初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第154話ホエールの昆布出汁鍋
ナーポリ近郊の秘密キャンプ地
「ミノル、ホエールを食べさせてくれるのであろうな?!」
「だがなリュウ、焼きながらチマチマ喰うのは趣味じゃないだろう?」
「それはそうだが、ミノルならなんとかできるであろう」
「食べたいミャ、アグネスもホエール食べたいミャ」
「そうかそうか、直ぐに作ってやるぞ」
「おい! 全然対応が違うではないか!」
「おのなぁ~、アグネスとリュウでは食べる量が全然違うだろうが。満足する量を作っるための手間と時間が全然違うんだよ」
「うぬぅぅぅぅ、だがだ、だがそれでもだ、食べたい物は食べたいのだ! そこな小童に喰わせるのなら、余にも喰わせろ」
「明日でいいのなら、今日万全の下ごしらえをしたホエール料理を食べさせてやる。だがどうしても今日食べたいと言うのなら、1段も2段も美味しさの格が落ちるがいいのか?」
「うぬぅぅぅぅぅぅ、構わん! 今喰いたい物は喰いたいのだ!」
「セイ、手伝ってくれ」
「分かった、任せておけ」
「前菜のオークの丸焼きと、ジャイアント・レッドベアーのホルモン焼きを出してやってくれ」
「アグネスにはないミャ?」
「アグネスは身体が小さいから、ホエールの尾の身ステーキが直ぐ焼けるから、待っていなさい」
「だったら待つミャ」
「主~、俺の事忘れてない?」
「白虎はホエールが食べたいなら手伝うんだ、リュウもアグネスが先に食べるのは見逃しても、白虎が先にホエールを食べたら、暴れ出すだろうからな」
「う、それは本当にありそうで怖い」
「それともリュウと同じように前菜を食べながら待つか?」
「作るの手伝わせてもらいます、その方が少しでも早くホエールにありつけそうです」
「そうか、だったらホエールの赤身肉を、竜田揚げにしてくれ」
「分かった」
「命が惜しかったらつまみ食いはするなよ!」
「う!」
やっぱりな、料理を手伝うなんて殊勝な事を言ったのは、つまみ食いをする心算だったんだな。
俺は、今日細部にわたって解体して、直ぐ料理に使えるようにしておいたミンクホエールのうち、内臓を昆布出汁で茹でることにした。
姫腸(ヒメワタ):食道
百畳(ヒャクジョウ):胃
百尋(ヒャクヒロ):小腸
豆腸(マメワタ):腎臓
袋腸(フクロワタ):肺
ハツ:心臓
本皮(ホンガワ):表皮と皮下脂肪層
など
俺の思いででは、家では茹でて酢味噌につけて食べていたのだが、俺自身は酢味噌があまり好きではなかったので、ポン酢を調合したもので食べていた。
だが今回は、アグネスの為にも新しい美味しい食べ方を開発したい。だからはりはり鍋のように、昆布出汁で茹でたのだが、問題はつけダレをどうするかだった。
「つけダレ」
あわせ味ポン酢
酢味噌
梅肉
ステーキソース
マヨネーズ
タルタルソース
芥子マヨネーズ
山葵醤油(わさびじょうゆ)
各種ドレッシング
など
「各種塩」
カレー塩
七味塩
山葵塩(わさびじお)
胡椒塩
松茸塩(まつたけしお)
トリフ塩
など
以前から取り寄せていた、ありとあらゆる調味料と塩を用意して、リュウを試食係にしてやろうとかんがえた。リュウほどの食欲なら、かなりの探求が可能だが、問題はリュウと人間の味覚が一致するかだ。だがまぁ、今までの反応を考えれば、それほど大きな違いはないだろう。
「セイ、赤身と脂肪を半々くらいにして、今まで寸胴鍋で作って来たシチュー系の料理を全部作ってくれれ」
「カレーやトマトスープからマタギ汁まで、全部作るのか?」
「そうだ、非常食と言う事もあるが、リュウの前菜用に作り置きしておくべきだろう」
「ふむ、だが空いている寸胴鍋がもうないぞ」
