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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第144話食欲のリュウ

ナーポリ近郊の秘密キャンプ地

「ミノル! ダイオウイカを喰わせろ!」

「また湧いてきたな、リュウ」

「原初の竜を地虫のように言うな!」

「だがな、原初の竜が、食欲の為に毎度毎度押しかけて来るのはどうかと思うぞ、しかも毎日覗き見してるだろ」

「だが余りにも美味しそうではないか! あれを見ては喰わずにはおれぬぞ!」

「分かった分かった、だがなリュウ、ダイオウイカを美味しく食べるには最低酒に1日は漬けねばならん」

「うぬぅぅぅぅ、分かった、1日待ってやろう」

「何か偉そうだぞ、リュウが食べさして欲しいんだろう?」

「うぬぅぅぅぅ、仕方ない、頼んでやろう」

「全然頼みになってない、偉そうすぎるが、まあそれはいいだろう。だがな、リュウ、俺の故郷から酒を取り寄せるには莫大な金がかかるんだ。今の手持ちの金では、とてもリュウが満足するほどの酒は手に入れられないぞ」

「我が以前狩ってやったモンスターを売ればよかろう」

「あのなぁ~、人間の生産力をどう思っているんだ。人間が持っている貨幣の量は限られているんだ、リュウが狩って来たモンスターを、1度に全部買えるだけの街や国など、どこを探してもないよ」

「うぬぅぅぅぅ、では、では、うぬぅぅぅぅ、そうだ!」

「何だよ! リュウが大声出すと鼓膜が破れちまうよ」

「すまんすまん」

「全然すまんと思ってないだろ?」

「まあ良いではないか」

「よくねぇよ!」

「モンスターを売ればよかろう」

「はぁぁぁ? さっき言ったばかりだろうが! 人間には多くのモンスターを買い取る金がないんだよ!」

「ミノルの魔法で売ればよかろう」

「俺の魔法?」

「ミノルの故郷の品々を、異世界の金銀財宝で買う事が出来るのであろう」

「あ、ああ、そうだな」

「だったら、異世界の品々を売って、ミノルの故郷の金銀財宝を手に入れるがよかろう。そうやって手に入れた財宝を使って、酒を買えば何の問題もなかろう」

「ちょっと待ってろ」

「試すのか?」

「ああ、もしリュウの言ったことが可能なら、今までの前提が大きく変わる。セイは反対なのか?」

「いや、別に賛成でも反対でもない。ミノルの好きにすればいい」

俺は固有魔法を発動させ、1匹のダイオウイカを売れるかどうか試してみた。

そうすると、ダイオウイカを塔載出来る大きさのドローンがやって来た。だがダイオウイカの積み込みは自分でやらねばならず、少々手間ではあるが、ダイオウイカを運んで行ってくれた。

もう1度、今度は大量のダイオウイカを同時に売る事が出来るのか、1000匹のダイオウイカを売る事にした。

するとどうだろう!

イスラエルの軍事用ドローンをはるかに上回る、超巨大なドローンがやって来た。搭載口を開けたので、そこに1000匹のダイオウイカを積み込むと、自動的にダイオウイカを運んで行ってくれた。

ドローン配送魔法の残高欄を確認すると、金額欄は全然変化していなかった。

だが、新たなメニューが現れ、俺が商品を販売していると言う事が分かった。

「おい、どうなのだ、売れたのか売れなかったのか?!」

「売り出しはしているが売れていないな」

「はん? どう言う事だ?」

「売る方法はあるが、魅力のあるものでないと売れないと言う事だ」

「うぬぅぅぅぅ、それは酒が買えぬと言う事か? なら国の1つ2つ滅ぼして、金銀財宝を手に入れてくれようか?!」

「おいおいおい、待て待て待て! たかだかダイオウイカ喰いたさに、国を滅ぼされては叶わん。時間は少々掛かるが、モンスターを売って酒を買うから、それまで待て」

「うぬぅぅぅぅ、仕方ない! だが少しでいいから、昨日酒漬けしていたダイオウイカを喰わせてくれ!」

「ふぅ~! 盗み見していた奴に、無いと言っても無駄だな、セイ半分を焼いて半分をフライにしてやってくれ」

「いいのか?」

「ああ、今ちょっとかかりきりでやりたいことが出来た」

「ドローン配送の調査か?」

「ああ、全く売れなかったのは、そもそも値段を決めて売り出していなかったことにある。それに売る為には、色々な写真を掲載したり、調理法も動画でアップした方がよかろう」

