初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第116話「魔獣肉と大豆の煮物」
「残念だったな、ミノル」
「何度もうるさいぞ、セイ」
「だが踏ん切りをつける心算であったのであろう」
「まぁ、そうだな」
「それがあの娘がいた事と、その後の酒盛りでうやむやになってしまった」
「あのなぁ~、さすがに寝てしまった女の子とは無理だよ」
「そうだな、同じ部屋の娘もいたしな」
「ああ、そう言う趣味はないからな」
「おいおいおい、さっきから何を話しているのかわらないが、ちゃんと料理に集中してくれよ!」
「ミャオミャ!」
「いちいち五月蝿いぞ! 白虎!」
「大丈夫だよ、ちゃんとアグネスへの愛情を注いでいるよ」
「みゃう」
「おいおいおい、俺への愛情は?」
「安心しろ、ちゃんと込めているよ」
「本当かよ?」
「もう焼けるぞ」
今日も今日とてアグネスと白虎の食事は肉尽くしだ!
白虎が作った昼飯も肉尽くしだったようだが、彼らにはその方が美味しいし幸せだと言うのだから仕方がない。
でもまあ有り難い話もあって、アグネスと白虎は俺の留守中に、オープレイ、ジャイアント・レッドベアー、ジャイアント・ブラウンボアはもちろん、ティタノボア、アナコンダ、デイノスクスの肉も塩漬けにして熟成してくれたり、ミンチからエマルジョンにしてソーセージにまで仕上げてくれている。さらにはそれら全ての内臓ををきれいに洗い、ホルモンとして直ぐに使えるように下ごしらえをしてくれていた。
「さあどうぞ」
「みゃう」
「おう、てんこ盛りだな!」
セイが何も言わずに手伝ってくれているし、この前アグネスと白虎にリュウまで加わった食べ放題をこなした事で、アグネスと白虎の2人なら楽勝で素早く料理を出せるようになっていた。今晩の料理は焼肉と言うかバーベキューと言うのか、アグネスと白虎が下ごしらえしてくれていた各種ホルモンと、細かく部位別に切り分けた精肉だ。
「主、ジャイアント・ブラウンボアの肩三角を焼いてくれ!」
「ミャウミャウ」
「いちいち五月蝿いぞ、白虎!」
「まぁいいじゃないか、誰だって美味しい物が食べたいんだから」
「だが甘やかすとつけあがるぞ?」
「その分俺の留守には、同じようにアグネスの我儘を聞いてくれているんだからな」
「みゃう」
「何の事だか分からんよ、主」
「照れることないぞ、白虎。まあ、焼けるまでは他の部位を食べていてくれよ、それに自分でも今焼いてアイテムボックスに入れておけば、昼に楽できるし移動の時の食事で好きな物を食べれるぞ」
「うん? 主は移動する気なのか? ここに来たばかりじゃないか?」
「うん? ああ、そうだな、今日試作する料理を色々調べていたんだけど、見ていたら海の食材が欲しくなってね」
「海の食材? 魚の事か?」
「魚もなんだけど、海藻が欲しくなったんだよ」
「海藻? なんなんだそれは、美味しいのか?」
「ミャウミャウミャミャ」
「俺は好きだけど、アグネスと白虎は苦手だと思うぞ、なんせ海で育つ草のようなものだからな」
「え~! そんなものいらねぇ~よぉ~」
「ミャウミャミャウミャミャ」
「だかな、その海藻を干して熟成させたら、ソーセージやベーコンみたいに美味しくなるんだ。そしてそれを料理に使うと、とてつもなく美味しくなるんだよ」
「それは肉も美味しくなるってことか?」
「ミャウミャミャウミャミャ」
「そうなんだよ、どんな料理を作るにしても、海藻を干したもので作る出汁が有るのと無いのとじゃ大違いなんだよ」
「本当なのか? 主」
「ミャウ」
「本当だよ、今アグネスと白虎が美味しく食べているタレも、塩胡椒に含まれているその美味しいさも、干した海藻を隠し味に入れているからなんだよ」
「なんだと! それは本当なのか」
「ミャゥミャゥミャ」
「うそなんかつかないよ、それにね、この世界で日本を越える美味しいタレを作りたいんだよ」
「そうか! なら明日にでも海に行こうではないか!」
「ミャウ」
「まぁまぁまぁ、まずはドワーフ族との酒売買を片付けてからだよ」
「え~そんな事放っておけばいいじゃないか!」
「ミャゥミャ」
「そうもいかないさ、それに海藻は逃げも隠れもしないし、今のタレに文句はないんだろ?」
「う~ん、それもそうだけど、じゃあ今なんでそんな話をしたんだ?」
「ミャウミャミャウミャ」