「直ぐにドローン配送で手配するが、リュウの前菜に、ジャイアント・レッドベアーの部位ごとに作り分けた、各種シチューを出してくれ。そうすれば、寸胴鍋が空くだろう」
「それで、新しい寸胴鍋が届いたら、リュウに食べさせたシチュー類も作り直しておくんだな」
「分かってくれているね」
「リュウ、リュウのステーキや焼肉は、食べ応えがある大きさに作らないといけないから、表面を焼いた後でオーブンに入れて中まで美味しく仕上げる。だからアグネスの食べる大きさとは、出来あがる時間が違うんだからな、待っていろよ」
「念を押さなくても分かっておるわ!」
俺はセイや白虎と打ち合わせをしながら、身体と魔力・魔法をフル活用して、ステーキを焼いたり焼肉を焼いたりした。リュウが前菜を食べながら、チラチラとアグネスがホエールを食べる姿を盗み見している。
起こって暴れ出さないように、要所要所で言葉をかけなければならない。
「白虎、竜田揚げだけではなく、カツにもして揚げてくれ。あ、そうだ、カツもチーズを挟んだり大葉を挟んだろして揚げてくれ。他にもカレー衣揚げも作ってくれ」
「美味しそうだな、主、まだ食べちゃ駄目か?」
「リュウの眼を見てみろ、死にたいのか?}
「う、まだ死にたくないから我慢する」
焼きながら合間を縫って、白虎に揚げ物の味付けを変える指示をしたり、甜面醤を使った炒め物やデミグラスソースを使って炒め煮したりした。
「おい、前菜はもういい、これ以上食べたらホエールが食べられなくなる」
ちっ!
同じ手には何度も引っかからないか?
リュウなら、また前菜を食べ過ぎて満腹になると思っていたんだが、よほどホエールが食べたいのかな?
「余も学習するのだ、食欲が本能とは言え、ジャイアント・レッドベアーは何度も食べておる、多少の我慢は出来るのだ」
「バレてたか」
「ふむ、もう随分茹であがっているではないか、そろそろ1口2口くらいは食べれるであろう」
「分かった、だったら部位ごとに食べ分けてみろ、姫腸を昆布塩を振って食べてみな。白虎も今後料理するために、試食しておきなさい」
「ありがとうございます、主!」
「うぉ~、なんて美味いんだ! 独特の食感と絶妙な赤身と脂身の割合がたまらんぞ!」
「本当だ! ものすごく美味しいじゃないか!」
「次はハツだが、胡椒塩をかけて食べてくれ」
「これも美味いのぉ~、赤身肉の美味しさはもちろん、コリコリした独特の食感がたまらん!」
「本当だ、この歯応えが堪りません!」
「次は百畳(ひゃくじょう)を食べてみてくれ、コイツは粗塩を振りかけてみてくれ」
「これも美味い! 姫腸と同じように肉と脂肪の割合が絶妙だが、姫腸よりもほのかに甘い気がする。この甘味が又独特で、もっともっと食べたくなるではないか」
「その通りだよ、この甘味は堪りません!」
「百尋(ひゃくひろ)はホエール独特の風味が強いから、本来はカレー塩や胡椒塩で食べて欲しいけど、今回は試食だから、旨味塩を食べてみてくれ」
「分かった、食べてやろう」
「分かったよ、主」
「美味い! 風味が強いとは言うが、生で喰っていた時よりは臭味も無いぞ。弾力のある歯応えが、肉を喰っていると言う気にさせて、更なる食欲をわかせる! うむ、確かに凝縮されたようなホエールの風味はあるが、絶品の美味さだ!」
「次は豆腸(まめわた)だけど、これも旨味塩を食べてみてくれ」
「うむ」
「早く食べさせてくれ、主!」
「うむ、これも美味い! コリコリした食感も余好みじゃ。ふむ、おお、わずかに残る苦みが独特ではないか! これも美味い!」
「うんうんうん、その通りその通り」
「よし、後は好きな調味料を使って食べてくれ」
「参考参照文献・ウェブ」
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/鯨肉
