初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第179話封鎖
ビラン冒険者ギルド本部:貴賓室
「本気でギルド職員に裏切り者がいると言われるのだな?」
「信用できませんか?」
「ミノル殿を信用しないと言う訳ではないが、ずっと一緒にギルドを支えてきた職員を疑うなど、出来ればしたくないのだ」
「ではマスターが信頼する古参冒険者に、俺が捕えた暗殺団員の尋問をさせればいいでしょ」
「尋問と言うのは、魔法使いに真実を話す魔法をかけさせろと言う事だな?」
「俺が魔法をかけたのでは信用できないのでしょ?」
「率直に言えば、ジャイアント・レッドベアーを軽々と狩る実力者のミノル殿なら、偽証言をさせる魔法を会得しているのではないかと疑っている」
「それは俺が事前に、暗殺団に暗示をかけていると疑っているんですね」
「疑っているのではない、だが、それくらいの実力はあるだろうと考えている」
「そこまでマスターに言われると、俺には今回の襲撃が冒険者ギルド自体が仕組んだ事件に思えてしまいますね。そもそもギルドマスターも知っていた事と、俺が疑ってしまうのも当然ですよね」
「ふむ、そう疑っているのなら、我々にどう対応すると言うのかね。今後ジャイアント・レッドベアーの販売を止めるとでもいうのかね?」
「そんな中途半端な事はしませんよ、滅ぼすだけですよ」
「滅ぼすだと?」
「俺が助けたいと思う人間だけビランの城外に出して、後の者達は全員超火炎魔法で焼き滅ぼしますよ」
「それは冒険者ギルドだけではなく、領主様とも事を構えると言う事か?」
「随分と湾曲的な表現をされますね、端的に言いますよ。領主軍を含めたビランの全戦力を、領民共々滅ぼしますよ」
「そんなことが可能だと思っているのか?」
「ジャイアントレットベアーの群れを、品質を悪くすることもなく狩れる魔法使いが、この程度の街の軍勢を滅ぼせないと、本気で思っているんですか?」
「・・・・・少し待ってくれないか」
「嫌ですね、虐げられていた弱い子供達を人質に取って、冒険者の財産を奪おうとするような冒険者ギルドは、黒幕の領主ごと滅ぼしますよ」
「な?! 今回の黒幕が領主様だと言うのか! そのような事は絶対ない!」
「これほどの街の冒険者ギルドのマスターが、冒険者襲撃犯を庇い、事件を隠蔽しようとするんですから、黒幕は領主以外にはいないでしょう。今までも冒険者を殺して、その財産を奪って私腹を肥やしてきたんでしょう。その犯罪をローファン王国全土に広め、一族一門全てがローファン王国で生きて行けないようにして差し上げましょう」
「待て、待ってくれ! 領主様はそのような方ではない!」
(ふむ、弁明は聞かぬのか?)
(こちらの要望を何一つ聞かず、事件を隠蔽して黒幕を庇おうとしたんだ、それ相応の罰は受けてもらわないとな)
(ビランを滅ぼす気ではないのだろ?)
(人間は滅ぼさないけど、街は破壊するかもしれないな)
(ほう、随分と怒っているのだな。子供達を巻き込もうとしたことが、それほど気に喰わんのか?)
(ああ、凄く気に喰わないね、それなりの発散をしないと怒りが収まらないよ)
(その発散が、ビランの破壊か?)