「話のついでに移動の事が出たからね、今後の方針を話しただけだよ」
「余り先の話を言われても困るぞ、明日の事は明日になってから話してくれ、主」
「ミャウミャミャウミャ」
「分かった分かった、今度からそうするよ」
何気ない話をしながらの食事はとても美味しく、こんな時間が永遠に続けばいいと心から思う。満腹になったアグネスはベットで安らかな寝息を立てているし、白虎もジャグジーにつかりながら酒を飲んでいる。
俺はそれを見ながら、試作料理「魔獣肉と大豆の煮物」を作っているのだが、大豆に似た食材は見かけた事があるから、昆布に似た食材さえ手に入れば、この世界でも同じ料理を再現する事が出来るだろう。もちろんそれには、開拓村で分身体が試作させている「醤油」と「味噌」が完成すればと言う大前提があるのだが。
「魔獣肉と異世界麺のオーブン焼き」
魔獣肩肉:20kg
大豆 :100カップ
昆布 :10cm100枚
醤油 :大さじ200杯
砂糖 :大さじ100杯
醤油 :大さじ200杯
砂糖 :大さじ50杯
1:大豆は洗って水400カップに1晩漬けておく
2:昆布は1cm各に切って30分くらい100カップの水に漬けておく
3:魔獣肩肉は1・5cm各に切る
(リュウや白虎に合わせて大きさは調整する)
4:1に昆布の漬汁と醤油200杯・砂糖100杯を加えて弱火で煮る
5:大豆がある程度柔らかくなったら、魔獣肩肉・醤油200杯・砂糖50杯を加える
6:タマネギがキツネ色になったら獣肉・ベーコン・ソーセージを入れて炒める
7:更に大豆が柔らかくなるまで弱火でじっくり煮る
(水が足らなくなったら足して弱火でじっくり煮る)
8:大豆が柔らかくなり、煮汁が少なくなったら昆布を加える
9:味見をして調味料を加えて味を整えつつ、煮汁が無くなるまで煮て完成
「これで完成したのか?」
「いや、まだまだ煮込まないと完成とは言えないな」
「醤油が完成するまでは、誰にも食べさせる訳にはいかんのだな」
「まあ完成形はね」
「それはどう言う意味だ?」
「塩と香草を色々ブレンドして、美味しいと言えるくらいにまで味が完成すれば、見習達に食べさせてやる事が出来る」
「高価な砂糖を使った料理を食べさせてやるのか?」
「そうだな、食い物の恨みは大きいからな、多少の出費は当然だよ」
「ふむ、アグネスや白虎・リュウには大豆とやらを抜いて作るのか?」
「そうだね、抜いて作る方が喜ぶだろうね」
「だがそれでは、同じような味や食感の料理ばかりになるのではないか?」
「ああそうだな、それでも喜んで美味しく食べてくれるだろうけど、これも色々とアレンジするのさ」
「ほう、今作っているのは基本計であって完成形ではないのだな」
「それはそうだよ、ここではあくまでも試作しているだけさ」
「ではどうアレンジして完成形にするのだ?」
「今考えているアレンジは、肩肉だけではなくスジを入れるんだよ」
「ほう! 確かにそうすれば、肩肉と筋の味と食感の違いを感じる事が出来るな」
「それに異種肉を加える事で、味をもっと変えることが出来ると思うんだ」
「ふむ、今回はジャイアント・レッドベアーだけを使っているが、オープレイやジャイアント・ブラウンボアの肩肉を使って違いを出すのだな」
「ああ、それに肩肉だけじゃなく、キドニーやレバー・ハートなんかも試してみたいんだ」
「何度も何度も試作する事になりそうだな」
「ああ、もっともっと寸胴鍋を買い足して、1つ1つ色々食材を変えて試作するつもりさ」
「マメな事だな」
「アグネスの美味しそうに食べる顔を見れるのなら、これくらい大した手間じゃないよ」
「何度もうるさいぞ、セイ」
「だが踏ん切りをつける心算であったのであろう」
「まぁ、そうだな」
「それがあの娘がいた事と、その後の酒盛りでうやむやになってしまった」
「あのなぁ~、さすがに寝てしまった女の子とは無理だよ」
「そうだな、同じ部屋の娘もいたしな」
「ああ、そう言う趣味はないからな」
「おいおいおい、さっきから何を話しているのかわらないが、ちゃんと料理に集中してくれよ!」
「ミャオミャ!」
「いちいち五月蝿いぞ! 白虎!」
「大丈夫だよ、ちゃんとアグネスへの愛情を注いでいるよ」
「みゃう」
「おいおいおい、俺への愛情は?」
「安心しろ、ちゃんと込めているよ」
「本当かよ?」
「もう焼けるぞ」
今日も今日とてアグネスと白虎の食事は肉尽くしだ!