料理店様向け業務用クジラマニュアル
http://www.kyodo-senpaku.co.jp/feature/manual/manual.pdf
「ミノル、ホエールを食べさせてくれるのであろうな?!」
「だがなリュウ、焼きながらチマチマ喰うのは趣味じゃないだろう?」
「それはそうだが、ミノルならなんとかできるであろう」
「食べたいミャ、アグネスもホエール食べたいミャ」
「そうかそうか、直ぐに作ってやるぞ」
「おい! 全然対応が違うではないか!」
「おのなぁ~、アグネスとリュウでは食べる量が全然違うだろうが。満足する量を作っるための手間と時間が全然違うんだよ」
「うぬぅぅぅぅ、だがだ、だがそれでもだ、食べたい物は食べたいのだ! そこな小童に喰わせるのなら、余にも喰わせろ」
「明日でいいのなら、今日万全の下ごしらえをしたホエール料理を食べさせてやる。だがどうしても今日食べたいと言うのなら、1段も2段も美味しさの格が落ちるがいいのか?」
「うぬぅぅぅぅぅぅ、構わん! 今喰いたい物は喰いたいのだ!」
「セイ、手伝ってくれ」
「分かった、任せておけ」
「前菜のオークの丸焼きと、ジャイアント・レッドベアーのホルモン焼きを出してやってくれ」
「アグネスにはないミャ?」
「アグネスは身体が小さいから、ホエールの尾の身ステーキが直ぐ焼けるから、待っていなさい」
「だったら待つミャ」
「主~、俺の事忘れてない?」
「白虎はホエールが食べたいなら手伝うんだ、リュウもアグネスが先に食べるのは見逃しても、白虎が先にホエールを食べたら、暴れ出すだろうからな」
「う、それは本当にありそうで怖い」
「それともリュウと同じように前菜を食べながら待つか?」
「作るの手伝わせてもらいます、その方が少しでも早くホエールにありつけそうです」
「そうか、だったらホエールの赤身肉を、竜田揚げにしてくれ」
「分かった」
「命が惜しかったらつまみ食いはするなよ!」
「う!」
やっぱりな、料理を手伝うなんて殊勝な事を言ったのは、つまみ食いをする心算だったんだな。
俺は、今日細部にわたって解体して、直ぐ料理に使えるようにしておいたミンクホエールのうち、内臓を昆布出汁で茹でることにした。
姫腸(ヒメワタ):食道
百畳(ヒャクジョウ):胃
百尋(ヒャクヒロ):小腸
豆腸(マメワタ):腎臓
袋腸(フクロワタ):肺
ハツ:心臓
本皮(ホンガワ):表皮と皮下脂肪層
など
俺の思いででは、家では茹でて酢味噌につけて食べていたのだが、俺自身は酢味噌があまり好きではなかったので、ポン酢を調合したもので食べていた。
だが今回は、アグネスの為にも新しい美味しい食べ方を開発したい。だからはりはり鍋のように、昆布出汁で茹でたのだが、問題はつけダレをどうするかだった。
「つけダレ」
あわせ味ポン酢
酢味噌
梅肉
ステーキソース
マヨネーズ
タルタルソース
芥子マヨネーズ
山葵醤油(わさびじょうゆ)
各種ドレッシング
など
「各種塩」
カレー塩
七味塩
山葵塩(わさびじお)
胡椒塩
松茸塩(まつたけしお)
トリフ塩
など
以前から取り寄せていた、ありとあらゆる調味料と塩を用意して、リュウを試食係にしてやろうとかんがえた。リュウほどの食欲なら、かなりの探求が可能だが、問題はリュウと人間の味覚が一致するかだ。だがまぁ、今までの反応を考えれば、それほど大きな違いはないだろう。
「セイ、赤身と脂肪を半々くらいにして、今まで寸胴鍋で作って来たシチュー系の料理を全部作ってくれれ」
「カレーやトマトスープからマタギ汁まで、全部作るのか?」
「そうだ、非常食と言う事もあるが、リュウの前菜用に作り置きしておくべきだろう」
「ふむ、だが空いている寸胴鍋がもうないぞ」
