初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第140話酒の仕入れ
ナーポリ冒険者ギルド:
「買いたい物があるのだが、どこで買えばいいか教えてくれるかな」
「はい、何をお求めですか?」
「安い物でいいのだが、ワイン・エール・セルヴォワーズ・バイツェン・ホップが欲しいいんだ」
「それは、商人ギルドで酒専門の商人を紹介してもらうのが1番なのですが、今のナーポリで安く手に入れるのは難しいと思います」
「そうか、近隣で酒を特産にしている街はあるのか?」
「街として大規模にワインを作っているのはアーベリでしょうか、他の街では各農家や教会が作っているくらいです」
「商人ギルドや酒造ギルドがあって、そこが酒を取りまとめて売買していないのか?」
「申し訳ありませんが、商売に関する詳細は、商人ギルドでないと分からないのです」
「そうかそうだな、ダイオウイカの加工材料として酒を使いたいので、後で商人ギルドに行こうと思うのだが、マスターに紹介状を書いておいてもらえないか?」
「私の一存で返答はしかねますが、マスターが戻り次第、極力ミノル様のご希望に沿えるように提言させていただきます。それとも御待ちになられますか?」
「いや、今から沖に出てダイオウイカ群の動向を観察しつつ、適当に狩ってこようと思っているんだ」
「それはご苦労様です、無理はなされませんように」
「ああ、決して無理はせんよ」
ナーポリ海岸線干場
「これを使って塩もみをしてもらう」
「こ、こ、これは!」
「なんだ? どうかしたのか?」
「こんな純白の塩など初めてみました!」
(しまった!)
(ふむ、ミノルの渡した塩は、この世界ではまだ作る事の出来ない塩だな)
(分かっていたなら教えてくれよ!)
(我も塩程度でこれほど驚くとは思っていなかったのだ)
「ミノルさん、こんな白い塩をいったいどこで手に入れられたんですか?!」
「旅の途中で手に入れたんだが、これを塩もみに使うのは問題があるか?」
「ありすぎですよ!」
「この塩だったら、普通に俺達が使っている塩の何倍もの価値があると思います」
「それはヴィゴール、この塩を売って、元々ナーポリで使っていた塩を買った方がいいと言う事か?」
「そうですよ、その方が数倍の塩を手に入れる事が出来ますし、何なら差額を手に入れることも出来ますよ」
「そう言う事か、だが今直ぐこの作業を止める訳にもいかんんしな。そうだな、今ここに集まっている者達の家庭にある塩を交換しよう」
「それは、庶民には高価な少量の塩よりも、今まで使っている塩の方が大切なんですよ!」
「ああ、勘違いするな。何も少しの塩を渡して多くの塩を手に入れようと言うのではない。各家庭の塩と同量で交換しようと言うのだ」
「えええええ、それじゃミノルさんが大損するだけですぜ」
「駄目か?」
「駄目ですよ、俺がひとっ走りして直ぐに塩を買ってきますから、ちょっとだけ待っててください」
「分かった、じゃあこれで買って来てくれ」
「あのねぇミノルさん、たかが塩を買うのに大金貨30枚もいりませんよ」
「見せ金だよ、資金が多いほど交渉し易いだろう」
「そりゃそうですがね」
「それと塩を買って来てくれたら、次に俺の塩を売ってきて欲しい」
「そりゃ大仕事ですね、任せて下さい。で、どれくらいあるんですか?」
「沢山だ」
「沢山だけじゃわかりませんよ」
「そうだな、ダイオウイカの塩もみを1000万匹出来るくらいだ」
「大量にあるのは分かりましたが、それじゃあ値段交渉も売買交渉も出来ませんよ。樽(160L)で何樽くらいあるんですか?」
「そうか、そうだな、樽で言えば10万樽くらいかな」
「はぁ?」
「はぁ、て何だよ、ちょっと失礼だぞ」
「いやいやいや、いくらミノルさんでも、10万樽の塩をアイテムボックスに入れているなんて、ハッタリが過ぎますよ」
「ハッタリでは無いよ、それくらいの量をアイテムボックスに入れておくくらい、ぞうさもないことだよ」
「本当なんですか?!」
「本当だよ、だが交渉では真実より現実が大切だろうから、ヴィゴールの判断で交渉してくれればいい。ただ、必要なら10万樽は用意出来ると理解しておいてくれればいい」
「わ、わ、分かりました、その心算で交渉させて頂きます」
「じゃあ塩を買って来てくれるかな?」
「は、はい、直ぐ行ってまいります!」
ヴィゴールは急いで塩屋に行って当座使う塩を買って来てくれた。それを使ってダイオウイカの塩もみを始めたが、直ぐにダイオウイカの数が足らなくなりそうなので、急いで4回目の狩りに行くことにした。
一方ヴィゴールは年長の孤児たちを伴い、塩屋ではなく塩商人と俺の塩(真塩)の売買交渉に向かった。年長の孤児を連れて行ったのは、彼らに経験を積ませるためと同時に、何かあった時に連絡に走らせるためだろう。海千山千の商人が相手だから、下手をすれば拉致監禁もあり得る。
