初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第170話見切り
エルフ皇国・桐の街:パヴロヴナ
「職人が決まっていないとはどう言う事です?」
「どう言う事もこう言う事も無い、人間の依頼を受けるような、恥知らずなエルフがいないと言う事だ」
「それを仲介してくれるのが、貴方ではないのですが?」
「話はしてやったが、前回に人間風情が偉そうな口を利いたので、そのような人間だと言う事も付け加えた」
「なるほどね、態と引き受け手が出ないような仲介をしたのですね」
「ふん、エルフ様に逆らったのだ、それ相応の罰は受けてもらう」
(殺してしまうか?)
(おいおいおい、いくらセイの世界を見限った裏切り者の子孫でも、そう簡単に殺す事はないだろう)
(こんな奴らに興味はないと以前言ったろ、問題は我のデュオであるミノルに、失礼極まりない言葉を吐くからだ)
(まあいいさ、そんな事で殺していたら、人間を全滅させる事になるよ。だからエルフだからと言って、態度が偉そうだと殺す理由にもならないよ)
(ではどうするのだ?)
(セイと同じだよ、興味もなくなったから、無視するだけだよ)
(ミノルが固執していた、桐箪笥はいいのか?)
(欅箪笥か桜箪笥で代用するさ、それに人間の職人にも、それなりの技術を持つ者はいるはずだ。あ! セイの世界のエルフに名人はいないのか?)
(これは我が迂闊だった! 我の子供達に作らせよう)
(これで問題はなくなったね)
「おい、こら、聞いているのか人間!」
「は? 聞いてるわけないだろ」
「何だと! 人間風情が私を愚弄するか!」
「馬鹿で下劣な生き物は馬鹿にされて当然だろう」
「人間風情が、私を馬鹿だ下劣だと言って、無事にこの村を出れると思っているのか!」
「契約書を交わしておいて、平気で契約履行義務を果たさなかったと公言するんだ、それは馬鹿な行いだし下劣な性格だな」
「おのれ! 死ね!」
「契約を破りし者に罰を!」
眼の前のエルフが、魔法で俺を殺そうとした。だから俺は、態と周りのエルフに聞こえるように、大きな声で契約書に書き込んであった罰魔法を発動させた。実際俺も性格が悪いので、契約書の罰魔法は強力な変身魔法を書き込んでおいた。
性格の悪いエルフは、俺の眼の前で見る見るうちに豚に変化していった!
「この場におられる皆さん、このエルフ殿は、悪意を持って契約書に書かれた約束を破った。だからその罰として、このように豚に変化する事になりました。この事、重々承知しておられますね?」
「「「「「!」」」」」
恐らくこの場にいるエルフ全てが、豚に変化したエルフに同心していたのだろう。俺とエルフの会話を面白そうに、でも冷ややかに見聞きしていた同僚エルフたちが、今度は真っ青になっている。
「この場にいるエルフの皆さまの中にも、豚になったエルフに協力していたのでしたら、後々豚に変化するかもしれません。それと契約書を書き換えようとしたり、豚エルフを助けようとした者にも、豚変身魔法が発動しますので、くれぐれもお気をつけください」
俺は脅し文句を言っておいて、ゆっくりと事務所を後にした。
「おい、人間」
「はい?」
「お前だお前、今日は海の草を持っていないのか?」
「ああ、海藻の塩漬けのことですね?」
「そうだ、あれはとても美味い! さっさと出せ!」
「残念ながら、もうこの村であれを売る事はありませんよ」
「何だと! 人間風情がエルフに逆らうか!」
「あのねぇ~、何で偉そうに言われてまで売らないといけないの?」
「何!」
「人間にも誇りがあるんでね、生きて行くためにどうしても必要なら、エルフに頭も下げれば靴も舐めるよ。だがね、俺は別に追い込まれている訳ではないんだよ。契約した内容も守らないような、馬鹿で下劣なエルフの村で、大切な商品を売ったりしないよ」
「嘘を言うな! 誇り高いエルフは、例え人間風情が相手であっても、一旦約束を交わした事は必ず守るのだ!」
「だったら事務所に行って確かめてくるんだね、約束を破った腐れエルフが豚になっているよ」
「嘘を言うな! そんなことはありえん」
「ここで言い合っていても仕方がないだろう、それとも確かめるのが怖いのか?」
「怖くなどない、有り得んことを確かめる必要などないと言っているんだ」
「やっぱり馬鹿で傲慢だな、自分で事実を確認もせず、言いたい放題言っている」
「人間風情が言いたい放題い言いおって!」
「それよりも教えて欲しいのだが、桐の村があるのなら、欅の村や桜の村もあるのか?」
「な?! 今このように言い争っている私に、他の村の事を聞くのか?!」
「この村の事務所が糞で、桐箪笥が手に入らないのなら、他の村で箪笥を手に入れればいいだけだからな」
「この村の桐箪笥が、欅村や桜村の箪笥よりも劣ると言いうか!」
「さあな、それは手に入れて比べてみなければわからないが、この村の事務所が契約書を反故にした以上、桐箪笥も信用できなくて当然だろう」
「黙れ黙れ黙れ、人間風情にここまで愚弄されて唯で済ます訳にはいかん、誇りにかけて恥を注いでくれる」
「もう付き合い切れんな、スリープ、リサーチ」
(ほう、眠らせて無理矢理情報を引き出すか)
(まあここまで敵対したんだ、これくらいの攻撃を受けるのは覚悟しているだろう)
(このエルフから得た情報で、欅村と桜村に行くのか)
(ああ、全てのエルフが、ここにいるような腐ったエルフばかりじゃないと信じているんだよ)
「職人が決まっていないとはどう言う事です?」
「どう言う事もこう言う事も無い、人間の依頼を受けるような、恥知らずなエルフがいないと言う事だ」
「それを仲介してくれるのが、貴方ではないのですが?」
「話はしてやったが、前回に人間風情が偉そうな口を利いたので、そのような人間だと言う事も付け加えた」
「なるほどね、態と引き受け手が出ないような仲介をしたのですね」
「ふん、エルフ様に逆らったのだ、それ相応の罰は受けてもらう」
(殺してしまうか?)
