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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第145話ジャイアント・ホワイトホエール

ナーポリ近郊の秘密キャンプ地

「オムレツと目玉焼きをお替りだ!」

「やかましいわ! 晩飯だけだと思ったら、朝飯まで喰って帰るとは、欲が深すぎるだろう!」

「これほど大量の卵料理を喰えるのは、ミノルのところだけだからな」

「リュウの食意地は酷すぎるな」

「それはそうと、昨日酒漬けしたダイオウイカは今晩には喰えるのだな」

「露骨に話しを変えやがったな! まあいい、ああ、今晩には食べれるぞ。だがな、昨晩約束したように、対価になる魔獣やモンスターと交換だからな」

「分かっている、いくつもの世界を駆け巡って、多種多様の魔獣やモンスターを狩って来てやる」

「そうか、だが本当は明後日以降に来て欲しのだがな」

「何を言っておる、余に2日も待たせると言うのか!」

「だがなリュウ、焼きながらちまちま喰うのは趣味ではあるまい」

「それはそうだ、一気にがっつり喰うのが美味い」

「じゃあ、昨晩酒漬けにしたダイオウイカを全部今晩中に焼きあげておくから、明後日それを一気に食べたらどうだ?」

「うぬぅぅぅぅ」

「どうするんだ?」

「うぬぅぅぅぅ」

「俺はどっちでもいいから、自分で決めておけよ」

「お替りみゃ、目玉焼きミャ」

「そうかそうか、片面焼きがいいか? 両面焼きがいいか?」

「片面蒸し焼きミャ、味塩胡椒して焼いた後で、醤油とソースをかけるミャ」

「そうかそうか、じゃあ3つ玉にするかい? 4つ玉にするかい?」

「6つ玉みゃ」

「よしよし、焼いてやるぞ」

「主~、俺は味塩を振った20玉を両面焼きして、仕上げに醤油マヨネーズ半分とソースマヨネーズを半分かけてくれ」

「白虎はマヨネーズが好きになったんだな、いいぞ」





ダイオウイカ群生地

「なあセイ、あれは何なのかな?」

「あれか、あれはジャイアント・ホワイトホエールだな」

「どんどんダイオウイカを喰っているように思うんだが」

「そうだな、ダイオウイカ群がここまで移動して来たのは、ジャイアント・ホワイトホエール群から逃げて来たのかもしれんな」

「今日ダイオウイカ群がナーポリに近づいてきたのは、ジャイアント・ホワイトホエール群から逃げようとしてだったと言う事か」

昨日ドローン販売を発見した事で、ダイオウイカ群の処理の目算がついたので、一気に十億以上のダイオウイカ群を殲滅しようと思ったのだ。しかし、実際群生地に来てみれば、ダイオウイカ群はジャイアント・ホワイトホエール群に追われて、ナーポリの方に移動していた。

「なぁセイ」

「なんだ?」

「俺がダイオウイカ群を全滅させたら、ジャイアント・ホワイトホエール群はどうするのかな?」

「新たな餌を求めて移動するだろうな」

「まさかと思うんだが、人間を襲ったりはしないよな」

「陸上まで上がってくる事はないな、ただ沿岸線までやって来て、船や漁師を狙う可能性は有るな」

「このまま放っておいたら、ダイオウイカ群はナーポリ沿岸に襲来するよな」

「襲来と言うより、逃げては来るだろうな。逃げると言っても、生きて行く為に、途中出会う全ての生物を襲って喰うだろうな」

「じゃあ狩るしかないよな」

「そうだな、ナーポリを守る心算なら、狩るしかないな」

「全部狩った方がいいかな?」

「全部狩ると、ジャイアント・ホワイトホエールが餓えて、ナーポリまで一気に来襲する可能性があるな」

「適当にダイオウイカを残すべきなんだな」

「そうだ、ダイオウイカの移動速度を逆算して、ナーポリにたどり着く前に、ジャイアント・ホワイトホエールに食べつくされる量を残すべきだな」

「ジャイアント・ホワイトホエールは10万頭くらいいるから、1000万匹くらいのダイオウイカを残しておこうか?」

「1億匹くらいは残しておけ、残り過ぎていたらまた改めて狩ればいい」

「そうか、そうだな」

俺はセイと相談した上で、エクサ級の雷撃魔法を、ジャイアント・ホワイトホエールが襲いかかっているのと反対の方向から9発喰らわせた。

ジャイアント・ホワイトホエールも魅力的ではあったのだが、こんな怪物を買い取れる冒険者ギルドがあるかどうか、それを確認してからでないと、無駄な殺生になってしまう。ドローン配送を活用して、異世界に売れるかも知れないが、そもそも幾らの値段で売り出すべきかが分からない。





