初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第121話「焼酎契約」
「ミノル様、何とかお願いできないでしょうか」
「いやでもなぁ~」
「ミノル様もギルドの混乱は御覧なって下さいましたよね」
「いや、確かにあれは酷かったね」
「昨日の今日でこの状況です、明日以降ドンドン状況は悪くなると思われます」
「しかしなぁ、ドワーフ族とギルドを交えた契約だぞ、ギルド側から僅か1日で契約変更を提案するのは不味すぎるだろう」
「それはマスターも理解しているのです。理解して上で、こうしてお願いしているのです」
(ギルドからの願いと言う割には、ギルドマスターは隠れたままで出て来んな)
(オードリーが俺の専属受付だから、俺との全ての交渉はオードリーを通すと言う建前なんだろうな)
(建前か、じゃあ本音はなんだ)
(ギルドマスターが1冒険者に頭を下げる訳にはいかないのだろうな)
(随分と偉そうだな)
(ビランのギルドマスターは、それだけ権威があるんじゃないのか)
(まあ気配を探った範囲では、現役冒険者を上回る実力のようだな)
(そうだな、実力を保ったままギルドマスターになる事で、高レベルモンスターが狩れるギルドの秩序を維持しているのだろうな)
(うむ、そうれはそうであろうな。冒険者の方が力を持っていた場合、反乱と言うか、ギルドの乗っ取りもありえるだろうしな)
(ああ、普通のギルドと比べれば、桁外れの利益が上がるビランギルドだから、所属する冒険者も桁外れに強く海千山千の猛者だろうからな)
「あの、その、怒ってしまわれました?」
「そう言う訳では無いが、どれほど混乱があると言っても高が酒ではないか、ドワーフ族との契約を反故にするわけにはいかんよ。特に俺は既に1度契約の変更をしてもらった身だ、ギルドとドワーフ族が揃って変更を提案しない限り無理だよ」
「そうですよね、私も実はそう思っているんですが、ギルドの方針でお願いするしかなかったんです」
「まあそもそも俺が持っている酒には限りがあるんだ、どれほど御願されても無理な物は無理なんだよ」
「分かりました、私もミノル様の専属です。ここはギルドマスターにだって、ガツンと言ってやります!
「そうか、オードリーがそう言ってくれると助かるよ」
「ミノル様ぁ~、私もいいですかぁ~」
「ちょっと! 勝手に会話に入ってこないでよ! それに貴女まだ勤務中でしょ?!」
「まぁまぁまぁ、そんなことはいいじゃない」
「いいわけないでしょ、フィオレンザ!」
「いいのよ、マスターからの許可は受けてるの」
(どういうことだ?)
(なんだ、分からないのかセイ?)
(ふむ、そうだな、あそこに隠れているギルドマスターは、オードリーだけではミノルを押しきれないと判断したのだな)
(まあそうだろうな、今までのオードリーの行動から判断して、ギルド側ではなく俺側に立つと判断して、フィオレンザに監視と再交渉を指示していたのだろうな)
(ギルドマスターも、最初からドワーフ族との交渉は諦めているのだな)
(セイも無理だと思うだろ)
(そうだな、ドワーフ族に酒の事で譲歩を求めるなど、オークに歌えと言っているのと同じだからな)
(初めて聞く例え話だな、不可能と言う意味か?)
(周りに迷惑をかけ被害者が出ると言う意味だよ)
(それほど音痴なのか?)
(音痴どころか、破壊音波だなあれは!)
「ねぇ~えミノル様ぁ~、黙ってないで何とか言って下さいよぉ~」
「だから何度も言っている、俺ではなくドワーフ族と交渉しろ!」
(威嚇か?)
(演技だよ、この程度で怒りはせんが、何度も何度も交渉されるのは面倒だからな)
(そうだろうな)
「そんなぁ~、ドワーフ族はミノル様と違って、酒の事になると話が通じないんですよ」
「何度も同じ事は言わん、もしどうしてもギルド側が契約を変更すると言うのなら、三者契約を止めて俺とドワーフ族の直接契約に変更する」
「え?」
「脅しではないぞ、直接契約なら小売手数料1割も不要だからな」
「それはそうでございましょうけど、ドワーフ族との直接契約は色々面倒だから、それでギルドを間に挟まれたんじゃないんですか?」
「面倒が嫌でギルドを挟んだのに、そのギルドがこのような面倒事を押し付けてくるのなら話が変わる。この提案がギルドマスターからごり押しされていると、ドワーフ族に話してこよう」
「それは止めて頂きたい」
「やっとお出ましですかギルドマスター」
「ミノル殿は、私が隠れているのを気付いておられてのでしょう」
(あのような下手くそな隠形や魔法で我らから隠れられる訳がないであろう)
(まあまあまあ、セイの目から隠れられる人間なんていないんだから、それは仕方がないことだよ)
(ふむ)
「ええ、いくら隠形や魔法で気配を隠そうとされても、高レベルのモンスターに比べればね」
「ほう! ミノル殿が普段相手取るモンスターは、私の隠形や魔法以上の力で気配を隠すのですな?」
「ええそうですよ、それくらいのモンスターを相手にしていますし、そのようなモンスターがいる狩場を幾つも知っていますよ」
「それは、場合によってはドワーフ族にその狩場を教えて、ビラン冒険者ギルドから引き抜くと言われているのかな?」
「「えぇぇぇぇ!」」
(娘どもは驚いておるな)
(まあ、たかが酒の話がドワーフ族全体の引き抜き話になるなんて、誰だって思っても見ないからな)
(職員も冒険者も聞き耳を立てておるぞ、これを予想して最初からこの会話を周りから遮断しなかったのか?)