(おいおいおい、いくらセイの世界を見限った裏切り者の子孫でも、そう簡単に殺す事はないだろう)
(こんな奴らに興味はないと以前言ったろ、問題は我のデュオであるミノルに、失礼極まりない言葉を吐くからだ)
(まあいいさ、そんな事で殺していたら、人間を全滅させる事になるよ。だからエルフだからと言って、態度が偉そうだと殺す理由にもならないよ)
(ではどうするのだ?)
(セイと同じだよ、興味もなくなったから、無視するだけだよ)
(ミノルが固執していた、桐箪笥はいいのか?)
(欅箪笥か桜箪笥で代用するさ、それに人間の職人にも、それなりの技術を持つ者はいるはずだ。あ! セイの世界のエルフに名人はいないのか?)
(これは我が迂闊だった! 我の子供達に作らせよう)
(これで問題はなくなったね)
「おい、こら、聞いているのか人間!」
「は? 聞いてるわけないだろ」
「何だと! 人間風情が私を愚弄するか!」
「馬鹿で下劣な生き物は馬鹿にされて当然だろう」
「人間風情が、私を馬鹿だ下劣だと言って、無事にこの村を出れると思っているのか!」
「契約書を交わしておいて、平気で契約履行義務を果たさなかったと公言するんだ、それは馬鹿な行いだし下劣な性格だな」
「おのれ! 死ね!」
「契約を破りし者に罰を!」
眼の前のエルフが、魔法で俺を殺そうとした。だから俺は、態と周りのエルフに聞こえるように、大きな声で契約書に書き込んであった罰魔法を発動させた。実際俺も性格が悪いので、契約書の罰魔法は強力な変身魔法を書き込んでおいた。
性格の悪いエルフは、俺の眼の前で見る見るうちに豚に変化していった!
「この場におられる皆さん、このエルフ殿は、悪意を持って契約書に書かれた約束を破った。だからその罰として、このように豚に変化する事になりました。この事、重々承知しておられますね?」
「「「「「!」」」」」
恐らくこの場にいるエルフ全てが、豚に変化したエルフに同心していたのだろう。俺とエルフの会話を面白そうに、でも冷ややかに見聞きしていた同僚エルフたちが、今度は真っ青になっている。
「この場にいるエルフの皆さまの中にも、豚になったエルフに協力していたのでしたら、後々豚に変化するかもしれません。それと契約書を書き換えようとしたり、豚エルフを助けようとした者にも、豚変身魔法が発動しますので、くれぐれもお気をつけください」
俺は脅し文句を言っておいて、ゆっくりと事務所を後にした。
「おい、人間」
「はい?」
「お前だお前、今日は海の草を持っていないのか?」
「ああ、海藻の塩漬けのことですね?」
「そうだ、あれはとても美味い! さっさと出せ!」
「残念ながら、もうこの村であれを売る事はありませんよ」
「何だと! 人間風情がエルフに逆らうか!」
「あのねぇ~、何で偉そうに言われてまで売らないといけないの?」
「何!」
「人間にも誇りがあるんでね、生きて行くためにどうしても必要なら、エルフに頭も下げれば靴も舐めるよ。だがね、俺は別に追い込まれている訳ではないんだよ。契約した内容も守らないような、馬鹿で下劣なエルフの村で、大切な商品を売ったりしないよ」
「嘘を言うな! 誇り高いエルフは、例え人間風情が相手であっても、一旦約束を交わした事は必ず守るのだ!」
「だったら事務所に行って確かめてくるんだね、約束を破った腐れエルフが豚になっているよ」
「嘘を言うな! そんなことはありえん」
「ここで言い合っていても仕方がないだろう、それとも確かめるのが怖いのか?」
「怖くなどない、有り得んことを確かめる必要などないと言っているんだ」
「やっぱり馬鹿で傲慢だな、自分で事実を確認もせず、言いたい放題言っている」
「人間風情が言いたい放題い言いおって!」
「それよりも教えて欲しいのだが、桐の村があるのなら、欅の村や桜の村もあるのか?」
「な?! 今このように言い争っている私に、他の村の事を聞くのか?!」
「この村の事務所が糞で、桐箪笥が手に入らないのなら、他の村で箪笥を手に入れればいいだけだからな」
「この村の桐箪笥が、欅村や桜村の箪笥よりも劣ると言いうか!」
「さあな、それは手に入れて比べてみなければわからないが、この村の事務所が契約書を反故にした以上、桐箪笥も信用できなくて当然だろう」
「黙れ黙れ黙れ、人間風情にここまで愚弄されて唯で済ます訳にはいかん、誇りにかけて恥を注いでくれる」
「もう付き合い切れんな、スリープ、リサーチ」
(ほう、眠らせて無理矢理情報を引き出すか)
(まあここまで敵対したんだ、これくらいの攻撃を受けるのは覚悟しているだろう)
(このエルフから得た情報で、欅村と桜村に行くのか)
(ああ、全てのエルフが、ここにいるような腐ったエルフばかりじゃないと信じているんだよ)
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