(そうなるかもしれないね)
俺が貴賓室を出ても、ギルドマスターは追いかけて来なかった。いや、追いかけられなかったと言うのが正しい表現で、怒りと共に徐々に高まった俺の殺気を受けて、最後はしゃべることも動くことも出来なくなっていた。
「ミノル様、ギルドマスターとの話はどうなりました?」
「やあオードリー、マスターは黒幕を庇って尋問すら拒否したよ」
「そんな?!」
「急いで荷物を纏めてくれるかな?」
「え? 私の荷物を纏めるのですか?」
「ああ、時間がかるようなら、俺が代わりの物を買ってあげるから、思い出の物だけ持って、一緒に街を出よう」
「え~と、一緒に街を出ようと言ってもらえたのは嬉しいんですが、何故なんですか?」
「うん? この街を焼き滅ぼすからだよ」
「え?! ビランを焼き滅ぼすんですか?!」
「そうだよ、可哀想な子供達を人質に取って、俺を襲うような冒険者ギルドや黒幕は、街ごと焼き殺すと決めたんだ」
「でも、あの、街の人達はどうなるんですか?」
「罪なき人は街を出ればいいよ」
「街を捨てなきゃいけないんですか?」
「嫌ならビランと一緒に死ねばいいさ、俺は強要しないよ。善良な人は街を捨てて逃げるも、街と共に死ぬのも自由さ。ただね、卑怯な暗殺団を容認するような街や住民は、焼き滅ぼしてしまうと決めたんだよ」
周りで聞き耳を立てていたギルド職員と冒険者は、それこそ驚愕して眼玉を飛びださんばかりにしている。まあそれもそうだろう、俺が貧民街の犯罪者グループと、如何にも暗殺者ですと言う装束の者達を、宙に浮かせて運んできたのだ。
しかも一緒にやって来た貧民街の子供達は、愚連隊グループに襲われたとか、暗殺団が一緒に襲って来たとか、暗殺団の黒幕はギルド職員だとか、俺が意図しなくても多くの人に吹聴して周ってくれたのだ。それを聞いたギルド職員や冒険者が、固唾を飲んで結果を待っていたのだ。
「ミノル殿、罪があるのもはどうなるんですか?」
食堂で焼酎を飲んでいたドワーフ族が、恐る恐る聞いてきた。俺を怒らせて、はなたれ焼酎や焼酎の販売を中止されるのは怖いが、どうしても気になったのだろう。
「街の全ての出入り口を魔法で封鎖したから、過去に罪を犯した人間は街から出れないよ。だからね、今回の件にかかわった者と一緒に、焼き殺して浄化してあげるんだよ」
「「「「「な?!」」」」」
「本気でギルド職員に裏切り者がいると言われるのだな?」
「信用できませんか?」
「ミノル殿を信用しないと言う訳ではないが、ずっと一緒にギルドを支えてきた職員を疑うなど、出来ればしたくないのだ」
「ではマスターが信頼する古参冒険者に、俺が捕えた暗殺団員の尋問をさせればいいでしょ」
「尋問と言うのは、魔法使いに真実を話す魔法をかけさせろと言う事だな?」
「俺が魔法をかけたのでは信用できないのでしょ?」
「率直に言えば、ジャイアント・レッドベアーを軽々と狩る実力者のミノル殿なら、偽証言をさせる魔法を会得しているのではないかと疑っている」
「それは俺が事前に、暗殺団に暗示をかけていると疑っているんですね」
「疑っているのではない、だが、それくらいの実力はあるだろうと考えている」
「そこまでマスターに言われると、俺には今回の襲撃が冒険者ギルド自体が仕組んだ事件に思えてしまいますね。そもそもギルドマスターも知っていた事と、俺が疑ってしまうのも当然ですよね」
「ふむ、そう疑っているのなら、我々にどう対応すると言うのかね。今後ジャイアント・レッドベアーの販売を止めるとでもいうのかね?」
「そんな中途半端な事はしませんよ、滅ぼすだけですよ」
「滅ぼすだと?」
「俺が助けたいと思う人間だけビランの城外に出して、後の者達は全員超火炎魔法で焼き滅ぼしますよ」
「それは冒険者ギルドだけではなく、領主様とも事を構えると言う事か?」
「随分と湾曲的な表現をされますね、端的に言いますよ。領主軍を含めたビランの全戦力を、領民共々滅ぼしますよ」
「そんなことが可能だと思っているのか?」
「ジャイアントレットベアーの群れを、品質を悪くすることもなく狩れる魔法使いが、この程度の街の軍勢を滅ぼせないと、本気で思っているんですか?」
「・・・・・少し待ってくれないか」
「嫌ですね、虐げられていた弱い子供達を人質に取って、冒険者の財産を奪おうとするような冒険者ギルドは、黒幕の領主ごと滅ぼしますよ」
「な?! 今回の黒幕が領主様だと言うのか! そのような事は絶対ない!」
「これほどの街の冒険者ギルドのマスターが、冒険者襲撃犯を庇い、事件を隠蔽しようとするんですから、黒幕は領主以外にはいないでしょう。今までも冒険者を殺して、その財産を奪って私腹を肥やしてきたんでしょう。その犯罪をローファン王国全土に広め、一族一門全てがローファン王国で生きて行けないようにして差し上げましょう」
「待て、待ってくれ! 領主様はそのような方ではない!」
(ふむ、弁明は聞かぬのか?)
