初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第134話ダイオウイカ2
ナーポリ冒険者ギルド
経験豊富で、生死の境界線をよくわきまえた冒険者達が逃げる算段をしている中で、ナーポリ冒険者ギルドのマスターが、領主からの討伐依頼の内容を発表した。その内容は事前流れていた通りで、特に目新しい情報は何もなかった。
「ヴィゴール、ダイオウイカの現物がもらえる事に、冒険者が反応しないのは何故だ?」
「ああそれですか、ダイオウイカは小便臭くて食べられた物じゃないんですよ」
「食料に不向きなのか」
「はい、しかも魔石が全く獲れないんですよ」
「結構な強さなのだろう?」
「はい、ですがそれは不利な海の戦場で戦うからだと思います。陸に上がったら、と、そもそも陸に上がる能力はないですね」
「しかし魔石の有無はいったい何に起因しているんだろうな?」
(魔力だよ)
(魔力?)
(そうだ、魔法を使う事が出来る魔力があるかどうかで、魔石を胎内に産み出すかどうかが決まるのだ。そして魔力が身体に残存しているかどうかで、魔獣やモンスターの美味しさが決まってくる)
(なるほどね! 強大なモンスターほど美味しいが、時間とともに不味くなって行くのはその為か!)
(そうだ、ダイオウイカはどれほど強くても、それが魔力に起因したものではないから、元の生物的な美味しさが限界になる)
(美味しいかどうかは別にして、俺の知る方法で加工すれば、孤児たちの食料には使えるし、保存期間も長いな)
(ミノルはスルメを思い浮かべているようだな)
(ああ、スルメにすればアンモニア臭が無くなるし、クエン酸の含まれた果汁を加えれば、アンモニアを中和出来るし、さわやかな風味を付加出来る)
(まあそれはミノルの好きにすればよかろう)
「俺に聞かれたってわかりませんよ」
「そうか、そうだな、まあ俺の知っている料理法で色々試してみよう」
「ミノルさん! もしかしてダイオウイカの討伐に参加されるんですか?!」
「孤児たちの命がかかっているんだ、逃げる訳にはいかないだろう」
俺の言葉は、それほど大きな声で言った訳では無いのだが、周りにいた冒険者の耳には届いてしまったようで、多くの冒険者が俺の顔をマジマジと見つめきた。
多くの顔には馬鹿にするような表情が浮かんでいたが、中には迷惑そうな顔をする者や、後ろめたそうな顔をする者もいた。大半の冒険者は、命を金に替える刹那的な生き方をする者達だし、一瞬の判断の誤りが生死を分ける生き方を長年続けていた者達でもある。
そんな者達にとって、今回の条件は逃げて次の機会を待つべき状況であって、断じて戦うべき状況ではないのだ。俺も並みの冒険者で、守り養うべき家族がいたら、今頃家財を整理してでも逃げ出していただろう。
「ヴィゴール、討伐依頼と単価が決まったんだ、行こうか」
「本気ですか?!」
「もちろん本気だよ、小舟が借りれないか交渉してくれ」
「分かりました、ミノルさんを信じます」
(ミノル、もう飛行魔法だって使えるし、海上歩行も出来るだろう。わざわざ船を借りる必要などあるまい)
(まあそうなんだけどね、能力は出来る限り秘密にしておく方が、敵に対策をとられないで済むからね)
(ふむ、確かにその通りだな)
だが結局のところ、小船一艘も借りる事は出来なかった。
ダイオウイカ群の所為で、多くの漁船を失った漁師ギルドでは、現存する漁船の保全を最優先と考えていた。例え討伐依頼を受けた冒険者からの頼みであっても、昨日流れてきたばかりの、海の物とも山の物とも分からない新人に、貴重な船を貸してくれる事はなかった。
「ミノルさんすみません、僕に力がないばかりに」
「いやこれは仕方が無いよ、ただこれではヴィゴールに一緒に来てもらう訳にはいかないから、俺一人で沖合まで行ってくるよ」
「え? でもどうやって?」
俺は丁度港に流れ着いていた流木に飛び乗った。
もしかしたらダイオウイカに破壊された船の一部なのかも知れないが、今はそんな事はどうでもいい。空を飛ぶ事を知られないようにして、海上を行き来出来ることを証明するには、海流を操る能力があると思わせていた方がいい。
それにこの力の保有者なら、漁師ギルドから好意的な目で見てもらえる可能性もあるし、領主からも空を飛ぶよりは警戒され難いだろう。
「現在手持ちのイータリ国貨幣」
「イータリ国の貨幣」
オーク300頭売却
オーク肉 :銅貨800枚×300=銅貨24万
オーク皮 :銅貨200枚×300=銅貨6万枚
オーク牙 :銅貨 20枚×1200=銅貨2万4千枚
オーク陰茎 :銅貨100枚×300=銅貨3万枚
オーク精巣 :銅貨200枚×150=銅貨3万枚
オーク子宮 :銅貨100枚×150=銅貨1万5千枚
オーク卵巣 :銅貨200枚×300=銅貨6万枚
合計 銅貨45万9千枚
小金貨:45枚
大銀貨: 5枚
小銀貨:30枚
大銅貨:50枚
経験豊富で、生死の境界線をよくわきまえた冒険者達が逃げる算段をしている中で、ナーポリ冒険者ギルドのマスターが、領主からの討伐依頼の内容を発表した。その内容は事前流れていた通りで、特に目新しい情報は何もなかった。
「ヴィゴール、ダイオウイカの現物がもらえる事に、冒険者が反応しないのは何故だ?」
「ああそれですか、ダイオウイカは小便臭くて食べられた物じゃないんですよ」
「食料に不向きなのか」
「はい、しかも魔石が全く獲れないんですよ」
「結構な強さなのだろう?」
「はい、ですがそれは不利な海の戦場で戦うからだと思います。陸に上がったら、と、そもそも陸に上がる能力はないですね」
「しかし魔石の有無はいったい何に起因しているんだろうな?」
(魔力だよ)
(魔力?)