「直ぐにドローン配送で手配するが、リュウの前菜に、ジャイアント・レッドベアーの部位ごとに作り分けた、各種シチューを出してくれ。そうすれば、寸胴鍋が空くだろう」
「それで、新しい寸胴鍋が届いたら、リュウに食べさせたシチュー類も作り直しておくんだな」
「分かってくれているね」
「リュウ、リュウのステーキや焼肉は、食べ応えがある大きさに作らないといけないから、表面を焼いた後でオーブンに入れて中まで美味しく仕上げる。だからアグネスの食べる大きさとは、出来あがる時間が違うんだからな、待っていろよ」
「念を押さなくても分かっておるわ!」
俺はセイや白虎と打ち合わせをしながら、身体と魔力・魔法をフル活用して、ステーキを焼いたり焼肉を焼いたりした。リュウが前菜を食べながら、チラチラとアグネスがホエールを食べる姿を盗み見している。
起こって暴れ出さないように、要所要所で言葉をかけなければならない。
「白虎、竜田揚げだけではなく、カツにもして揚げてくれ。あ、そうだ、カツもチーズを挟んだり大葉を挟んだろして揚げてくれ。他にもカレー衣揚げも作ってくれ」
「美味しそうだな、主、まだ食べちゃ駄目か?」
「リュウの眼を見てみろ、死にたいのか?}
「う、まだ死にたくないから我慢する」
焼きながら合間を縫って、白虎に揚げ物の味付けを変える指示をしたり、甜面醤を使った炒め物やデミグラスソースを使って炒め煮したりした。
「おい、前菜はもういい、これ以上食べたらホエールが食べられなくなる」
ちっ!
同じ手には何度も引っかからないか?
リュウなら、また前菜を食べ過ぎて満腹になると思っていたんだが、よほどホエールが食べたいのかな?
「余も学習するのだ、食欲が本能とは言え、ジャイアント・レッドベアーは何度も食べておる、多少の我慢は出来るのだ」
「バレてたか」
「ふむ、もう随分茹であがっているではないか、そろそろ1口2口くらいは食べれるであろう」
「分かった、だったら部位ごとに食べ分けてみろ、姫腸を昆布塩を振って食べてみな。白虎も今後料理するために、試食しておきなさい」
「ありがとうございます、主!」
「うぉ~、なんて美味いんだ! 独特の食感と絶妙な赤身と脂身の割合がたまらんぞ!」
「本当だ! ものすごく美味しいじゃないか!」
「次はハツだが、胡椒塩をかけて食べてくれ」
「これも美味いのぉ~、赤身肉の美味しさはもちろん、コリコリした独特の食感がたまらん!」
「本当だ、この歯応えが堪りません!」
「次は百畳(ひゃくじょう)を食べてみてくれ、コイツは粗塩を振りかけてみてくれ」
「これも美味い! 姫腸と同じように肉と脂肪の割合が絶妙だが、姫腸よりもほのかに甘い気がする。この甘味が又独特で、もっともっと食べたくなるではないか」
「その通りだよ、この甘味は堪りません!」
「百尋(ひゃくひろ)はホエール独特の風味が強いから、本来はカレー塩や胡椒塩で食べて欲しいけど、今回は試食だから、旨味塩を食べてみてくれ」
「分かった、食べてやろう」
「分かったよ、主」
「美味い! 風味が強いとは言うが、生で喰っていた時よりは臭味も無いぞ。弾力のある歯応えが、肉を喰っていると言う気にさせて、更なる食欲をわかせる! うむ、確かに凝縮されたようなホエールの風味はあるが、絶品の美味さだ!」
「次は豆腸(まめわた)だけど、これも旨味塩を食べてみてくれ」
「うむ」
「早く食べさせてくれ、主!」
「うむ、これも美味い! コリコリした食感も余好みじゃ。ふむ、おお、わずかに残る苦みが独特ではないか! これも美味い!」
「うんうんうん、その通りその通り」
「よし、後は好きな調味料を使って食べてくれ」
「参考参照文献・ウェブ」
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