初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第153話ホエールの商品化
イワシホエール群生地
「毎日毎日呼び出しおって、それ相応の礼は貰うからな」
「晩飯代だよ」
「朝食代もだ」
「それはまた別に働いてもらうよ」
「いいや、一緒だ」
「晩飯の材料はリュウが狩って来たが、美味しく作る手間と、調味料代は俺が払っているんだ。特に朝食は、主菜の卵を俺の故郷から買わないといけないんだ。晩飯代より、朝飯代の方が材料費がかかっているんだぞ!」
「うぬぅぅぅぅ! だが余が翼竜の卵や恐竜の卵を集めてくる事で話がついたではないか!」
「でもまだ集めて来ていないよね?」
「うぬぅぅぅぅ! だがそれは、ミノルが余を扱き使うから、集めに行く時間が無いからではないか!」
「扱き使うとは人聞きが悪いな、正当な晩飯代じゃないか」
「金銀財宝なら、幾らでも集めて来て支払ってやるぞ」
「人間を殺して集めた金銀財宝じゃ駄目だよ! 最低でも地底に埋まっている物を、自分で掘って集めて来た金銀財宝じゃないと受け取らないよ!」
「うぬぅぅぅぅ!」
「リュウ、駄々をこねるではない」
「駄々ではないぞ、セイ!」
「そう怒鳴るな、リュウなら自分が食べる卵くらい直ぐに集めれるではないか」
「それはそうだが」
「ついでに親翼竜や親恐竜を狩ってしまえば、晩飯の材料も一緒に手に入るではないか」
「ふむ、それもそうだな」
「これで交渉は成立したな、話は変わるがミノル、ナーポリを遠見魔法で見ているな?」
「ああ、見ているよ。それがどうかしたのかい?」
「ダイオウイカを囮に使った猟が順調だな」
「そうだな、漁師ギルドの漁獲量が激減して、魚を内陸に売り歩く商人の護衛依頼が無くなり、困ったいた冒険者が随分参加しているようだな」
「安価になった酒漬ダイオウイカを、内陸に売る話も進んでいたし、護衛依頼も元に戻るであろう」
「ああ、さっきのバルトロメオとの話にも出ていたが、今の漁獲量が続くようなら、ホエール種や鳥をナーポリの常食にして、内陸で高価に売れる魚は全て輸出に回す方がいいだろう」
「それは我も賛成だが、ホエール種はイータリ国や周辺諸国で高価に売れるのであろう?」
「そうだな、だが部位によっては癖もある。明らかに美味しい部位以外は、輸出しない方がいいだろう」
「それは、ミノルに言っていたブランド戦略と言うものか?」
「そうだ、まずは王侯貴族に美味しさをアピールして、美味高価格のイメージを植え付けないとな」
「ふむ、まあそう言う事はミノルを信じるしかあるまい」
「おい、まだ余にだけ狩らせるのか」
「1人でイワシホエールを狩ってくれてありがとう、もう帰ってくれていいよ」
「ミノルやセイは、イワシホエールを狩らないのか?」
「リュウが狩ってくれた量で十分だよ、無駄な殺生は嫌いだからね」
「ミノルがそう言うのならナーポリに帰るが、無駄な殺生が嫌いと言う割には、多くの魔獣やモンスターを狩って、アイテムボックスに保管しているではないか」
「人間とは嘘つきな上に矛盾の生物なんだよ」
「それは理解しておる」
「じゃあ突っ込むなよ!」
ナーポリ漁師ギルド本部
俺とセイがリュウにナーポリに送り届けてもらった時には、親父さんに噂を広めてくれと言ってから3時間ほどたっていた。リュウとイワシホエールを狩った時間は短かったが、その前に冒険者ギルドマスターのバルトロメオと交渉するのに時間がかかったのだ。
何と言っても敵対行動を通告した直後であったから、バルトロメオとしても、俺の一言一句に罠が張り巡らされていないか、警戒に警戒を重ねて聞き返してきた。
俺としたらナーポリの市民を守りたいのと、その為に必要なダイオウイカを守りたいだけだった。まあそれに、冒険者への懐柔策と言う側面もあったが、そう言ってもなかなか信じてもらえず時間がかかったのだ。
些細な問題でしかないのだが、時間がかかったのはそう言う理由からだった。だがそのお陰と言うか、戻った時にはナーポリ中の商人と住民の大半が集まり、イワシホエールの解体を今や遅しと待ちわびていた。
この感覚は、日本人がマグロの解体ショウに魅せられ喝采をあげてしまい、買い物欲が沸き立つのと同じなのかも知れない。
今はまだブランド戦略の途中なので、ミンクホエールやイワシホエールを売り出す訳にはいけない。だが美味高価と言うイメージが定着すれば、アイテムボックスを持つ周辺諸国の商人がナーポリに殺到するだろう。
だがアイテムボックスを持つ商人が扱う高級商品だけではなく、常温でも保存が可能な塩漬けした赤身肉・脂肪・本皮・尾びれなら、アイテムボックスや魔法袋が無くても商品として売り歩く事が出来る。
今の日本では直ぐに検索出来ないが、干し肉・燻製肉に加工しても、常温保存が可能になる。そうなれば、何の元手の無い担ぎ商人でも、大手商会が売り歩かないような寒村相手に商売が始められるかもしれない。
だがそれには、安価なホエール商品も開発しなければならない!