(そうだ、魔法を使う事が出来る魔力があるかどうかで、魔石を胎内に産み出すかどうかが決まるのだ。そして魔力が身体に残存しているかどうかで、魔獣やモンスターの美味しさが決まってくる)
(なるほどね! 強大なモンスターほど美味しいが、時間とともに不味くなって行くのはその為か!)
(そうだ、ダイオウイカはどれほど強くても、それが魔力に起因したものではないから、元の生物的な美味しさが限界になる)
(美味しいかどうかは別にして、俺の知る方法で加工すれば、孤児たちの食料には使えるし、保存期間も長いな)
(ミノルはスルメを思い浮かべているようだな)
(ああ、スルメにすればアンモニア臭が無くなるし、クエン酸の含まれた果汁を加えれば、アンモニアを中和出来るし、さわやかな風味を付加出来る)
(まあそれはミノルの好きにすればよかろう)
「俺に聞かれたってわかりませんよ」
「そうか、そうだな、まあ俺の知っている料理法で色々試してみよう」
「ミノルさん! もしかしてダイオウイカの討伐に参加されるんですか?!」
「孤児たちの命がかかっているんだ、逃げる訳にはいかないだろう」
俺の言葉は、それほど大きな声で言った訳では無いのだが、周りにいた冒険者の耳には届いてしまったようで、多くの冒険者が俺の顔をマジマジと見つめきた。
多くの顔には馬鹿にするような表情が浮かんでいたが、中には迷惑そうな顔をする者や、後ろめたそうな顔をする者もいた。大半の冒険者は、命を金に替える刹那的な生き方をする者達だし、一瞬の判断の誤りが生死を分ける生き方を長年続けていた者達でもある。
そんな者達にとって、今回の条件は逃げて次の機会を待つべき状況であって、断じて戦うべき状況ではないのだ。俺も並みの冒険者で、守り養うべき家族がいたら、今頃家財を整理してでも逃げ出していただろう。
「ヴィゴール、討伐依頼と単価が決まったんだ、行こうか」
「本気ですか?!」
「もちろん本気だよ、小舟が借りれないか交渉してくれ」
「分かりました、ミノルさんを信じます」
(ミノル、もう飛行魔法だって使えるし、海上歩行も出来るだろう。わざわざ船を借りる必要などあるまい)
(まあそうなんだけどね、能力は出来る限り秘密にしておく方が、敵に対策をとられないで済むからね)
(ふむ、確かにその通りだな)
だが結局のところ、小船一艘も借りる事は出来なかった。
ダイオウイカ群の所為で、多くの漁船を失った漁師ギルドでは、現存する漁船の保全を最優先と考えていた。例え討伐依頼を受けた冒険者からの頼みであっても、昨日流れてきたばかりの、海の物とも山の物とも分からない新人に、貴重な船を貸してくれる事はなかった。
「ミノルさんすみません、僕に力がないばかりに」
「いやこれは仕方が無いよ、ただこれではヴィゴールに一緒に来てもらう訳にはいかないから、俺一人で沖合まで行ってくるよ」
「え? でもどうやって?」
俺は丁度港に流れ着いていた流木に飛び乗った。
もしかしたらダイオウイカに破壊された船の一部なのかも知れないが、今はそんな事はどうでもいい。空を飛ぶ事を知られないようにして、海上を行き来出来ることを証明するには、海流を操る能力があると思わせていた方がいい。
それにこの力の保有者なら、漁師ギルドから好意的な目で見てもらえる可能性もあるし、領主からも空を飛ぶよりは警戒され難いだろう。
「現在手持ちのイータリ国貨幣」
「イータリ国の貨幣」
オーク300頭売却
オーク肉 :銅貨800枚×300=銅貨24万
オーク皮 :銅貨200枚×300=銅貨6万枚
オーク牙 :銅貨 20枚×1200=銅貨2万4千枚
オーク陰茎 :銅貨100枚×300=銅貨3万枚
オーク精巣 :銅貨200枚×150=銅貨3万枚
オーク子宮 :銅貨100枚×150=銅貨1万5千枚
オーク卵巣 :銅貨200枚×300=銅貨6万枚
合計 銅貨45万9千枚
小金貨:45枚
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