(オードリーやギルドから、この会談の事が歪曲されてドワーフ族に伝わるのが怖かったからね)
(嘘をつくな、最初からギルドが話を歪曲して噂を流すと思っていたんだろう)
(まあね、交渉のプロならそれくらいの罠は仕掛けてくるだろうからね)
「必要とあれば、ギルドマスターと同じような手は幾らでも使わせていただきますよ」
「これは正直に手札を見せて、誠意をもって話し合った方がいいのかな?」
「今更正直や誠意と言われてもね、信じられませんよ」
「ふむ、まあそれが当然の話だな」
「で、その上で提案があるのでしょ」
「ああ、今回のドワーフ族へのはなたれ焼酎独占売買契約だが、酒好きで有名なドワーフ族は満足しているが、他にも酒好きの種族は結構いるのだよ」
「それはいるでしょうね」
「昨日の今日でこの大混乱だ、ドワーフ族以外の酒好きからの、酒を売れと言う圧力は日に日に強くなるだろう。いや、恐らく領主様からも酒を売れと言う話が来る事だろう」
「で、最終的には王家まで酒を売れと言ってくる」
「ミノル殿には最初からこの絵図が見えていたのではないかな?」
「さて、何の事でしょうか?」
「ミノル殿、もう腹芸は止めてくれないか、売る心算の酒と値段のリストを出してくれ。その条件は無条件で受け入れる」
「無条件ですか?」
「ドワーフ族との契約をに準じているのだろう、分かっているよ」
(ほう、このギルドマスターを見直したぞ)
(伊達や酔狂でビランの冒険者ギルドマスターは務まらないと言う事だな)
「では、ギルドの手数料は1割、渡せる酒の種類と酒精はこの表の通りです」
「焼酎価格表」
A:黒麹麦焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
B:甕壺仕込み麦焼酎:25度:1800ml:小金貨23枚
C:樫樽貯蔵麦焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
D:常圧蒸留芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
E:白麹芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
F:黒麹芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
G:赤芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
H:そば焼酎 :28度:1800ml:小金貨23枚
I:黄麹そば焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
J:そば焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
K:黒糖焼酎 :30度:1800ml:小金貨23枚
L:3年熟成黒糖焼酎:25度:1800ml:小金貨23枚
M:ブレンド黒糖焼酎:30度:1800ml:小金貨23枚
N:熟成黒糖焼酎 :30度:1800ml:小金貨23枚
O:黒壺黒糖焼酎 :37度:1000ml:小金貨13枚
P:単式蒸留米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
Q:純米米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
R:吟醸酒粕米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
「分かった、これで異存はない」
俺には最初からこうなると分かっていたのだ。
ドワーフ族以外の酒好きからの苦情が殺到し、酒を公平に売れとギルド所属の冒険者が圧力をかけてくる。特にあのような高級ワインバーを贔屓にしている領主なら、絶対にはなたれ焼酎を欲しがることは簡単に推測できた。
いや、もしかしたらあのワインバーは領主が裏から経営しており、酒好きが落とす莫大な金を吸い上げている可能性すらあるのだ。
更に考えれば、あのような超高級店だけではなく、あらゆる階層が使う酒場を沢山裏から経営し、領主に対する不平不満を事前に知ろうとしている可能性もある!
善政を敷く聖人君主であろうと、民の声を広く正確に知るために情報を集めるだろう。もちろん悪政を敷く領主なら、自分に対する反抗反乱を事前に知るために、諜報網として酒場を利用して情報を集めている可能性がある。
俺の売る超高額の酒を買えるような、領主軍を圧倒する実力を持つ冒険者達が、酒場を利用せずに自宅で酒を飲むようになれば、反乱の兆候を知ることが出来なくなると考える可能性もあるだろう。
(ミノルの考え過ぎではないのか?)