「常温保存が可能なホエール食品」
コロ:ホエールの皮から脂肪分の部位を、揚げて脂を搾った後で乾燥させた物
:おでん入れて食べる
塩鯨:本皮を塩漬けにしたもの
:ホエール汁や煮物にして食べる
さらし:ホエールの尾羽毛を塩漬けしたもの
:薄く切って熱湯をかけ冷水でさらしてから酢みそで食べる
:尾羽毛とは尾びれの事
ベーコン:ホエールの畝須を塩漬けにしてから燻製にしたもの
:薄切りしたものを軽く火であぶるなどして食べる
「毎日毎日呼び出しおって、それ相応の礼は貰うからな」
「晩飯代だよ」
「朝食代もだ」
「それはまた別に働いてもらうよ」
「いいや、一緒だ」
「晩飯の材料はリュウが狩って来たが、美味しく作る手間と、調味料代は俺が払っているんだ。特に朝食は、主菜の卵を俺の故郷から買わないといけないんだ。晩飯代より、朝飯代の方が材料費がかかっているんだぞ!」
「うぬぅぅぅぅ! だが余が翼竜の卵や恐竜の卵を集めてくる事で話がついたではないか!」
「でもまだ集めて来ていないよね?」
「うぬぅぅぅぅ! だがそれは、ミノルが余を扱き使うから、集めに行く時間が無いからではないか!」
「扱き使うとは人聞きが悪いな、正当な晩飯代じゃないか」
「金銀財宝なら、幾らでも集めて来て支払ってやるぞ」
「人間を殺して集めた金銀財宝じゃ駄目だよ! 最低でも地底に埋まっている物を、自分で掘って集めて来た金銀財宝じゃないと受け取らないよ!」
「うぬぅぅぅぅ!」
「リュウ、駄々をこねるではない」
「駄々ではないぞ、セイ!」
「そう怒鳴るな、リュウなら自分が食べる卵くらい直ぐに集めれるではないか」
「それはそうだが」
「ついでに親翼竜や親恐竜を狩ってしまえば、晩飯の材料も一緒に手に入るではないか」
「ふむ、それもそうだな」
「これで交渉は成立したな、話は変わるがミノル、ナーポリを遠見魔法で見ているな?」
「ああ、見ているよ。それがどうかしたのかい?」
「ダイオウイカを囮に使った猟が順調だな」
「そうだな、漁師ギルドの漁獲量が激減して、魚を内陸に売り歩く商人の護衛依頼が無くなり、困ったいた冒険者が随分参加しているようだな」
「安価になった酒漬ダイオウイカを、内陸に売る話も進んでいたし、護衛依頼も元に戻るであろう」
「ああ、さっきのバルトロメオとの話にも出ていたが、今の漁獲量が続くようなら、ホエール種や鳥をナーポリの常食にして、内陸で高価に売れる魚は全て輸出に回す方がいいだろう」
「それは我も賛成だが、ホエール種はイータリ国や周辺諸国で高価に売れるのであろう?」
「そうだな、だが部位によっては癖もある。明らかに美味しい部位以外は、輸出しない方がいいだろう」
「それは、ミノルに言っていたブランド戦略と言うものか?」
「そうだ、まずは王侯貴族に美味しさをアピールして、美味高価格のイメージを植え付けないとな」
「ふむ、まあそう言う事はミノルを信じるしかあるまい」
「おい、まだ余にだけ狩らせるのか」
「1人でイワシホエールを狩ってくれてありがとう、もう帰ってくれていいよ」
「ミノルやセイは、イワシホエールを狩らないのか?」
「リュウが狩ってくれた量で十分だよ、無駄な殺生は嫌いだからね」
「ミノルがそう言うのならナーポリに帰るが、無駄な殺生が嫌いと言う割には、多くの魔獣やモンスターを狩って、アイテムボックスに保管しているではないか」
「人間とは嘘つきな上に矛盾の生物なんだよ」
「それは理解しておる」
「じゃあ突っ込むなよ!」
ナーポリ漁師ギルド本部
俺とセイがリュウにナーポリに送り届けてもらった時には、親父さんに噂を広めてくれと言ってから3時間ほどたっていた。リュウとイワシホエールを狩った時間は短かったが、その前に冒険者ギルドマスターのバルトロメオと交渉するのに時間がかかったのだ。
