初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第162話エルフの集落発見
移動中の上空
「なあセイ」
「なんだ」
「この下にある村なんだけど、エルフだけしかいない気がするんだけど」
「それがどうした、ローファン王国のビランでもエルフは見かけているだろう」
「いやそれはそうなんだけど、セイの世界に攻め込んだ帝国が築かれた時に、エルフの国や集落は滅ぼされたんだと思っていたんだよ」
「あやつらは永遠の命を欲して、我が世界に攻め込んで来たのだ。この世界に住むエルフなど、何の興味もなかったのだよ」
「なるほど、だがあの帝国を問答無用で滅ぼした時、1人のエルフもいなかったよな?」
「ああ、滅ぼされていたからな」
「おいおいおい、あの帝国はエルフに興味がなかったと言ったばかりじゃないか、なのに滅ぼしたって、意味が繋がらんぞ」
「エルフを利用しようとか、エルフを従えたいとはではなく、興味がなく邪魔だから滅ぼしたのだよ」
「う~ん、セイの言っていることが理解出来ないんだけど。何なんだよ、その興味がなく滅ぼすって」
「人間選民主義として、他種族を滅ぼした訳では無く、何の感情もなく、進む先にいた邪魔者を殺したと行くことだ。だからエルフも含め、逃げた敵対者を追ってまで殺したわけではないのだ」
「だったら、なぜあの帝国に人間以外居なかったんんだ? 生き残ろうとしたり、地位や権力を欲して、あの帝国の味方をする者がいてもおかしくはないだろう」
「基本的に、エルフは誇り高く人間を低く見ているから、人間の国に仕える事はない」
「なるほど、人間ごときに殺されそうになったら、エルフの誇りにかけて死ぬまで反撃したのか」
「そう言う事だ、幼き子供とその親だけが、帝国と領地を接していないエルフの国や集落に逃げたんだ」
「この世界にも、国規模のエルフの集団があるんだな?」
「あるぞ」
「ならば何故その国が、虐殺されるエルフの保護に動かなかったのだ?」
「我が世界にいるエルフとは違って、この世界のエルフには核となる物がないのだ」
「それはセイと言う世界樹(ユグドラシル)がこの世界にはないと言う事か?」
「そうだ、木々を大切にする本能が多少は残っているが、原初の人間が支配する世界で代を重ねるうちに、人間の影響を色濃く受けているのだ」
「そうか、でもまだ疑問がある」
「なんだ?」
「核となる物がなく、色濃く人間の影響を受けているとはいえ、同族を見捨てることが疑問だ。人間の影響が色濃いと言うのなら、魔力が高いエルフが、交戦の大義名分となる同族虐殺を見過ごし、覇権争いに加わらないのがおかしい」
「そうだな、我もその事は疑問である」
「なんだ、セイも分かっていないのか?」
「そうだ、興味がないからな」
「興味がないのか?」
「我が世界に住むエルフは、大切な我の子供達だが、この世界に住むエルフは、原初の人間を選んで移住した者達の末裔だ」
「裏切り者ってことか?」
「裏切り者だと憎んでいる訳では無い、我が守るべき存在ではないので、興味がないと言う事だ」
「なるほどね、セイの世界に攻め込んだ帝国と同じと言う事だな」
「そうだな、我の邪魔をするのなら殺すが、わざわざ我から殺しに行く気もなければ、接触する必要もない」
「そうか、だがそんなセイに悪いんだが、俺はエルフの国に興味があるんだ」
「別に構わんぞ、ミノルがこの世界のエルフに興味があるのなら、接触しようが交流しようが奴隷にしようが好きにすればいい」
「おいおいおい、俺はエルフを奴隷にしたい訳じゃないからな」
「単なる例えだ」
「何か悪意を感じるんだが」
「悪意を感じるとしたら、それは我がミノルの影響を受けているからであろう。元々の我には、感情と言う物はなかったのだ」
「本当か? いや嘘だな! 感情がなければ、自分の世界が攻め込まれたからと言って、俺をディオとして召喚して、エルフたちを護ろうとはしなかったはずだ。ただ運命に任せて、異世界間の交戦を見守っていたはずだ」
「ふむ、確かにそうかもしれぬな。永遠の命を求めて、何度も何度も異世界の民の攻撃を受け、その感情の影響を受けてしまったのかもしれぬな」
「きっとそうだよ、セイは色んな世界の影響を受けて、今の性格になったんだよ。俺の影響だけで、今のセイが出来あがった訳では無いんだよ」
「ふむ、そうかも知れぬな。だがそれは我にはどうでもいい事だ、それよりもミノルが何をしたいかだ」
「そうだったな、なんでこんな話になったんだろう?」
「ミノルがこの世界のエルフに興味を持ったからだ」
「そうだったな、だったら俺がこの村に立ち寄っても構わないな」
「構わない」
新たな食材を探し出し、俺の知る調味料の再現を目指す決意をした結果、毎日アムラ王国のテトラ、ローファン王国のビラン、イータリ国のナーポリ、ホエール群生海域を行き来するのに加え、人気のない森や砂漠に岩場まで探索しまくった。
地球の各種調味料に使われている食材を、マップで探査して探し出し、1つ1つ採取した。最初は開拓村や見習村の分身体に、地球から取り寄せた種や苗を使って、地球の植物を再現させていた。だがそれを取り止めて、この世界に元からある食材を栽培する方法に切り替えたのだ。
そんな1週間を過ごしているうちに、偶然エルフの集落を発見したのだ。
