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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第173話商品選択

ビランの超高級ホテル:ロイヤルスィート

「おはよう、起こしてしまったかな?」

「恥ずかしい」

「コーヒーでも飲むかい?」

「こーひーですか?」

「ああ、ビランにはコーヒーが無いんだね、だったら紅茶を入れようか?」

「いえ、私がいれます」

「いいよいいよ、僕がいれるからそのままベットにいてな」

「はい、ありがとうございます」

昨日はオードリーとずっと一緒いて、色々な仕事をこなした。ビランで食堂と商店に屋台を新規出店するので、それこそやるべき事が山積しているのだ。

それにまぁ、なんだ。最初から下心があったから、親密になる為に意識的に一緒にいる時間を増やしたのだ。

「これが薔薇(ばら)と言う花から作った紅茶だよ」

「ありがとうございます」

「好みで砂糖か蜂蜜を入れればいいよ」

「こんなに沢山!」

「甘党の人は沢山入れるし、何なら温めた獣乳を加えても、風味が変わって美味しいよ」

「獣乳を加えるのですか?!」

「僕の旅してきた国には、そうやって飲む国もあるんだよ。でもオードリーの好きな飲み方をすればいいよ」

「はい、ありがとうございます」

「白パンとシチューも一緒に食べる? どうせならジャイアント・レッドベアーのベーコンや、魔鳥の卵を焼いた料理もあるけど、食べてみる?」

「はい、食べたいです」

俺は作り置きしてある各種料理の内から、朝食に相応しと思える料理を取り出した。今回は全部、この世界の原材料から作った新作料理で、オードリーに味見をしてもらいたいと言う事もあった。

1:薔薇茶
2:白パン
3:各種ジャム
4:各種蜂蜜
5:各種シロップ
6:ジャイアント・レッドベアーのベーコン
7:魔鳥の玉子焼き
8:温野菜

今までは、アグネスの夕食朝食を作らなかったことなどないのだが、さすがに昨晩と今朝は、両方とも白虎に任せる事になった。いくらなんでもね、アグネスの食事の為に、オードリーを1人にするわけにはいかない。

だがアグネスも白虎も、俺の手製料理を食べることだけは譲らなかったので、大量の作り置きを白虎に預ける事になった。リュウの食べる分は、元々セイか白虎の作った料理だから、桁外れの作り置きが必要と言う訳では無かった。




ビラン冒険者ギルド本部:食堂兼酒場

「じゃあ後は頼んだよ」

「お任せ下さい、ミノル様のご期待に背かぬように、誠心誠意務めさせて頂きます」

「じゃあ途中何度か様子を見に戻るけど、ホテルに戻れるのは遅くなるかもしれないから、その時は先に寝ていてくれ」

「はい、そうさせて頂きます」

俺は、昨日面接した子達がきびきび働く姿を視線の端に捕えた。俺がビランでさばく事を前提に、厳選した商品を用意していた。

1:結晶塩
:俺が魔法で海水を精製結晶化させた1kgから10kgの塩
2:塩イワシホエール
:俺が各部位ごとに解体し塩漬けした物
3:鮮イワシホエール
:俺が各部位ごとに解体した物
4:塩海魚
:各種海魚を塩漬けした物
5:鮮海魚

ビランには多くの富裕層が存在しているし、商会の人間も入れ代わり立ち代わりやって来る。冒険者自体も高レベルな者が多く、金銭的に余裕のある者が多い。

だがジャイアント・レッドベアーなどの、高レベル山岳系モンスターを狩る山深い場所にある街の為、海の産物がほとんど手に入らない。

アイテムボックス持ちや魔法袋が存在する世界だから、全く手に入らない訳ではないものの、値段がかなり高くなってしまうのは確かだ。少なくともビランの平均的な庶民や、領主であるゾッティ伯爵家の兵士が食べれる金額ではない。

しかも困った事に、ビラン近郊には岩塩を産出する鉱山が無いから、塩を遠い海の街から運んでこなければならない。だから塩が結構高額になるため、果実や香草を使い、塩の使用料を減らした料理が一般的だ。

ここに泥臭さの無い新鮮な海魚を持ち込めば、それこそ飛ぶように売れるだろう。もちろん多少今の相場より売値を下げなくてはいけないが、俺の場合は輸送費も購入費もかからない。それこそ売値が全て利益と言う状態だから、値下競争になっても負ける事はない。

それと食堂で出す料理だけど、俺がいない時の保存の問題も考えて、大量の塩で漬けたイワシホエールと海魚をメインにしている。

肉体労働者である冒険者は、当然だが塩分に餓えている。ビランの冒険者にとって、塩分不足は死に繋がる重大事でもあるのだ。だからこそ、塩分の強く利いた酒の肴は、冒険者ギルドの食堂では需要があると判断したのだ。

もちろん誰が食べても美味しいと感じる料理も用意している。それは新選なイワシホエールのステーキや焼肉に、モツ鍋などの俺定番の料理だ。

今回雇った子達に試食させたが、それこそ餓鬼のように貪り喰っていた。つまみ喰いや盗み喰いの誘惑に負けないように、定期的に試作会や試食会を開いて、彼らの食欲を満たしてあげないといけない。

まあ俺自身がが損する訳では無いから、賄い食にイワシホエール料理を出してやろうか?

それとも海魚料理の方がいいのかな?

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