白虎が作った昼飯も肉尽くしだったようだが、彼らにはその方が美味しいし幸せだと言うのだから仕方がない。
でもまあ有り難い話もあって、アグネスと白虎は俺の留守中に、オープレイ、ジャイアント・レッドベアー、ジャイアント・ブラウンボアはもちろん、ティタノボア、アナコンダ、デイノスクスの肉も塩漬けにして熟成してくれたり、ミンチからエマルジョンにしてソーセージにまで仕上げてくれている。さらにはそれら全ての内臓ををきれいに洗い、ホルモンとして直ぐに使えるように下ごしらえをしてくれていた。
「さあどうぞ」
「みゃう」
「おう、てんこ盛りだな!」
セイが何も言わずに手伝ってくれているし、この前アグネスと白虎にリュウまで加わった食べ放題をこなした事で、アグネスと白虎の2人なら楽勝で素早く料理を出せるようになっていた。今晩の料理は焼肉と言うかバーベキューと言うのか、アグネスと白虎が下ごしらえしてくれていた各種ホルモンと、細かく部位別に切り分けた精肉だ。
「主、ジャイアント・ブラウンボアの肩三角を焼いてくれ!」
「ミャウミャウ」
「いちいち五月蝿いぞ、白虎!」
「まぁいいじゃないか、誰だって美味しい物が食べたいんだから」
「だが甘やかすとつけあがるぞ?」
「その分俺の留守には、同じようにアグネスの我儘を聞いてくれているんだからな」
「みゃう」
「何の事だか分からんよ、主」
「照れることないぞ、白虎。まあ、焼けるまでは他の部位を食べていてくれよ、それに自分でも今焼いてアイテムボックスに入れておけば、昼に楽できるし移動の時の食事で好きな物を食べれるぞ」
「うん? 主は移動する気なのか? ここに来たばかりじゃないか?」
「うん? ああ、そうだな、今日試作する料理を色々調べていたんだけど、見ていたら海の食材が欲しくなってね」
「海の食材? 魚の事か?」
「魚もなんだけど、海藻が欲しくなったんだよ」
「海藻? なんなんだそれは、美味しいのか?」
「ミャウミャウミャミャ」
「俺は好きだけど、アグネスと白虎は苦手だと思うぞ、なんせ海で育つ草のようなものだからな」
「え~! そんなものいらねぇ~よぉ~」
「ミャウミャミャウミャミャ」
「だかな、その海藻を干して熟成させたら、ソーセージやベーコンみたいに美味しくなるんだ。そしてそれを料理に使うと、とてつもなく美味しくなるんだよ」
「それは肉も美味しくなるってことか?」
「ミャウミャミャウミャミャ」
「そうなんだよ、どんな料理を作るにしても、海藻を干したもので作る出汁が有るのと無いのとじゃ大違いなんだよ」
「本当なのか? 主」
「ミャウ」
「本当だよ、今アグネスと白虎が美味しく食べているタレも、塩胡椒に含まれているその美味しいさも、干した海藻を隠し味に入れているからなんだよ」
「なんだと! それは本当なのか」
「ミャゥミャゥミャ」
「うそなんかつかないよ、それにね、この世界で日本を越える美味しいタレを作りたいんだよ」
「そうか! なら明日にでも海に行こうではないか!」
「ミャウ」
「まぁまぁまぁ、まずはドワーフ族との酒売買を片付けてからだよ」
「え~そんな事放っておけばいいじゃないか!」
「ミャゥミャ」
「そうもいかないさ、それに海藻は逃げも隠れもしないし、今のタレに文句はないんだろ?」
「う~ん、それもそうだけど、じゃあ今なんでそんな話をしたんだ?」
「ミャウミャミャウミャ」
「話のついでに移動の事が出たからね、今後の方針を話しただけだよ」
