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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第132話海鮮バーベキュー

ナーポリ近郊の秘密キャンプ地

「主~、腹減ったよぉ~」

「やかましいわ!」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

「ああ、もう毎度毎度の突っ込みはいらないよ」

「我は別に突っ込みたくて怒っている訳では無いぞ、白虎が主従の常識をわきまえぬから指導しておるのだ」

「そうか、でもほどほどにしてくれよ」

「ミャミャ、ミャミャ、ミャウミャ、ミャウウ」

「ほら、アグネスだって叱る前にご飯を出して欲しいと言っているじゃないか」

「ミノルはアグネスに甘すぎないか?」

「いいんだよ、俺の故郷には猫かわいがりと言う言葉があるんだよ」

「アグネスは猫ではないだろう」

「猫ではないが、猫のように可愛がっていけないと言う法もないだろう」

「法を出してくるか」

「ミャミャ、ミャミャウ、ミャウミャウミャウ、ミャ」

「ごめんごめん、直ぐに出すよ」

「セイ、白虎、俺のやってるのと同じように料理してくれ」

「分かった」

「えぇぇぇぇ、手伝うのかよぉ!」

「白虎!」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

さて、せっかく手に入れた魚介類があるので、今日は海鮮バーベキューをアグネスに食べさせてあげることにした。俺が食べたいと言うのもあるのだが、肉ばかり食べているアグネスの健康のためにも、魚介類を食べてもらいたいのだ。

最初に下処理の必要のない、エビやホタテ貝・サザエをバーベキューコンロに乗せて焼き始めた。次にタコや皮をむいたイカを、アグネスや俺の食べ易い大きさにカットして焼き始める。次に多種多様な魚の鱗を丁寧に剥がして、内臓も取り出す下処理をした。

最初は包丁を使っていたが、セイと白虎が風魔法で全ての下処理をしていたので、俺も同じように風魔法で下処理をする事にした

「ウミャウ、ウミャウミャウミャ!」

「そうかそうか美味しいか、たくさん食べろよ」

「セイ、アグネスが食べる海老の殻をむいてやってくれ」

「ふぅ~、料理を手伝わせながら、その上にアグネスの世話までさせるのだな」

「セイならそれくらいお茶の子さいさいだろ?」

「やれるさ、やれるが、やれと命じられるのは腑に落ちん」

「本当は俺がやりたいんだぞ、やりたいが出来ない事を、デュオのセイに頼んでいるんじゃないか」

「そう言われたら何も言い返せないな」

「主~、俺にも食わせてくれよぉ~」

「ああいいぞ、下処理の手伝いをしながらなら、いくらだって食べてくれていいぞ」

「ちぃ、しかたねぇなぁ~、うっめぇ~、タコを焼いた物やエビを焼いた物がこれほど美味しいとは思わなかった! 今まで生で食べていたのが残念でならないぞ!」

「そうか、今日もしっかりアグネスの護りをしてくれたし、自分が食べたい分だけ焼いて食べていいぞ」

「さすが主は気前が好いねぇ~」

「それでアグネスは戦えたのか?」

「おうよ、俺が半殺しにして身動き取れなくした魔獣やモンスターを、アグネスに止めを刺させて、レベリングと言う奴を朝から晩までやったぞ」

「そうか、それならアグネスのレベルもそれなりに上がっただろうな」

「そうだな、普通なら有り得ない早さでレベルが上がっているだろうな」

白虎もなかなか器用で、魚の下処理をしながら魚介類を焼き、しかも俺との会話をこなしている。タコを素焼きするだけではなく、俺のマネをしてオリーブオイルを塗ってから焼いたり、鉄板の上でネギ・胡麻油・酢・味醂・醤油を混ぜたタレてで炒め焼きしている

