初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第175話三次元料理
ビラン近郊秘密キャンプ
「どうしたのだミノル」
「いや、酒を取り寄せようとドローン配送を見てみたんだけど、意外とこの世界の食材が売れているんだよ」
「ほう、確かに売れているな」
「ダイオウイカが売れているのも驚きなんだけど、スライムや魔虫が売れるのは更に意外だった」
「ふむ、1匹や量当たりの単価が安いとは言え、1日当たりの売れ行きがいいな」
「食糧難の世界とも直結しているのかな?」
「そうかもしれんな、それに対価が金銀銅貨だけでなく、ダイヤモンドやルビーなどの宝石類や魔石になっているな」
「ああ、こんな方法があるとは思わなかったけど、物々交換に近いシステムになっているのかな?」
「宝石や魔石が通貨になっている世界もあるのではないか」
「なるほど、その可能性は高いな」
「数多く獲れると言うのであれば、さっきリュウから手に入れた魔イワシやイワシホエールも売りに出してもいいのではないか?」
「そうだな、魔イワシも売りに出してみるよ」
「イワシホエールは出さないのか?」
「なんかもったいない気がするんだよね」
「どうもミノルの感覚や価値観が分からん」
「それでいいんだよ、人間の気持ちや感情なんて一瞬で変わるもんなんだし、支離滅裂で普通なんだよ」
「いい加減だな」
「そうだよ、俺はいい加減なんだよ。アグネス、ちょっと街に行ってくるから、その間にレベル上げの狩りをしていなさい」
「分かったみゃ、白虎と狩りするミャ」
「任せろ主」
「余も付き合ってやろう、止めをアグネスにささせればいいのであろう。それで狩った獲物を、2度目の代価にすればよかろう」
「ああ、それで頼むよ」
ビラン冒険者ギルド本部:食堂兼酒場
「売れ行きはどうだい?」
「これはミノル様、飛ぶように売れており、てんてこ舞いしております」
「そうか、それはよかった」
俺の眼の前には、立ち飲み客も含め、混雑を極めた食堂の情景が広がっていた。昨日面接したばかりの子達も、慣れないながらも必死で接客しており、いたいけない子供の働く姿は、結構胸にも響くものがある。
「それで焼酎の在庫は大丈夫かい?」
「イワシホエールと鮮魚の料理は評判で、貴賓室や会議場を借り切ってルームサービスさせる人が出て来ております」
「まだ試験販売の2日目だぞ? それなのにそこまで富裕層に噂が広がっているのか?」
「ミノル様の焼酎と一緒に、普段は滅多に口に出来ないイワシホエールと鮮魚が食べられるのです。何を置いても食べたいと思う方は、ミノル様が考えておられるよりも多いのです」
「そうか、そう言うものなんだな。ああ、それと新し海魚が手に入ったんだが、美味しいんだが傷みやすくてな、100匹限定で売り出してくれるか」
「限定でございますか?」
「そうだ、時間を置くと臭く不味くなるんで、俺が持ち込んだ日に売り切って欲しいんだ。それと少しでも鮮度を保つために、魔法袋をここに置いておきたいんだが、管理を任せられる者はいるか?」
「それは御止め下さい!」
「安心して任せられる人間はいないと言う事か?」
「普通の事なら、倫理観のしっかりした者もおりますが、ミノル様の貴重な品を入れた魔法袋です。魔がさす事もあれば、家族を人質に取られて、盗む事を強要される可能性もあります」
「そこまでか?!」
「ミノル様、魔法袋だけでも、どんな卑劣な手を使ってでも命懸けで奪おうとする者が後を絶ちません。まして普通では絶対口に出来ない、新鮮なホエールと海魚がいっぱい詰まった魔法袋です。管理を任された人間が狙われるのは、明々白々でございます」
「そうか、それに本人だけならともかく、家族や友人まで狙われるとなると、預けることが悪質な嫌がらせになるな」
「嫌がらせとは申しませんが、名誉なこと以上に災難でございます」
「分かった、だったら冷蔵庫と新設したいのだが、場所はあるかな?」
「冷蔵庫設置場所でございますか? 今でももっと在庫を置く場所が欲しいくらいなのですが」
「勝手に地下室を作ったら怒られるかな?」
「それは! ギルドマスターに相談して頂いた方がいいと思います」
「そうか、だったら地下室だけではなく、建て増しを含めて相談させてもらいたいんだが」
「分かりました、君、ミノル様がマスターに相談があるからと、マスターの予定を聞いて来てくれ」
「はい、行ってきます」
「料理長! 魔イワシが売りきれました!」
一瞬で売りきれたな!