「余り先の話を言われても困るぞ、明日の事は明日になってから話してくれ、主」
「ミャウミャミャウミャ」
「分かった分かった、今度からそうするよ」
何気ない話をしながらの食事はとても美味しく、こんな時間が永遠に続けばいいと心から思う。満腹になったアグネスはベットで安らかな寝息を立てているし、白虎もジャグジーにつかりながら酒を飲んでいる。
俺はそれを見ながら、試作料理「魔獣肉と大豆の煮物」を作っているのだが、大豆に似た食材は見かけた事があるから、昆布に似た食材さえ手に入れば、この世界でも同じ料理を再現する事が出来るだろう。もちろんそれには、開拓村で分身体が試作させている「醤油」と「味噌」が完成すればと言う大前提があるのだが。
「魔獣肉と異世界麺のオーブン焼き」
魔獣肩肉:20kg
大豆 :100カップ
昆布 :10cm100枚
醤油 :大さじ200杯
砂糖 :大さじ100杯
醤油 :大さじ200杯
砂糖 :大さじ50杯
1:大豆は洗って水400カップに1晩漬けておく
2:昆布は1cm各に切って30分くらい100カップの水に漬けておく
3:魔獣肩肉は1・5cm各に切る
(リュウや白虎に合わせて大きさは調整する)
4:1に昆布の漬汁と醤油200杯・砂糖100杯を加えて弱火で煮る
5:大豆がある程度柔らかくなったら、魔獣肩肉・醤油200杯・砂糖50杯を加える
6:タマネギがキツネ色になったら獣肉・ベーコン・ソーセージを入れて炒める
7:更に大豆が柔らかくなるまで弱火でじっくり煮る
(水が足らなくなったら足して弱火でじっくり煮る)
8:大豆が柔らかくなり、煮汁が少なくなったら昆布を加える
9:味見をして調味料を加えて味を整えつつ、煮汁が無くなるまで煮て完成
「これで完成したのか?」
「いや、まだまだ煮込まないと完成とは言えないな」
「醤油が完成するまでは、誰にも食べさせる訳にはいかんのだな」
「まあ完成形はね」
「それはどう言う意味だ?」
「塩と香草を色々ブレンドして、美味しいと言えるくらいにまで味が完成すれば、見習達に食べさせてやる事が出来る」
「高価な砂糖を使った料理を食べさせてやるのか?」
「そうだな、食い物の恨みは大きいからな、多少の出費は当然だよ」
「ふむ、アグネスや白虎・リュウには大豆とやらを抜いて作るのか?」
「そうだね、抜いて作る方が喜ぶだろうね」
「だがそれでは、同じような味や食感の料理ばかりになるのではないか?」
「ああそうだな、それでも喜んで美味しく食べてくれるだろうけど、これも色々とアレンジするのさ」
「ほう、今作っているのは基本計であって完成形ではないのだな」
「それはそうだよ、ここではあくまでも試作しているだけさ」
「ではどうアレンジして完成形にするのだ?」
「今考えているアレンジは、肩肉だけではなくスジを入れるんだよ」
「ほう! 確かにそうすれば、肩肉と筋の味と食感の違いを感じる事が出来るな」
「それに異種肉を加える事で、味をもっと変えることが出来ると思うんだ」
「ふむ、今回はジャイアント・レッドベアーだけを使っているが、オープレイやジャイアント・ブラウンボアの肩肉を使って違いを出すのだな」
「ああ、それに肩肉だけじゃなく、キドニーやレバー・ハートなんかも試してみたいんだ」
「何度も何度も試作する事になりそうだな」
「ああ、もっともっと寸胴鍋を買い足して、1つ1つ色々食材を変えて試作するつもりさ」
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