「すみません、行商人なんですが、村に入らせてもらえませんか?」
「なあセイ」
「なんだ」
「この下にある村なんだけど、エルフだけしかいない気がするんだけど」
「それがどうした、ローファン王国のビランでもエルフは見かけているだろう」
「いやそれはそうなんだけど、セイの世界に攻め込んだ帝国が築かれた時に、エルフの国や集落は滅ぼされたんだと思っていたんだよ」
「あやつらは永遠の命を欲して、我が世界に攻め込んで来たのだ。この世界に住むエルフなど、何の興味もなかったのだよ」
「なるほど、だがあの帝国を問答無用で滅ぼした時、1人のエルフもいなかったよな?」
「ああ、滅ぼされていたからな」
「おいおいおい、あの帝国はエルフに興味がなかったと言ったばかりじゃないか、なのに滅ぼしたって、意味が繋がらんぞ」
「エルフを利用しようとか、エルフを従えたいとはではなく、興味がなく邪魔だから滅ぼしたのだよ」
「う~ん、セイの言っていることが理解出来ないんだけど。何なんだよ、その興味がなく滅ぼすって」
「人間選民主義として、他種族を滅ぼした訳では無く、何の感情もなく、進む先にいた邪魔者を殺したと行くことだ。だからエルフも含め、逃げた敵対者を追ってまで殺したわけではないのだ」
「だったら、なぜあの帝国に人間以外居なかったんんだ? 生き残ろうとしたり、地位や権力を欲して、あの帝国の味方をする者がいてもおかしくはないだろう」
「基本的に、エルフは誇り高く人間を低く見ているから、人間の国に仕える事はない」
「なるほど、人間ごときに殺されそうになったら、エルフの誇りにかけて死ぬまで反撃したのか」
「そう言う事だ、幼き子供とその親だけが、帝国と領地を接していないエルフの国や集落に逃げたんだ」
「この世界にも、国規模のエルフの集団があるんだな?」
「あるぞ」
「ならば何故その国が、虐殺されるエルフの保護に動かなかったのだ?」
「我が世界にいるエルフとは違って、この世界のエルフには核となる物がないのだ」
「それはセイと言う世界樹(ユグドラシル)がこの世界にはないと言う事か?」
「そうだ、木々を大切にする本能が多少は残っているが、原初の人間が支配する世界で代を重ねるうちに、人間の影響を色濃く受けているのだ」
「そうか、でもまだ疑問がある」
「なんだ?」
「核となる物がなく、色濃く人間の影響を受けているとはいえ、同族を見捨てることが疑問だ。人間の影響が色濃いと言うのなら、魔力が高いエルフが、交戦の大義名分となる同族虐殺を見過ごし、覇権争いに加わらないのがおかしい」
「そうだな、我もその事は疑問である」
「なんだ、セイも分かっていないのか?」
「そうだ、興味がないからな」
「興味がないのか?」
「我が世界に住むエルフは、大切な我の子供達だが、この世界に住むエルフは、原初の人間を選んで移住した者達の末裔だ」
「裏切り者ってことか?」
「裏切り者だと憎んでいる訳では無い、我が守るべき存在ではないので、興味がないと言う事だ」
「なるほどね、セイの世界に攻め込んだ帝国と同じと言う事だな」
「そうだな、我の邪魔をするのなら殺すが、わざわざ我から殺しに行く気もなければ、接触する必要もない」
「そうか、だがそんなセイに悪いんだが、俺はエルフの国に興味があるんだ」
「別に構わんぞ、ミノルがこの世界のエルフに興味があるのなら、接触しようが交流しようが奴隷にしようが好きにすればいい」
「おいおいおい、俺はエルフを奴隷にしたい訳じゃないからな」
「単なる例えだ」
「何か悪意を感じるんだが」
「悪意を感じるとしたら、それは我がミノルの影響を受けているからであろう。元々の我には、感情と言う物はなかったのだ」
「本当か? いや嘘だな! 感情がなければ、自分の世界が攻め込まれたからと言って、俺をディオとして召喚して、エルフたちを護ろうとはしなかったはずだ。ただ運命に任せて、異世界間の交戦を見守っていたはずだ」
「ふむ、確かにそうかもしれぬな。永遠の命を求めて、何度も何度も異世界の民の攻撃を受け、その感情の影響を受けてしまったのかもしれぬな」
「きっとそうだよ、セイは色んな世界の影響を受けて、今の性格になったんだよ。俺の影響だけで、今のセイが出来あがった訳では無いんだよ」
「ふむ、そうかも知れぬな。だがそれは我にはどうでもいい事だ、それよりもミノルが何をしたいかだ」
「そうだったな、なんでこんな話になったんだろう?」
「ミノルがこの世界のエルフに興味を持ったからだ」
「そうだったな、だったら俺がこの村に立ち寄っても構わないな」
「構わない」
新たな食材を探し出し、俺の知る調味料の再現を目指す決意をした結果、毎日アムラ王国のテトラ、ローファン王国のビラン、イータリ国のナーポリ、ホエール群生海域を行き来するのに加え、人気のない森や砂漠に岩場まで探索しまくった。
地球の各種調味料に使われている食材を、マップで探査して探し出し、1つ1つ採取した。最初は開拓村や見習村の分身体に、地球から取り寄せた種や苗を使って、地球の植物を再現させていた。だがそれを取り止めて、この世界に元からある食材を栽培する方法に切り替えたのだ。
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