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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第143話ダイオウイカのワイン蒸

ナーポリ海岸線干場

「これ美味しいです!」

「はい、ミノル様は天才です! これでダイオウイカを商品として売る事が出来ます」

「そうか、それはよかった」

アグネスと白虎に朝食を作ってやって直ぐに、ナーポリに入って干場に行った。アイテムボックスからダイオウイカを取り出し、新しく塩もみしたりそのまま干したりする指示を出して、一旦狩りに向かった。

ダイオウイカを狩ってから冒険者ギルドに行き、討伐金だけを貰って、解体は処理はギルド職員に任せて干場に戻った。

干場に戻ってからは、前日手に入れる事が出来たワインやビール・エールで漬けたダイオウイカ料理の試作をすることにした。

日本酒漬けにした場合は、アルコール度数が8度くらいになるように水で割って、その酒水で漬けたダイオウイカが1番美味しかったと思う。これは昨晩試食して分かった事だが、俺の記憶でも酒漬けは日本酒と水を半々で割っていた。

だから昨日は、少ない手持ちの現地アルコールを使った酒漬けも、安全策を取ってアルコール度数8度前後になるように調節した。

そんな数少ない試作酒漬けダイオウイカを焼いてみたのだが、試食した干場婦女子の評判は上々だった。いや、絶賛してくれたと言っていいだろう!

最初は、貴重な酒類を無駄にする事に憤りを覚えていたようだ。特に酒の大好きな婦女子は、哀しそうに飲みたそうにしながら、切り身になったダイオウイカにワインやビールを注いでいた。

「何に漬けたダイオウイカが1番美味しくなったと思う?」

「ワインですね、特に白ワインに漬けたダイオウイカは絶品です」

「私もそう思いますが、ホップに漬けたダイオウイカも捨てがたいと思います」

「セルヴォワーズに漬けたダイオウイカはどうだい」

「美味しくはなっています。ワイン漬けやホップ漬けを食べていなければ、十分感動したと思うのですが、1度白ワイン漬けを食べてしまうと、どうしても比較してしまいます」

「となると、値段を分けて売るべきだな」

「どう言う事でしょうか?」

「ここで作っていた魚の干物だって、品種によって値段は違っただろう?」

「はい、それはそうです」

「ダイオウイカの酒漬けも、使う酒の種類によって値段を変えればいい。買う人の好みと懐具合で、選んでもらえばいいさ」

「そうですね、私達は日当さえもらえれば十分でございますから」

「後は干物だよ、スルメにしたダイオウイカが美味しくなれば、日持ちがして遠くまで売りに行くことが出来る」

「はい、頑張って試作させていただきます」

「じゃあ後は頼んだよ」

「「「「「はい!」」」」」





ナーポリ朝市:ミノルとアンドレア

「どうです親父さん」

「美味い! これなら十分商品になる」

「売値ですが、酒に漬けている為、どうしても多少割高になるんです」

「それは大丈夫だろう、これだけ美味しくなるのなら、普通のイカより高く売っても十分売れる。まして今は極端な品薄状態だ、今まで大衆魚だったものが十倍の値をつけている」

「ではそうですね、平和な時代の普通のイカの5倍から10倍の値で売ってもらえますか」

「本当にその値段でいいのか?」

「ええ大丈夫ですよ。漬ける酒によって原価が違ってきますから、その辺は親父さんが加減して下さい」

「そうか、だが俺が全部売るには量が多いぞ」

「親父さんから見て、信用できる露天商に品物を分けてやってください。特に料理して売る露店商に分けてやって欲しいです」

「何故だ、生のまま売った方が手間が無くてよかろう」

「元々極端に評判が悪く、不味いと言う印象が根付いてしまっているダイオウイカです。美味しく料理したダイオウイカを食べてみないと、生のダイオウイカを買ってくれないでしょう」

「なるほど、だったら1つは俺が料理する露店を出そう」

「そうしてくれると助かります、それで生は他の露天商に任せるのですか?」

「ああ、だが俺の露店の隣で、年長の孤児たちに生を売らせよう。そうして修行させれば、将来露天商として生計を立てれる孤児も出て来るだろう」

「それはよく気が付いてくれましたね、うっかりしていましたよ」

「なぁに、そもそも営業権がないと露店を出すことが出来んからな」

「なるほど、領主様の税収の1つなんですね」

「そう言う事だ、同じ店で生売りと調理売りの2つを出すのは問題があるだろうが、その辺はミノル殿が領主と交渉してくれるだろう?」

「分かりました、俺が直接領主様に会えるとは思えないから、冒険者ギルドと商人ギルドの両マスターに交渉をお願いしましょう」

「頼むよ」

俺はさっそく両ギルドマスターに面会を求めたが、全くまたされる事無く面会が叶った。それだけではなく、俺の話を聞いて直ぐに領主に会いに行ってくれた。

冒険者ギルドでマスターに相談した後で、討伐金支払い済みの解体処理の済んだダイオウイカを返してもらい、それを持って干場に行って、新たな加工処理を依頼した。

そしてその足でダイオウイカ群が生息している海域に行き、10回目の狩りを行った。何度も海域に行くのも面倒になって来たので、今度はギガ級の雷撃魔法を海域に放ち、10万匹以上のダイオウイカを狩っておくことにした。そうしておけば、何時でも適量のダイオウイカを冒険者ギルドに納めることが出来る。

一旦冒険者ギルドに戻り、10万匹の内1526匹のダイオウイカを納め、討伐金支払い済みの解体処理をしてもらうことにした。

ギルドマスターと領主様の交渉結果が気になったのだが、まだマスターが戻って来ていなかった。まあそれも仕方がない、俺の移動速度と狩りの速さでは尋常ではないから、その短時間に交渉がまとまるはずもないのだ。

そこで今度は朝市に顔を出したのだが、親父さんが出している露店には長蛇の列が出来ていた。お金をとって酒漬ダイオウイカ焼きを売る事は出来ないが、焼いている時の香りはたまらなく食欲をそそるものだ、試食として1口食べた者は、金のない者以外は争うように酒漬ダイオウイカを買っていた。

それもそうだろう、全ての魚介類が平時の10倍の値をつけていて、少々の金持ちでも買えないような値段なのだ。普段の5倍程度の値段ですんでいる酒漬ダイオウイカは、買える人間なら買っておきたいだろう。

焼いている香りと値段から、今売っているのはセルヴォワーズ漬ダイオウイカだと思う。あれを売り切ったらエールやホップ、赤ワインや白ワインに漬けたダイオウイカを売るのだろう。

「討伐金」
1回目:1218匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨1枚・大銀貨8枚
2回目:1283匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨8枚・大銀貨3枚
3回目:1382匹×大銀貨1枚=大金貨13枚・小金貨8枚・大銀貨2枚
4回目:1403匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨0枚・大銀貨3枚
5回目:1423匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨2枚・大銀貨3枚
6回目:1441匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨4枚・大銀貨1枚
7回目:1458匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨5枚・大銀貨8枚
8回目:1429匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨2枚・大銀貨9枚
9回目:1437匹×大銀貨1枚=大金貨14枚・小金貨3枚・大銀貨7枚
10回目:1526匹×大銀貨1枚=大金貨15枚・小金貨2枚・大銀貨6枚

小計 :大金貨136枚・小金貨35枚・大銀貨50枚

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