初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第123話売買利益
ビラン冒険者ギルド:査定場兼解体場
「テューレ殿、査定の件なのだが」
「時間が惜しいか」
「はい」
「不正を産む温床になるぞ」
「そうですね、でも私の場合はその時間に狩りをした方が、総合的な利益は上なんです」
「だろうな、こんな獲物をポンポン狩って来るんだからな」
「立ち合いに代理人を立てると言う事ではいけませんか」
「オードリーの事か」
「はい、彼女は僕専属の受付ですし、僕の獲物の売り上げで歩合も入ります。そうそう不正はしないと思うんですか」
「そう言えない訳では無いが、歩合で受け取れる以上の金額を賄賂で受け取り、大幅に獲物の品質を悪かったことにしたやつもいるぞ」
「過去にそんな事件があったのですか」
「専属受付がかかわっていた訳では無い。パーティーメンバーの中に、査定官とグルになり、仲間に渡るはずの金を自分の懐に入れていたやつがいたのだ」
「不当に安い査定をして、表向きはその金額でパーティーで分配し、真っ当な査定金額との差額を、査定官と悪いパーティーメンバーが山分けしていたのですね」
「そうだ」
「では、査定官がテューレ殿の場合だけ、オードリーに任せると言うのはどうでしょうか?」
「俺やオードリーが危険に巻き込まれるぞ」
「なるほど、余りに高額な査定額を任されると、悪人が金欲しさにテューレ殿やオードリーを脅迫する可能性があるのですね」
「我々だけなら覚悟もしているし訓練も受けているが、家族どころや友人知人すら巻き込む可能性がある。さすがにジャイアント・レッドベアー10頭にジャイアント・ブラウンボア5頭の金額ではな、配下の10人や20人殺されようと、何百人の無関係の人を殺そうと、脅迫や襲撃を仕掛けて来る可能性がある」
「確かにそうですね、色んな人に迷惑をかけるとしたら、任せきりと言う訳にはいかないですね」
「そう言ってくれると思っていたよ」
「褒めて頂いているのにしつこく言って申し訳ないんですが、ジャイアント・レッドベアーとジャイアント・ブラウンボアは僕が立ちあいますが、オークをオードリーに任せると言うのはどうでしょうか」
「なるほどな、オークは1000頭も売ってくれる約束だが、その総額でもジャイアント・レッドベアー1頭の1/2240だからな。そんなものの為にジャイアント・レッドベアーやジャイアント・ブラウンボアを狩る時間を潰されてはたまらんか」
「はい、どうでしょうか?」
「それくらいなら仕方あるまいな、オードリーが受け取る歩合だけでも168万は下らん。この短期間に年収の3倍4倍手に入るんだ、それくらいの手間は当然だな」
「そう言って頂ければ助かります」
(面倒なことだな)
(まあそれだけ誠実に仕事をしてくれていると言う事だよ)
(分かっておる)
(さて仕上げの交渉と行こう)
「それでもう1つお願いしたいのですが」
「なんだ?」
「オークションにかけるオークを多目に預けておきたいのですが、価格が暴落しないように、最低販売価格を設定しておいて欲しいんですよ」
「ビランを離れるのか?」
「はい、色々とやるべき事がありまして」
(異世界の魚が喰いたいのだよな)
(やかましい!)
「俺の独断では決められん、マスターに話してみよう」
「そうして頂ければ助かります」
「ではさっさとジャイアント・レッドベアーとジャイアント・ブラウンボアの解体査定を済ます。オークになった時点でオードリーに代わってもらっていいぞ」
「お願いします」
オーク :2000×1000頭=200万
ジャイアント・レッドベアー:1億1200万×10頭=11億2000万
ジャイアント・ブラウンボア:5600万×10頭=5億6000万
今回ギルドに依頼されて放出したモンスターは、以上の金額になると思われるのだが、普通に使い切れる金額ではない。だが俺の場合は、いつ何をドローン配送で手に入れる必要になるか分かったものではない。
1番の問題は、リュウが日本の食材を食べたがった場合だ。
今は異世界の食肉を、日本の調味料で味付けする事で満足してくれているが、何時駄々をこねだすか分からないのだ!
今まで与えた日本の料理の中で、リュウが特に気に入っていたのに再現できない物が海老を使った料理だ。肉料理はどうとでもなるのだ、ソーセージやハム。ベーコンの再現には成功しているのだ。いや、むしろ食肉自体の素材の美味しさや大きさなら、この世界の魔獣やモンスターの方が日本より上だろう。リュウほどの巨体なら、日本の食肉では小さすぎて食べ応えがないと思う。
早々に海岸付近の街に移動して、海老や蟹を狩らないと、いざという時に即対応出来ない可能性がある。いや、決して俺が巨大で美味しい海老や蟹が食べたい訳ではないのだ。
(自分を誤魔化すんじゃないぞ、ミノル)
(うぅぅぅぅ、新鮮で美味しい蟹味噌が食べたいんだぁ~!)