(だったらいいんだけどな、愚かで善良な領主ならいいんだけど、こんな利益の上がる領地の主だぞ)
(そうだな、愚か者なら罠に嵌められ領地を取り上げられているな)
「いやでもなぁ~」
「ミノル様もギルドの混乱は御覧なって下さいましたよね」
「いや、確かにあれは酷かったね」
「昨日の今日でこの状況です、明日以降ドンドン状況は悪くなると思われます」
「しかしなぁ、ドワーフ族とギルドを交えた契約だぞ、ギルド側から僅か1日で契約変更を提案するのは不味すぎるだろう」
「それはマスターも理解しているのです。理解して上で、こうしてお願いしているのです」
(ギルドからの願いと言う割には、ギルドマスターは隠れたままで出て来んな)
(オードリーが俺の専属受付だから、俺との全ての交渉はオードリーを通すと言う建前なんだろうな)
(建前か、じゃあ本音はなんだ)
(ギルドマスターが1冒険者に頭を下げる訳にはいかないのだろうな)
(随分と偉そうだな)
(ビランのギルドマスターは、それだけ権威があるんじゃないのか)
(まあ気配を探った範囲では、現役冒険者を上回る実力のようだな)
(そうだな、実力を保ったままギルドマスターになる事で、高レベルモンスターが狩れるギルドの秩序を維持しているのだろうな)
(うむ、そうれはそうであろうな。冒険者の方が力を持っていた場合、反乱と言うか、ギルドの乗っ取りもありえるだろうしな)
(ああ、普通のギルドと比べれば、桁外れの利益が上がるビランギルドだから、所属する冒険者も桁外れに強く海千山千の猛者だろうからな)
「あの、その、怒ってしまわれました?」
「そう言う訳では無いが、どれほど混乱があると言っても高が酒ではないか、ドワーフ族との契約を反故にするわけにはいかんよ。特に俺は既に1度契約の変更をしてもらった身だ、ギルドとドワーフ族が揃って変更を提案しない限り無理だよ」
「そうですよね、私も実はそう思っているんですが、ギルドの方針でお願いするしかなかったんです」
「まあそもそも俺が持っている酒には限りがあるんだ、どれほど御願されても無理な物は無理なんだよ」
「分かりました、私もミノル様の専属です。ここはギルドマスターにだって、ガツンと言ってやります!
「そうか、オードリーがそう言ってくれると助かるよ」
「ミノル様ぁ~、私もいいですかぁ~」
「ちょっと! 勝手に会話に入ってこないでよ! それに貴女まだ勤務中でしょ?!」
「まぁまぁまぁ、そんなことはいいじゃない」
「いいわけないでしょ、フィオレンザ!」
「いいのよ、マスターからの許可は受けてるの」
(どういうことだ?)
(なんだ、分からないのかセイ?)
(ふむ、そうだな、あそこに隠れているギルドマスターは、オードリーだけではミノルを押しきれないと判断したのだな)
(まあそうだろうな、今までのオードリーの行動から判断して、ギルド側ではなく俺側に立つと判断して、フィオレンザに監視と再交渉を指示していたのだろうな)
(ギルドマスターも、最初からドワーフ族との交渉は諦めているのだな)
(セイも無理だと思うだろ)
(そうだな、ドワーフ族に酒の事で譲歩を求めるなど、オークに歌えと言っているのと同じだからな)
(初めて聞く例え話だな、不可能と言う意味か?)
(周りに迷惑をかけ被害者が出ると言う意味だよ)
(それほど音痴なのか?)
(音痴どころか、破壊音波だなあれは!)
「ねぇ~えミノル様ぁ~、黙ってないで何とか言って下さいよぉ~」
「だから何度も言っている、俺ではなくドワーフ族と交渉しろ!」
(威嚇か?)
(演技だよ、この程度で怒りはせんが、何度も何度も交渉されるのは面倒だからな)
(そうだろうな)
「そんなぁ~、ドワーフ族はミノル様と違って、酒の事になると話が通じないんですよ」
「何度も同じ事は言わん、もしどうしてもギルド側が契約を変更すると言うのなら、三者契約を止めて俺とドワーフ族の直接契約に変更する」
「え?」
「脅しではないぞ、直接契約なら小売手数料1割も不要だからな」
「それはそうでございましょうけど、ドワーフ族との直接契約は色々面倒だから、それでギルドを間に挟まれたんじゃないんですか?」
「面倒が嫌でギルドを挟んだのに、そのギルドがこのような面倒事を押し付けてくるのなら話が変わる。この提案がギルドマスターからごり押しされていると、ドワーフ族に話してこよう」
「それは止めて頂きたい」
「やっとお出ましですかギルドマスター」
「ミノル殿は、私が隠れているのを気付いておられてのでしょう」
(あのような下手くそな隠形や魔法で我らから隠れられる訳がないであろう)
(まあまあまあ、セイの目から隠れられる人間なんていないんだから、それは仕方がないことだよ)
(ふむ)
「ええ、いくら隠形や魔法で気配を隠そうとされても、高レベルのモンスターに比べればね」
「ほう! ミノル殿が普段相手取るモンスターは、私の隠形や魔法以上の力で気配を隠すのですな?」
「ええそうですよ、それくらいのモンスターを相手にしていますし、そのようなモンスターがいる狩場を幾つも知っていますよ」
「それは、場合によってはドワーフ族にその狩場を教えて、ビラン冒険者ギルドから引き抜くと言われているのかな?」
「「えぇぇぇぇ!」」
(娘どもは驚いておるな)
(まあ、たかが酒の話がドワーフ族全体の引き抜き話になるなんて、誰だって思っても見ないからな)
(職員も冒険者も聞き耳を立てておるぞ、これを予想して最初からこの会話を周りから遮断しなかったのか?)