(こちらの要望を何一つ聞かず、事件を隠蔽して黒幕を庇おうとしたんだ、それ相応の罰は受けてもらわないとな)
(ビランを滅ぼす気ではないのだろ?)
(人間は滅ぼさないけど、街は破壊するかもしれないな)
(ほう、随分と怒っているのだな。子供達を巻き込もうとしたことが、それほど気に喰わんのか?)
(ああ、凄く気に喰わないね、それなりの発散をしないと怒りが収まらないよ)
(その発散が、ビランの破壊か?)
(そうなるかもしれないね)
俺が貴賓室を出ても、ギルドマスターは追いかけて来なかった。いや、追いかけられなかったと言うのが正しい表現で、怒りと共に徐々に高まった俺の殺気を受けて、最後はしゃべることも動くことも出来なくなっていた。
「ミノル様、ギルドマスターとの話はどうなりました?」
「やあオードリー、マスターは黒幕を庇って尋問すら拒否したよ」
「そんな?!」
「急いで荷物を纏めてくれるかな?」
「え? 私の荷物を纏めるのですか?」
「ああ、時間がかるようなら、俺が代わりの物を買ってあげるから、思い出の物だけ持って、一緒に街を出よう」
「え~と、一緒に街を出ようと言ってもらえたのは嬉しいんですが、何故なんですか?」
「うん? この街を焼き滅ぼすからだよ」
「え?! ビランを焼き滅ぼすんですか?!」
「そうだよ、可哀想な子供達を人質に取って、俺を襲うような冒険者ギルドや黒幕は、街ごと焼き殺すと決めたんだ」
「でも、あの、街の人達はどうなるんですか?」
「罪なき人は街を出ればいいよ」
「街を捨てなきゃいけないんですか?」
「嫌ならビランと一緒に死ねばいいさ、俺は強要しないよ。善良な人は街を捨てて逃げるも、街と共に死ぬのも自由さ。ただね、卑怯な暗殺団を容認するような街や住民は、焼き滅ぼしてしまうと決めたんだよ」
周りで聞き耳を立てていたギルド職員と冒険者は、それこそ驚愕して眼玉を飛びださんばかりにしている。まあそれもそうだろう、俺が貧民街の犯罪者グループと、如何にも暗殺者ですと言う装束の者達を、宙に浮かせて運んできたのだ。
しかも一緒にやって来た貧民街の子供達は、愚連隊グループに襲われたとか、暗殺団が一緒に襲って来たとか、暗殺団の黒幕はギルド職員だとか、俺が意図しなくても多くの人に吹聴して周ってくれたのだ。それを聞いたギルド職員や冒険者が、固唾を飲んで結果を待っていたのだ。
「ミノル殿、罪があるのもはどうなるんですか?」
食堂で焼酎を飲んでいたドワーフ族が、恐る恐る聞いてきた。俺を怒らせて、はなたれ焼酎や焼酎の販売を中止されるのは怖いが、どうしても気になったのだろう。
「街の全ての出入り口を魔法で封鎖したから、過去に罪を犯した人間は街から出れないよ。だからね、今回の件にかかわった者と一緒に、焼き殺して浄化してあげるんだよ」
「「「「「な?!」」」」」
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