「そのような事は全く分からぬが、値段設定によったら簡単に売る事が出来そうだな」

「そうだな、ダイオウイカ1匹を1円や2円にすれば、それこそ飛ぶように売れるだろう。だがそんな事をすれば、この国の素材を不当に安く売ってしまう事になる」

「ふむ、確かにそうなるな」

「最低でも、領主が俺に支払う金額に設定すべきだし、ダイオウイカの加工品が領主の定めた討伐金以上で売れるなら、その値段に設定すべきだろう」

「うぉおおおお! 美味いぞ! ダイオウイカとはこんなに香り高く美味い物であったか!」

「勘違いするなよリュウ! 酒に漬けなければ、糞不味くて暴れ出したくなるくらいの物だからな」

「うぬぅぅぅぅ、酒だ酒! 酒を手に入れるのだミノル!」

「分かってるよ、だから少々待てと言っているだろ!」

「うぬぅぅぅぅ、これ程美味い物を、こんな少量喰わされては、食欲がまして敵わぬ! ジャイアント・レッドベアー料理でいいから喰わせろ!」

「分かったよ、だが作り置きのジャイアント・レッドベアーが無いから、オークだぞ」

「うぬぅぅぅぅ、最初はオークでいいが、デザートは焼き立てのジャイアント・レッドベアーを喰わせてくれ、頼む!」

「分かったよ、その代わり、人間に迷惑をかけず、種族を絶滅させる事無く、色んな魔獣やモンスターを狩って来るんだぞ」

「分かった分かった、何でも狩ってくるから喰わせろ」

「どう言う心算なのだ」

「何がだ、セイ」

「人間に迷惑をかけず、種族も絶滅させずと気を配ってはいるが、積極的にリュウに色んな魔獣やモンスターを狩らせるなど、今までのミノルにはなかったことだからな」

「ああそれか、リュウに言われて初めて気付いたんだが、俺の固有魔法は買うだけではなく売る事が出来るだろう」

「そのようだな」

「売るならいろんな種類がある方が、売れる確率が高くなるだろう」

「なるほど、そう言う事なら、多くの種類のモンスターが必要だな」

「今な、アイテムボックスに入っている魔獣やモンスターの半分を、売り物としてドローンに運ばせる準備をしている」

「ふむ、頑張っているのだな」

「セイも俺と記憶を共有しているのだから、俺が1度やった事は全部できるのだろう?」

「そうだな、やれるな」

「ミノル、ジャイアント・レッドベアーはミノルが焼いてくれるのだろうな?!」

「どう言う意味だ? 本当にいいのか? 以前言っただろう、俺が焼いて美味しく感じるのは、主従契約をしているからだと。原初の竜が俺の家臣になるのか?」

「うぬぅぅぅぅ、それは、流石に」

「だったら極力俺以外が作った物を食べろ、いつの間にか俺の家臣になってましたじゃ困るだろう」

「分かった、諦めよう、セイ、焼いてくれ」

「仕方のない奴だな」

「なるほどね、そうう事か」

「そうしたのだ?」

「今ドローンがダイオウイカを運んできただろう」

「そうだな、実際に買えるか試したのか?」

「いや、売りだし数を減らしたんだ」

「なるほど、運んで行った分だけが売り出されて、売るのを中止すれば返品されるのだな」

「そのようだ、これで安心して売り出しできるよ」

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