ナーポリ冒険者ギルド

「やあ」

「これはこれはミノル様、よくぞおこし下さいました」

「うん? 待ってくれていたのかい?」

「はい、ギルドマスターがどうしても話さねばならない事があると申しまして」

「そうか、それじゃあ直接報告するかな」

「ダイオウイカ群に何か動きがあったのでしょうか」

「ああ、ナーポリの方に移動しだした」

「なんですって!」

「「「「「!」」」」」

受付付近のロビーや酒場に屯していた冒険者が、一斉にギョッと驚いていた。

「どうやらジャイアント・ホワイトホエールの群れに追われているようでね」

「ジャイアント・ホワイトホエールですって!」

「ああ、そもそもダイオウイカ群が急に現れたのは、ジャイアント・ホワイトホエールから逃げて来たからのようだね」

「それは本当に本当なのでしょうか?!」

「それは冒険者ギルドで確認してよ、俺は小遣い稼ぎにダイオウイカを狩ったついでに見て来ただけだから」

「そうですか、分かりました。ギルドマスターの所までご案内させていただきます」





冒険者ギルド・ギルドマスター室

「そうか、よく報告してくれた、早速ギルドから偵察の人間を送ろう」

「ええ、そうしてください」

「君、飛行魔法の使える冒険者に強制依頼を出してきてくれ」

「はい、直ぐに!」

「君、君は直ぐに領主様のところに報告に走ってくれ」

「私がでございますか?!」

「この連絡は一分一秒を争う一大事だ、ミノル殿との話が終わったら私も報告に参上するが、取りあえず今聞いた事だけでも報告して来てくれ」

「分かりました、さっそく領主様のところに行ってまいります」

「頼んだぞ! さてミノル殿、改めて確認させてもらうが、ダイオウイカが1億匹程度に減っていたのだが?」

「ええ、ジャイアント・ホワイトホエールの食べられたのか、海中深くに潜って見えなかったのかまでは分かりませんがね」

「そうか、その可能性もあるな。それでジャイアント・ホワイトホエールはおおよそ10万頭いたのだな」

「ざっとしか確認していませんが、それくらいですね。ところでジャイアント・ホワイトホエールですが、名前と姿しか知らないのですが、ナーポリで狩られる事があるのですか?」

「バカな事は言わんでくれ! あのような恐ろしいモンスターを狩れる冒険者など現存しておらん!」

「現存していないと言う事は、過去にはいたと言う事ですね?」

「あくまでも伝説上の話だが、英雄と言われた冒険者が率いるチームが、1頭のジャイアント・ホワイトホエールを狩ったと言う伝説はある」

「今狩る事が出来れば、相当な価格で売れるでしょうね」

「まさか狩る気なのか?!」

「挑戦してみたいとは思っていますよ」

「狩ってくれるのなら、是非うちで買い取らせて欲しい! いや、全部は無理だが、一部なりとも買い取らせてくれ。何なら領主様と御相談して、オークションを開催しようじゃないか!」

「あくまでも狩れればの話でしかありませんよ、あっさりと尻尾を巻いて逃げ出すかもしれませんよ」

「そうか、そうだな。だが肉片の1つ、皮の一部でも手に入れる事が出来れば、それだけでもオークションを開く価値がある」

「それくらいなら出来るかもしれませんね」

「そうか! やれそうか?」

「殺すのを諦めて、身体の一部を削って手に入れるだけなら、遠距離魔法攻撃を加えては逃げるの繰り返しで可能だと思いますよ」

「そうか、期待しているよ。そのう、こんな話の後ですべき話ではないのだが、領主様の決定なんでな、話さない訳にはいかないのだが」

「言い難そうですね、いいですよ、王侯貴族の我儘や気紛れには慣れていますから」

「いや、そうではないのだ! 領主様にしてもどうしようもない苦渋の決断なのだ」

「そんなに言い難そうにしなくても大丈夫ですよ、大体想像はついていますから」

「そうか、そうだな、ミノル殿ほど経験豊かで実力のある冒険者なら、既に想像していただろうな。ミノル殿の想像していた通り、領主様が討伐依頼を取り消された」

「これからどれだけダイオウイカを狩っても、討伐金は頂けないのですね」

「そう言う事だ」

「で、です。代償は何が頂けるのですか?」

「代償が貰えると想像していたのか?!」

「領主様に、ダイオウイカの商品化にほぼ成功した報告が入れば、賢明な為政者なら、次にどう言う手を打たれるか大体は想像できますよ」

「ミノル殿の想像通りだろうが、漁師ギルドに成り代わり、新たなギルドを設立する事になる。そのギルドのマスターにミノル殿を任命し、港と海岸線の利権を全て預けると言う事だ」

「だからダイオウイカの討伐金の支払いを停止する、自分でダイオウイカを販売して利益を上げろと言う事ですね」

「そうだ、だが領主様にしても、これから碌な税収もないだろうし、これ以上蓄えから討伐金を支払うのは苦しいと思うのだ」

「それはそうでしょうね、十分利益が上がるダイオウイカを簡単に狩れる者がいるのなら、何も討伐金を支払う必要はないのですからね」

「理解してくれるのか?!」

「朝市の利権も僕の物になるのでしょうか?」

「それは聞いていない」

「ではそれも要求させていただきます。売り方を自分で決められなければ、十分な利益を上げれるとは限りませんから」

「分かった、今から報告に行かせてもらうが、出来る限りミノル殿の希望通りに行くように進言して来る」

「では頼みましたよ」


カルカロクレス・メガロドン(全長20m/103トン)
リードシクティス・プロブレマティカス(全長21m/50トン)
シロナガスクジラ(全長30m/180トン)
ジャイアント・ホワイトホエール(全長60m/1000トン)

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