何と言っても敵対行動を通告した直後であったから、バルトロメオとしても、俺の一言一句に罠が張り巡らされていないか、警戒に警戒を重ねて聞き返してきた。
俺としたらナーポリの市民を守りたいのと、その為に必要なダイオウイカを守りたいだけだった。まあそれに、冒険者への懐柔策と言う側面もあったが、そう言ってもなかなか信じてもらえず時間がかかったのだ。
些細な問題でしかないのだが、時間がかかったのはそう言う理由からだった。だがそのお陰と言うか、戻った時にはナーポリ中の商人と住民の大半が集まり、イワシホエールの解体を今や遅しと待ちわびていた。
この感覚は、日本人がマグロの解体ショウに魅せられ喝采をあげてしまい、買い物欲が沸き立つのと同じなのかも知れない。
今はまだブランド戦略の途中なので、ミンクホエールやイワシホエールを売り出す訳にはいけない。だが美味高価と言うイメージが定着すれば、アイテムボックスを持つ周辺諸国の商人がナーポリに殺到するだろう。
だがアイテムボックスを持つ商人が扱う高級商品だけではなく、常温でも保存が可能な塩漬けした赤身肉・脂肪・本皮・尾びれなら、アイテムボックスや魔法袋が無くても商品として売り歩く事が出来る。
今の日本では直ぐに検索出来ないが、干し肉・燻製肉に加工しても、常温保存が可能になる。そうなれば、何の元手の無い担ぎ商人でも、大手商会が売り歩かないような寒村相手に商売が始められるかもしれない。
だがそれには、安価なホエール商品も開発しなければならない!
「常温保存が可能なホエール食品」
コロ:ホエールの皮から脂肪分の部位を、揚げて脂を搾った後で乾燥させた物
:おでん入れて食べる
塩鯨:本皮を塩漬けにしたもの
:ホエール汁や煮物にして食べる
さらし:ホエールの尾羽毛を塩漬けしたもの
:薄く切って熱湯をかけ冷水でさらしてから酢みそで食べる
:尾羽毛とは尾びれの事
ベーコン:ホエールの畝須を塩漬けにしてから燻製にしたもの
:薄切りしたものを軽く火であぶるなどして食べる
「初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
《完結》腐敗した世界の空で、世界最強のドラゴンは、3人の少女を竜騎士に育てます。
-
11
-
-
養父母に家族共々謀殺されましたが、死に戻れたので復讐します。
-
4
-
-
第十六王子の建国記
-
3
-
-
祖国奪還
-
5
-
-
悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
-
8
-
-
錬金術師のなかなかスローライフにならない日々
-
13
-
-
バッドエンドは全力でぶち壊す!
-
10
-
-
イリアス・フォルトナー雑貨店の営業日誌
-
3
-
-
circulation ふわふわ砂糖菓子と巡る幸せのお話
-
2
-
-
聖女(笑)だそうですよ
-
11
-
-
死に損ないの私は孤独なネクロマンサーに拾われる
-
3
-
-
箱庭の魔王様は最強無敵でバトル好きだけど配下の力で破滅の勇者を倒したい!
-
3
-
-
勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
-
18
-
-
魔王娘の護衛に配属された!??
-
6
-
-
霊能者、異世界を征く!~奴隷からの出発、魂の能力継いで下剋上。
-
3
-
-
居候人は冒険者で店員さん
-
3
-
-
プロレスラー、異世界で最強無敵の剣闘士に転生する!
-
2
-
-
公爵令嬢は身分違いでも幼馴染の守護騎士と結婚したくて婚約破棄を画策する。
-
6
-
-
念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。
-
3
-
-
アルケミストの恋愛事情
-
10
-
コメント