初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第139話魚博士のダイオウイカ料理
ナーポリ近郊の秘密キャンプ地
「何をしているんだミノル?」
「ああ、ちょっと思いだした事があってね」
「何なのだ?」
「日本にいた頃ね、知識を競うテレビ番組で、魚の知識を競った番組があってね」
「ふむ、それがどうしたのだ」
「その番組で連続チャンピオンになった子がいてね」
「ふむ、それで」
「最初は動物関係の仕事をしていたんだが、徐々にテレビタレントとして活躍し、遂にはその知識と研究が評価されて、大学の客員准教授から名誉博士にまでなったんだよ」
「話が全然見えん、それがいったいどうしたと言うのだ?」
「ああ、ごめんごめん、前置きが長かったね。その子がね、日本に住むダイオウイカを料理して食べた事があったんだよ」
「ほう、どう言う方法だった」
「生ダコのように塩もみしてぬめりをとったあとに、日本酒を薄めた水に一晩つける下処理方法だったはずだよ」
「それで美味しくなったのか?
「その子の言う話では、アンモニア臭も抜け、「ものすっギョくおいしかった」そうだよ」
「ミノルはその方法を試すのか? 酒を使うのは嫌だったのではないか?」
「かろうじて食べられる範囲なら、酒が無駄になるからやらない方がいいと思う。でも本当に凄く美味しくなるのなら、ナーポリの特産品になる可能性もあるから、やってみようと思う」
「ではやってみればいいだろう」
「ああ、そうしてみるよ」
俺とセイ、それに白虎は、アグネスが満腹になって寝た後で、ダイオウイカの加工作業に勤しんでいた。塩漬けてと魔法による風寒干しをしつつ、セイの助力を受けて過去の記憶を必死で探り、ダイオウイカ関連の知識を取り出していたのだ。
そして思いだしたと言うか、探し出した知識の中に、ダイオウイカを美味しく食べたと言う記事が出てきた。
さらに他にも、ダイオウイカをスルメ加工したと言う記事も、思いだすことが出来たのだ。
普段スルメを作っている食品会社が試作したダイオウイカスルメの製作方法は。
塩漬け:2日
塩抜き:2日
乾燥 :1日
熟成 :1日
乾燥 :2日
と言う製作過程と日数がかかったと言う。
それでもだ、それでも生で感じられるアンモニア臭はスルメ加工で抜けたが、苦みは残ってしまった。さらに普通のスルメより塩辛くなってしまったそうだ。
他にも出てきた記憶には、ダイオウイカと同じ深海イカ・カギイカを料理して食べたと言う記事も思いだした。
その記事によると、塩麹液に漬けてからパリパリになるまで干して、スルメにした物を焼いて食べたそうなのだ。そうすると塩麹液につけて干しただけなのに、甘酢漬けの匂いがしたそうだ。その匂いはまるで、昔から駄菓子屋にあるイカのお菓子のようだったそうだ。
そして実食してみると、最初はまるであげたみたいにサクサクの食感で、普通のスルメのようだったが、後味めっちゃ酸っぱかったそうだ。駄菓子屋の酢イカの風味と比べると明らかに異質で、鋭角で化学的な酸味だったそうだ。
他にも、砂糖とミョウバンを混ぜたものに漬ける方法を試されたそうだ。
1日目:砂糖とミョウバンを混ぜたものに付けて水分を抜く
2日目:水に漬けて砂糖抜きをする
3日目:甘酢で漬け直す
4日目:干す
結果として、梅酢漬けのような物が完成したそうだ。
だが試食した結果として、後味にイガイガするえぐみが残ってしまうそうだ。
以上の知識を考察して上で、俺が1番に試す下処理はどの方法だろうか?