食べる時も、俺がアグネスに食べさせる時のマネをして、マヨネーズをつけて食べたり、醤油や豆板醤など、色々な調味料をつけて試食している。

「白虎、焼いたエビを殻のまま頭から食べて見ろ」

「どう言う事だ? アグネスに食べさせないやり方を、俺で試そうと言う悪だくみじゃないのか?」

「確かに試食ではあるんだが、俺やアグネスには硬すぎても、白虎やリュウには歯応えがあって美味しいと言う場合があるからな」

「なるほど! 肉でも柔らかいだけのものでは満足できんし、大きさもアグネスや主と同じでは食べた気がせんからな」

「そうだ、焼いた海老の頭と胴体を一緒に食べれるなら、エビの味噌と身の美味しさを、殻の歯応えを愉しみながら食べれるぞ」

「そうか、うぉ~、主の言う通りだ! エビの殻は歯応えがいいし、味噌の濃厚さと身の甘味を同時に旨味として感じることが出来るぞ! これは美味い、もっとエビをくれ!」

「そうか、それはいいのだが、そろそろイカを試してみろ」

「焼いたイカはエビよりも美味いのか?」

「それは試してみないと分からない、何でも挑戦だよ」

「ふむ、仕方ないな、主の言う事を聞いてやろう」

「白虎! 何を偉そうに言っておる!」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

「まぁまぁまぁ、今は美味しく食べる時だから」

「仕方ないな」

皮をむいて食べ易い大きさに切ったイカに、塩・豆板醤・山椒・醤油・味噌などを塗って焼き上げた。

「うむ、これはこれでどれも美味いな、だがエビの丸焼きを頭から食べるのには及ばないな」

「そうか、白虎はエビの方が好きなんだな」

「ああ、大好きだ!」

「ミャミャウ、ウミャ、ウミャウ、ウミャ」

「そうかそうか、アグネスもエビの方が好きか」

「ミャウ」

徐々に下処理が必要だった魚介類もバーべーキューの上に乗り出し、アグネスと白虎の口に入るようになった。

「ウミャ!」

「そうか、そんなに美味しいか」

「ウミャウ!」

「主! 俺にも喰わせてくれ!」

「自分で焼けばいいだろう」

「主が焼いてくれた方が美味しいと言ったじゃないか!」

「仕方がない奴だな」

文句を言いながらも、なぜか嬉しさが込み上げてくる。

「この貝は絶品だ! 素焼きも美味いし、バターや醤油で焼いた物も美味しいが、バターと醤油を一緒にして焼いた物が特に美味い!」

「そうだな、ホタテ貝のバター醤油焼きは絶品だからな」

「糞! 上手く取り出せん、こうなったら貝殻ごと喰ってやる」

「マテ、まて、待て! さすがにサザエは殻ごと喰っても美味しくないだろう。殻を風魔法か念動力で割って、中に残った尻尾の部分を食べればいいだろう。身を上手く取り出せないのなら、最初から魔法で殻を叩き割ればいい」

「そうか、そうだな、サザエとやらは身も美味しいが、尻尾の緑のところも独特の味がして美味しい」

「白虎がサザエの尻尾を好むとは思わなかったよ」

「俺も不思議だ! 今まで何度も何度も魚や貝を食べて来たが、美味いなどとは1度も思わなかった。それが調理をする事で、ここまで美味しくなるとは思わなかった!」

「ミャウ」

「そうか、お腹一杯で眠くなったんだね、明日の朝食と昼食用のフライや天婦羅を作っておくから、愉しみにして寝なさい」

「ミャウミャウ、ミャウミャウミャミャ」

「お休み」

「主~、俺には今喰わせてくれぇ~」

「ああいいぞ、だがいいのか、明日の愉しみが無くなってしまうぞ」

「構わん、今食べれる物を食べないで、万が一負けて死ぬような事になったら、後悔しても後悔しきれん」

「そうか、そうだな、この世界の生きる生物は、いつ死ぬか分からないのだな」

「ああ、頼む、喰わせてくれ」

「いいぞ、だがその前に塩焼きにした魚も試してみろ、もしかしたら美味しいかもしれんぞ」

「ふむ、では試してみよう」

「白虎よ、偉そうに言うのは止めよ」

「ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!」

「言い方を優しくしたのか?」

「ミノルに止められているからな、だが余りぞんざいな口を利くなら、注意しない訳にはいかんからな」

「そうか、これからも優しく注意してやってくれ」

「仕方ないな、出来る限り努力しよう」

「美味い! この鯖の塩焼きは生で食べていた時と違って、脂の美味しさが際立って感じられるぞ!」

「そうかそれはよかったな、魚は1種類1種類、独特の味があるから、自分で食べてみて好みの魚を探さないとな」

「そうか、そうだな、それでは食べれる限り焼いて食べてみよう」

白虎がモリモリと焼き魚を食べる最中にも、砂抜きが必要な貝類を、魔法で創り出した圧縮強化岩盤のプールに放ち、アイテムボックスに蓄えてた膨大な海水を注いで、砂抜き場とした。

「ほう、この為に貝をアイテムボックスに入れなかったのだな」

「ああ、アイテムボックスには生物を入れられないからね、生かして砂抜きしなければいけない貝は、アイテムボックスに入れる訳にはいかなかったんだよ」

「だからと言って、あれだけ大量の貝を空中に浮かせて運ぶなど、前代未聞の事であろう」

「まあね、だけどこの街では目立ちたくないから、セイが幻覚魔法や隠蔽魔法をかけてくれたじゃないか」

「そうは言うがな、ミノル。K級冒険者の証明書を2枚も提出したり、朝市であれだけ目立つ買い物をしたり、孤児に食料を分け与える奇特な露天商に肩入れしたりしたではないか。あれで目立ちたくない、目立たないようにしていると言っても、全然信じられないぞ」

「そうか! そうだな、セイとデュオになって以来、俺の感覚が狂ってしまっているようで、言動が不一致になる事が多いな」

「我の所為なのか?」

「そうだな、きっとそうだと思うぞ。余りに元の俺とかけ離れた能力を持ち、信じられないような事を次々と経験したのだ、感覚や常識が狂っても仕方ないだろう」

「分かった分かった、全ては我がミノルをデュオに選び、帝国を滅ぼさせた事が始まりだ、何を言われても仕方がないな」

「そうだ、全部の元凶はセイにある、だから俺の尻ぬぐいは頼んだぞ」

「任せておけ」

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