「テューレ殿、査定の件なのだが」
「時間が惜しいか」
「はい」
「不正を産む温床になるぞ」
「そうですね、でも私の場合はその時間に狩りをした方が、総合的な利益は上なんです」
「だろうな、こんな獲物をポンポン狩って来るんだからな」
「立ち合いに代理人を立てると言う事ではいけませんか」
「オードリーの事か」
「はい、彼女は僕専属の受付ですし、僕の獲物の売り上げで歩合も入ります。そうそう不正はしないと思うんですか」
「そう言えない訳では無いが、歩合で受け取れる以上の金額を賄賂で受け取り、大幅に獲物の品質を悪かったことにしたやつもいるぞ」
「過去にそんな事件があったのですか」
「専属受付がかかわっていた訳では無い。パーティーメンバーの中に、査定官とグルになり、仲間に渡るはずの金を自分の懐に入れていたやつがいたのだ」
「不当に安い査定をして、表向きはその金額でパーティーで分配し、真っ当な査定金額との差額を、査定官と悪いパーティーメンバーが山分けしていたのですね」
「そうだ」
「では、査定官がテューレ殿の場合だけ、オードリーに任せると言うのはどうでしょうか?」
「俺やオードリーが危険に巻き込まれるぞ」
「なるほど、余りに高額な査定額を任されると、悪人が金欲しさにテューレ殿やオードリーを脅迫する可能性があるのですね」
「我々だけなら覚悟もしているし訓練も受けているが、家族どころや友人知人すら巻き込む可能性がある。さすがにジャイアント・レッドベアー10頭にジャイアント・ブラウンボア5頭の金額ではな、配下の10人や20人殺されようと、何百人の無関係の人を殺そうと、脅迫や襲撃を仕掛けて来る可能性がある」
「確かにそうですね、色んな人に迷惑をかけるとしたら、任せきりと言う訳にはいかないですね」
「そう言ってくれると思っていたよ」
「褒めて頂いているのにしつこく言って申し訳ないんですが、ジャイアント・レッドベアーとジャイアント・ブラウンボアは僕が立ちあいますが、オークをオードリーに任せると言うのはどうでしょうか」
「なるほどな、オークは1000頭も売ってくれる約束だが、その総額でもジャイアント・レッドベアー1頭の1/2240だからな。そんなものの為にジャイアント・レッドベアーやジャイアント・ブラウンボアを狩る時間を潰されてはたまらんか」
「はい、どうでしょうか?」
「それくらいなら仕方あるまいな、オードリーが受け取る歩合だけでも168万は下らん。この短期間に年収の3倍4倍手に入るんだ、それくらいの手間は当然だな」
「そう言って頂ければ助かります」
(面倒なことだな)
(まあそれだけ誠実に仕事をしてくれていると言う事だよ)
(分かっておる)
(さて仕上げの交渉と行こう)
「それでもう1つお願いしたいのですが」
「なんだ?」
「オークションにかけるオークを多目に預けておきたいのですが、価格が暴落しないように、最低販売価格を設定しておいて欲しいんですよ」
「ビランを離れるのか?」
「はい、色々とやるべき事がありまして」
(異世界の魚が喰いたいのだよな)
(やかましい!)
「俺の独断では決められん、マスターに話してみよう」
「そうして頂ければ助かります」
「ではさっさとジャイアント・レッドベアーとジャイアント・ブラウンボアの解体査定を済ます。オークになった時点でオードリーに代わってもらっていいぞ」
「お願いします」
オーク :2000×1000頭=200万
ジャイアント・レッドベアー:1億1200万×10頭=11億2000万
ジャイアント・ブラウンボア:5600万×10頭=5億6000万
今回ギルドに依頼されて放出したモンスターは、以上の金額になると思われるのだが、普通に使い切れる金額ではない。だが俺の場合は、いつ何をドローン配送で手に入れる必要になるか分かったものではない。
1番の問題は、リュウが日本の食材を食べたがった場合だ。
今は異世界の食肉を、日本の調味料で味付けする事で満足してくれているが、何時駄々をこねだすか分からないのだ!
今まで与えた日本の料理の中で、リュウが特に気に入っていたのに再現できない物が海老を使った料理だ。肉料理はどうとでもなるのだ、ソーセージやハム。ベーコンの再現には成功しているのだ。いや、むしろ食肉自体の素材の美味しさや大きさなら、この世界の魔獣やモンスターの方が日本より上だろう。リュウほどの巨体なら、日本の食肉では小さすぎて食べ応えがないと思う。
早々に海岸付近の街に移動して、海老や蟹を狩らないと、いざという時に即対応出来ない可能性がある。いや、決して俺が巨大で美味しい海老や蟹が食べたい訳ではないのだ。
(自分を誤魔化すんじゃないぞ、ミノル)
(うぅぅぅぅ、新鮮で美味しい蟹味噌が食べたいんだぁ~!)
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