俺は1403匹のダイオウイカを狩った。
「買いたい物があるのだが、どこで買えばいいか教えてくれるかな」
「はい、何をお求めですか?」
「安い物でいいのだが、ワイン・エール・セルヴォワーズ・バイツェン・ホップが欲しいいんだ」
「それは、商人ギルドで酒専門の商人を紹介してもらうのが1番なのですが、今のナーポリで安く手に入れるのは難しいと思います」
「そうか、近隣で酒を特産にしている街はあるのか?」
「街として大規模にワインを作っているのはアーベリでしょうか、他の街では各農家や教会が作っているくらいです」
「商人ギルドや酒造ギルドがあって、そこが酒を取りまとめて売買していないのか?」
「申し訳ありませんが、商売に関する詳細は、商人ギルドでないと分からないのです」
「そうかそうだな、ダイオウイカの加工材料として酒を使いたいので、後で商人ギルドに行こうと思うのだが、マスターに紹介状を書いておいてもらえないか?」
「私の一存で返答はしかねますが、マスターが戻り次第、極力ミノル様のご希望に沿えるように提言させていただきます。それとも御待ちになられますか?」
「いや、今から沖に出てダイオウイカ群の動向を観察しつつ、適当に狩ってこようと思っているんだ」
「それはご苦労様です、無理はなされませんように」
「ああ、決して無理はせんよ」
ナーポリ海岸線干場
「これを使って塩もみをしてもらう」
「こ、こ、これは!」
「なんだ? どうかしたのか?」
「こんな純白の塩など初めてみました!」
(しまった!)
(ふむ、ミノルの渡した塩は、この世界ではまだ作る事の出来ない塩だな)
(分かっていたなら教えてくれよ!)
(我も塩程度でこれほど驚くとは思っていなかったのだ)
「ミノルさん、こんな白い塩をいったいどこで手に入れられたんですか?!」
「旅の途中で手に入れたんだが、これを塩もみに使うのは問題があるか?」
「ありすぎですよ!」
「この塩だったら、普通に俺達が使っている塩の何倍もの価値があると思います」
「それはヴィゴール、この塩を売って、元々ナーポリで使っていた塩を買った方がいいと言う事か?」
「そうですよ、その方が数倍の塩を手に入れる事が出来ますし、何なら差額を手に入れることも出来ますよ」
「そう言う事か、だが今直ぐこの作業を止める訳にもいかんんしな。そうだな、今ここに集まっている者達の家庭にある塩を交換しよう」
「それは、庶民には高価な少量の塩よりも、今まで使っている塩の方が大切なんですよ!」
「ああ、勘違いするな。何も少しの塩を渡して多くの塩を手に入れようと言うのではない。各家庭の塩と同量で交換しようと言うのだ」
「えええええ、それじゃミノルさんが大損するだけですぜ」
「駄目か?」
「駄目ですよ、俺がひとっ走りして直ぐに塩を買ってきますから、ちょっとだけ待っててください」
「分かった、じゃあこれで買って来てくれ」
「あのねぇミノルさん、たかが塩を買うのに大金貨30枚もいりませんよ」
「見せ金だよ、資金が多いほど交渉し易いだろう」
「そりゃそうですがね」
「それと塩を買って来てくれたら、次に俺の塩を売ってきて欲しい」
「そりゃ大仕事ですね、任せて下さい。で、どれくらいあるんですか?」
「沢山だ」
「沢山だけじゃわかりませんよ」
「そうだな、ダイオウイカの塩もみを1000万匹出来るくらいだ」
「大量にあるのは分かりましたが、それじゃあ値段交渉も売買交渉も出来ませんよ。樽(160L)で何樽くらいあるんですか?」
「そうか、そうだな、樽で言えば10万樽くらいかな」
「はぁ?」
「はぁ、て何だよ、ちょっと失礼だぞ」
「いやいやいや、いくらミノルさんでも、10万樽の塩をアイテムボックスに入れているなんて、ハッタリが過ぎますよ」
「ハッタリでは無いよ、それくらいの量をアイテムボックスに入れておくくらい、ぞうさもないことだよ」
「本当なんですか?!」
「本当だよ、だが交渉では真実より現実が大切だろうから、ヴィゴールの判断で交渉してくれればいい。ただ、必要なら10万樽は用意出来ると理解しておいてくれればいい」
「わ、わ、分かりました、その心算で交渉させて頂きます」
「じゃあ塩を買って来てくれるかな?」
「は、はい、直ぐ行ってまいります!」
ヴィゴールは急いで塩屋に行って当座使う塩を買って来てくれた。それを使ってダイオウイカの塩もみを始めたが、直ぐにダイオウイカの数が足らなくなりそうなので、急いで4回目の狩りに行くことにした。
一方ヴィゴールは年長の孤児たちを伴い、塩屋ではなく塩商人と俺の塩(真塩)の売買交渉に向かった。年長の孤児を連れて行ったのは、彼らに経験を積ませるためと同時に、何かあった時に連絡に走らせるためだろう。海千山千の商人が相手だから、下手をすれば拉致監禁もあり得る。
俺は1403匹のダイオウイカを狩った。
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