(オードリーやギルドから、この会談の事が歪曲されてドワーフ族に伝わるのが怖かったからね)
(嘘をつくな、最初からギルドが話を歪曲して噂を流すと思っていたんだろう)
(まあね、交渉のプロならそれくらいの罠は仕掛けてくるだろうからね)
「必要とあれば、ギルドマスターと同じような手は幾らでも使わせていただきますよ」
「これは正直に手札を見せて、誠意をもって話し合った方がいいのかな?」
「今更正直や誠意と言われてもね、信じられませんよ」
「ふむ、まあそれが当然の話だな」
「で、その上で提案があるのでしょ」
「ああ、今回のドワーフ族へのはなたれ焼酎独占売買契約だが、酒好きで有名なドワーフ族は満足しているが、他にも酒好きの種族は結構いるのだよ」
「それはいるでしょうね」
「昨日の今日でこの大混乱だ、ドワーフ族以外の酒好きからの、酒を売れと言う圧力は日に日に強くなるだろう。いや、恐らく領主様からも酒を売れと言う話が来る事だろう」
「で、最終的には王家まで酒を売れと言ってくる」
「ミノル殿には最初からこの絵図が見えていたのではないかな?」
「さて、何の事でしょうか?」
「ミノル殿、もう腹芸は止めてくれないか、売る心算の酒と値段のリストを出してくれ。その条件は無条件で受け入れる」
「無条件ですか?」
「ドワーフ族との契約をに準じているのだろう、分かっているよ」
(ほう、このギルドマスターを見直したぞ)
(伊達や酔狂でビランの冒険者ギルドマスターは務まらないと言う事だな)
「では、ギルドの手数料は1割、渡せる酒の種類と酒精はこの表の通りです」
「焼酎価格表」
A:黒麹麦焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
B:甕壺仕込み麦焼酎:25度:1800ml:小金貨23枚
C:樫樽貯蔵麦焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
D:常圧蒸留芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
E:白麹芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
F:黒麹芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
G:赤芋焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
H:そば焼酎 :28度:1800ml:小金貨23枚
I:黄麹そば焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
J:そば焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
K:黒糖焼酎 :30度:1800ml:小金貨23枚
L:3年熟成黒糖焼酎:25度:1800ml:小金貨23枚
M:ブレンド黒糖焼酎:30度:1800ml:小金貨23枚
N:熟成黒糖焼酎 :30度:1800ml:小金貨23枚
O:黒壺黒糖焼酎 :37度:1000ml:小金貨13枚
P:単式蒸留米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
Q:純米米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
R:吟醸酒粕米焼酎 :25度:1800ml:小金貨23枚
「分かった、これで異存はない」
俺には最初からこうなると分かっていたのだ。
ドワーフ族以外の酒好きからの苦情が殺到し、酒を公平に売れとギルド所属の冒険者が圧力をかけてくる。特にあのような高級ワインバーを贔屓にしている領主なら、絶対にはなたれ焼酎を欲しがることは簡単に推測できた。
いや、もしかしたらあのワインバーは領主が裏から経営しており、酒好きが落とす莫大な金を吸い上げている可能性すらあるのだ。
更に考えれば、あのような超高級店だけではなく、あらゆる階層が使う酒場を沢山裏から経営し、領主に対する不平不満を事前に知ろうとしている可能性もある!
善政を敷く聖人君主であろうと、民の声を広く正確に知るために情報を集めるだろう。もちろん悪政を敷く領主なら、自分に対する反抗反乱を事前に知るために、諜報網として酒場を利用して情報を集めている可能性がある。
俺の売る超高額の酒を買えるような、領主軍を圧倒する実力を持つ冒険者達が、酒場を利用せずに自宅で酒を飲むようになれば、反乱の兆候を知ることが出来なくなると考える可能性もあるだろう。
(ミノルの考え過ぎではないのか?)
(だったらいいんだけどな、愚かで善良な領主ならいいんだけど、こんな利益の上がる領地の主だぞ)
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