「分かった、売りきれ御免の張り出しをしてくれ」
料理長は俺と話をしながらも、一瞬も手を休めることなく料理し続けていた。俺もそれを手伝い、お客さんの待ち時間を減らす努力をしていた。
とは言っても、今回作る料理は単純な焼き物や炒め物が多いので、それほど難しい訳では無い。ただ問題だったのは、料理を作る竈の数が限られている事だった。だが俺が魔法を駆使して、空中で火魔法を使い、そこで鍋を熱する事で三次元的な空間利用をして料理を作った。
「どうしたのだミノル」
「いや、酒を取り寄せようとドローン配送を見てみたんだけど、意外とこの世界の食材が売れているんだよ」
「ほう、確かに売れているな」
「ダイオウイカが売れているのも驚きなんだけど、スライムや魔虫が売れるのは更に意外だった」
「ふむ、1匹や量当たりの単価が安いとは言え、1日当たりの売れ行きがいいな」
「食糧難の世界とも直結しているのかな?」
「そうかもしれんな、それに対価が金銀銅貨だけでなく、ダイヤモンドやルビーなどの宝石類や魔石になっているな」
「ああ、こんな方法があるとは思わなかったけど、物々交換に近いシステムになっているのかな?」
「宝石や魔石が通貨になっている世界もあるのではないか」
「なるほど、その可能性は高いな」
「数多く獲れると言うのであれば、さっきリュウから手に入れた魔イワシやイワシホエールも売りに出してもいいのではないか?」
「そうだな、魔イワシも売りに出してみるよ」
「イワシホエールは出さないのか?」
「なんかもったいない気がするんだよね」
「どうもミノルの感覚や価値観が分からん」
「それでいいんだよ、人間の気持ちや感情なんて一瞬で変わるもんなんだし、支離滅裂で普通なんだよ」
「いい加減だな」
「そうだよ、俺はいい加減なんだよ。アグネス、ちょっと街に行ってくるから、その間にレベル上げの狩りをしていなさい」
「分かったみゃ、白虎と狩りするミャ」
「任せろ主」
「余も付き合ってやろう、止めをアグネスにささせればいいのであろう。それで狩った獲物を、2度目の代価にすればよかろう」
「ああ、それで頼むよ」
ビラン冒険者ギルド本部:食堂兼酒場
「売れ行きはどうだい?」
「これはミノル様、飛ぶように売れており、てんてこ舞いしております」
「そうか、それはよかった」
俺の眼の前には、立ち飲み客も含め、混雑を極めた食堂の情景が広がっていた。昨日面接したばかりの子達も、慣れないながらも必死で接客しており、いたいけない子供の働く姿は、結構胸にも響くものがある。
「それで焼酎の在庫は大丈夫かい?」
「イワシホエールと鮮魚の料理は評判で、貴賓室や会議場を借り切ってルームサービスさせる人が出て来ております」
「まだ試験販売の2日目だぞ? それなのにそこまで富裕層に噂が広がっているのか?」
「ミノル様の焼酎と一緒に、普段は滅多に口に出来ないイワシホエールと鮮魚が食べられるのです。何を置いても食べたいと思う方は、ミノル様が考えておられるよりも多いのです」
「そうか、そう言うものなんだな。ああ、それと新し海魚が手に入ったんだが、美味しいんだが傷みやすくてな、100匹限定で売り出してくれるか」
「限定でございますか?」
「そうだ、時間を置くと臭く不味くなるんで、俺が持ち込んだ日に売り切って欲しいんだ。それと少しでも鮮度を保つために、魔法袋をここに置いておきたいんだが、管理を任せられる者はいるか?」
「それは御止め下さい!」
「安心して任せられる人間はいないと言う事か?」
「普通の事なら、倫理観のしっかりした者もおりますが、ミノル様の貴重な品を入れた魔法袋です。魔がさす事もあれば、家族を人質に取られて、盗む事を強要される可能性もあります」
「そこまでか?!」
「ミノル様、魔法袋だけでも、どんな卑劣な手を使ってでも命懸けで奪おうとする者が後を絶ちません。まして普通では絶対口に出来ない、新鮮なホエールと海魚がいっぱい詰まった魔法袋です。管理を任された人間が狙われるのは、明々白々でございます」
「そうか、それに本人だけならともかく、家族や友人まで狙われるとなると、預けることが悪質な嫌がらせになるな」
「嫌がらせとは申しませんが、名誉なこと以上に災難でございます」
「分かった、だったら冷蔵庫と新設したいのだが、場所はあるかな?」
「冷蔵庫設置場所でございますか? 今でももっと在庫を置く場所が欲しいくらいなのですが」
「勝手に地下室を作ったら怒られるかな?」
「それは! ギルドマスターに相談して頂いた方がいいと思います」
「そうか、だったら地下室だけではなく、建て増しを含めて相談させてもらいたいんだが」
「分かりました、君、ミノル様がマスターに相談があるからと、マスターの予定を聞いて来てくれ」
「はい、行ってきます」
「料理長! 魔イワシが売りきれました!」
一瞬で売りきれたな!
「分かった、売りきれ御免の張り出しをしてくれ」
料理長は俺と話をしながらも、一瞬も手を休めることなく料理し続けていた。俺もそれを手伝い、お客さんの待ち時間を減らす努力をしていた。
とは言っても、今回作る料理は単純な焼き物や炒め物が多いので、それほど難しい訳では無い。ただ問題だったのは、料理を作る竈の数が限られている事だった。だが俺が魔法を駆使して、空中で火魔法を使い、そこで鍋を熱する事で三次元的な空間利用をして料理を作った。
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