうが、商人ギルドが計画的に動きだしたな)
(どうやら各商人が護衛を出し合って、冒険者ギルドを襲撃する気のようだね)
(領主を攻めると色々面倒だから、冒険者ギルドを襲撃して黒幕の一部を捕縛し、ミノルと交渉する気のようだな)
(そのようだね)
(交渉には応じないのか?)
(領主はともかく、かかわった警備隊幹部や重臣が処刑されない限り、交渉に応じる気はないよ)
(それでは市民の死傷者や餓死者が出るのではないか? そのような事になって、ミノルの心は耐えられるのか?)
(耐えられないかもしれないね)
(だったら交渉に応じればよかろう)
(冒険者ギルドの襲撃に成功したら、商業ギルドは食料を無償で配るはずだから、しばらくは大丈夫だよ)
(商人が自分たちの富を無償で提供すると言うのか?)
(暴徒に襲われて奪われるくらいなら、一部を吐きだして安全をはかるよ。それにもともと持っていた財産や商品ではなく、冒険者ギルドから奪った物の一部を配るだけだよ)
(だがそれは商人ギルドが冒険者ギルドに勝った場合だけであろう、冒険者ギルドが商人ギルドを撃退した場合はどうなる?)
(それはね)
「ミノル様、ファングラットを全部倒しました。次の訓練相手をお願いします」
「よし、ちゃんとレベリングが出来ているから、予定よりレベルの上がるのが早い。これからも同じように、みんなそろってレベルが上がるように、公平に獲物を分けるんだぞ」
「「「「「はい」」」」」
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