俺は愚かで、1番最初にやるべきだった、塩もみしてぬめりをとると言う方法をしていなかった。今塩漬けしたり調味液に漬けているダイオウイカや、天日干ししているダイオウイカは、全て塩もみをしていないものだ。
「おれちょっと追加でダイオウイカ狩って来るから、白虎はこのまま加工をしていてくれ」
「えぇぇぇぇ! もう止めようよ」
「白虎!」
「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」
セイの叱責を受けて、白虎は心を入れ替えて一生懸命加工作業を再開してくれた。まあ直ぐに元の白虎に戻るだろうが、それでも俺が頼んだ分はキッチリやり切ってくれる。妙に律義な所もあるから、安心して後を任せることが出来る。
俺はセイの助力も受けて、それこそ飛ぶようにダイオウイカ群の生息域に行き、今回も1382匹のダイオウイカを狩った。
そのまま冒険者ギルドに直行し、1382匹分の討伐料を受け取ると共に、支払い済みの処理をした。そう、自分でしたのだ!
24時間体制の冒険者ギルドではあるが、夜には人数が極端に減る。夜間に魔獣やモンスターを討伐する危険は、それこそ想像を絶するものだし、城門が閉鎖されてから冒険者ギルドに来る者など普通はいない。
だがナーポリは海の街だ!
海棲の魔獣やモンスターが、何時街を襲撃するか分からない。まして今は緊急事態なので、最低限の人数は夜間勤務をしていた。
だが最低限の人数で、1382匹のダイオウイカを処理するには時間がかり過ぎる。だから俺が魔法を使って、討伐金支払い済みの証拠となる開きにしたのだ。
「討伐金」
1回目:1218匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨1枚・大銀貨8枚
2回目:1283匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨8枚・大銀貨3枚
3回目:1382匹×大銀貨1枚=大金貨13枚・小金貨8枚・大銀貨2枚
小計 :大金貨37枚・小金貨17枚・大銀貨13枚
俺は急いで秘密キャンプ地に戻り、半数の691匹のダイオウイカを塩もみした。残る半数は、今後も塩もみしない方法を試すのだ。
魔法を使って塩もみしダイオウイカを、割合を変えた酒水に漬けてみた。人間基準では、結構な量の魔量を使い、ダイオウイカを酒水で漬ける為の圧縮強化岩盤製のプールを創り出した。そのプールに50%の酒水(玉酒)を基準として、25%から75%の酒水を1%ごとに作って漬けた。
「何をしているんだミノル?」
「ああ、ちょっと思いだした事があってね」
「何なのだ?」
「日本にいた頃ね、知識を競うテレビ番組で、魚の知識を競った番組があってね」
「ふむ、それがどうしたのだ」
「その番組で連続チャンピオンになった子がいてね」
「ふむ、それで」
「最初は動物関係の仕事をしていたんだが、徐々にテレビタレントとして活躍し、遂にはその知識と研究が評価されて、大学の客員准教授から名誉博士にまでなったんだよ」
「話が全然見えん、それがいったいどうしたと言うのだ?」
「ああ、ごめんごめん、前置きが長かったね。その子がね、日本に住むダイオウイカを料理して食べた事があったんだよ」
「ほう、どう言う方法だった」
「生ダコのように塩もみしてぬめりをとったあとに、日本酒を薄めた水に一晩つける下処理方法だったはずだよ」
「それで美味しくなったのか?
「その子の言う話では、アンモニア臭も抜け、「ものすっギョくおいしかった」そうだよ」
「ミノルはその方法を試すのか? 酒を使うのは嫌だったのではないか?」
「かろうじて食べられる範囲なら、酒が無駄になるからやらない方がいいと思う。でも本当に凄く美味しくなるのなら、ナーポリの特産品になる可能性もあるから、やってみようと思う」
「ではやってみればいいだろう」
「ああ、そうしてみるよ」
俺とセイ、それに白虎は、アグネスが満腹になって寝た後で、ダイオウイカの加工作業に勤しんでいた。塩漬けてと魔法による風寒干しをしつつ、セイの助力を受けて過去の記憶を必死で探り、ダイオウイカ関連の知識を取り出していたのだ。
そして思いだしたと言うか、探し出した知識の中に、ダイオウイカを美味しく食べたと言う記事が出てきた。
さらに他にも、ダイオウイカをスルメ加工したと言う記事も、思いだすことが出来たのだ。
普段スルメを作っている食品会社が試作したダイオウイカスルメの製作方法は。
塩漬け:2日
塩抜き:2日
乾燥 :1日
熟成 :1日
乾燥 :2日
と言う製作過程と日数がかかったと言う。
それでもだ、それでも生で感じられるアンモニア臭はスルメ加工で抜けたが、苦みは残ってしまった。さらに普通のスルメより塩辛くなってしまったそうだ。
他にも出てきた記憶には、ダイオウイカと同じ深海イカ・カギイカを料理して食べたと言う記事も思いだした。
その記事によると、塩麹液に漬けてからパリパリになるまで干して、スルメにした物を焼いて食べたそうなのだ。そうすると塩麹液につけて干しただけなのに、甘酢漬けの匂いがしたそうだ。その匂いはまるで、昔から駄菓子屋にあるイカのお菓子のようだったそうだ。
そして実食してみると、最初はまるであげたみたいにサクサクの食感で、普通のスルメのようだったが、後味めっちゃ酸っぱかったそうだ。駄菓子屋の酢イカの風味と比べると明らかに異質で、鋭角で化学的な酸味だったそうだ。
他にも、砂糖とミョウバンを混ぜたものに漬ける方法を試されたそうだ。
1日目:砂糖とミョウバンを混ぜたものに付けて水分を抜く
2日目:水に漬けて砂糖抜きをする
3日目:甘酢で漬け直す
4日目:干す
結果として、梅酢漬けのような物が完成したそうだ。
だが試食した結果として、後味にイガイガするえぐみが残ってしまうそうだ。
以上の知識を考察して上で、俺が1番に試す下処理はどの方法だろうか?
俺は愚かで、1番最初にやるべきだった、塩もみしてぬめりをとると言う方法をしていなかった。今塩漬けしたり調味液に漬けているダイオウイカや、天日干ししているダイオウイカは、全て塩もみをしていないものだ。
「おれちょっと追加でダイオウイカ狩って来るから、白虎はこのまま加工をしていてくれ」
「えぇぇぇぇ! もう止めようよ」
「白虎!」
「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」
セイの叱責を受けて、白虎は心を入れ替えて一生懸命加工作業を再開してくれた。まあ直ぐに元の白虎に戻るだろうが、それでも俺が頼んだ分はキッチリやり切ってくれる。妙に律義な所もあるから、安心して後を任せることが出来る。
俺はセイの助力も受けて、それこそ飛ぶようにダイオウイカ群の生息域に行き、今回も1382匹のダイオウイカを狩った。
そのまま冒険者ギルドに直行し、1382匹分の討伐料を受け取ると共に、支払い済みの処理をした。そう、自分でしたのだ!
24時間体制の冒険者ギルドではあるが、夜には人数が極端に減る。夜間に魔獣やモンスターを討伐する危険は、それこそ想像を絶するものだし、城門が閉鎖されてから冒険者ギルドに来る者など普通はいない。
だがナーポリは海の街だ!
海棲の魔獣やモンスターが、何時街を襲撃するか分からない。まして今は緊急事態なので、最低限の人数は夜間勤務をしていた。
だが最低限の人数で、1382匹のダイオウイカを処理するには時間がかり過ぎる。だから俺が魔法を使って、討伐金支払い済みの証拠となる開きにしたのだ。
「討伐金」
1回目:1218匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨1枚・大銀貨8枚
2回目:1283匹×大銀貨1枚=大金貨12枚・小金貨8枚・大銀貨3枚
3回目:1382匹×大銀貨1枚=大金貨13枚・小金貨8枚・大銀貨2枚
小計 :大金貨37枚・小金貨17枚・大銀貨13枚
俺は急いで秘密キャンプ地に戻り、半数の691匹のダイオウイカを塩もみした。残る半数は、今後も塩もみしない方法を試すのだ。
魔法を使って塩もみしダイオウイカを、割合を変えた酒水に漬けてみた。人間基準では、結構な量の魔量を使い、ダイオウイカを酒水で漬ける為の圧縮強化岩盤製のプールを創り出した。そのプールに50%の酒水(玉酒)を基準として、25%から75%の酒水を1%ごとに作って漬けた。
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