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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第104話見習班再編成

「御師匠様、では武具はどうしましょう?」

「そうだな、結構金がかかるんだな?」

「はい、最低でも武器と皮鎧にブーツは必要になると思います」

「そうだな、こんなジャングルの中を歩き回るんだから、足回りは丈夫な物が必要だな」

「はい、御師匠様の指示に逆らいはしませんが、あの子達の服装や持ち物では、とても一緒に狩りに連れて行けません。確かに村の中庭で訓練させていただく分には、御神木様の支援があるので大丈夫かとは思いますが、それでも心配になってしまいます」

「そうだな、御神木が守ってくれるとは言え、普段の狩りに必要な装備を整えて訓練しないと、実際に村を出て狩りに行く時に、重量差で戸惑うかもしれんな」

「はい」

翌日朝食を食べた後、創り出した砦に向かい、イルオン指揮の見習達と会ったのだが、彼らは砦ではなく村と呼んでいた。彼らにとって、ここは戦う為の場所ではなく「暮らして行く為の大切な場所」と言う印象の方が強く強く心の中に焼きついたのだろう。

だとすれば、出来るだけ早く新人達も村に合流させた方がいいと思い、7つの班に見習の見習として、年長の新人を配属しようとしたのだが、そもそも新人達は貧しくて着の身着のままのだったのだ。親に口減らし同然に冒険者ギルドに預けられた子供達だから、武器や防具は持っていなくて当然だが、ジャングルの中を歩くための靴すら満足に持っていない子も多かった。

「では今日テトラで必要な装備を買おう」

「しかし彼らにはその資金などありませんが?」

「俺が出すからいいよ」

「よろしいのですか、御師匠様?」

「構わないよ、イルオン達は訓練で狩った獲物の売却代金が結構ある。イルオン達の新装備を買うのと一緒に、新人達の装備を買えばいい」

「え? 私達の新装備ですか?!」

「ああ、またしばらく俺はここを留守にするし、村の中や周辺は安全だが、村とテトラの往復が心配だから、少しでもいい武具を買っておきたい」

「ありがとうございます!」

「ただし! 今まで使っていた武器は、村共用の装備として寄付してもらうよ」

「もちろんです! 新人の子供達が使えるように、1階の倉庫で管理させていただきます」

「ああ、そうしてくれ。お前達もそうだが、子供達も直ぐ成長するだろうから、成長に合わせて装備を替えられる共用武器は大切だからな」

「はい、ありがとうございます! 御師匠様のお陰でレベルか上がり、慎重が伸び筋肉もついて、身体がどんどん大きくなってきました。正直今までの装備だと窮屈だったのです」

「ああ、それは分かっていたよ。今日は1班と7班がテトラに行くから、自分達の装備を新調してくれ。そして今まで使っていた装備は、共用装備として新人達に貸し与えてもらう」

「「「「「はい!」」」」」

訓練前の訓示と言うかミーティングと言うか、今後の方針と今日の予定を話していたのだが、見習達の成長がひと目で分かるほど、今までの装備がいかにも窮屈だった。彼らに新しい装備を購入するのは当然だったのだが、いらなくなった装備の処分を考えれば、新人達に貸し与える方がいいと思った。そして新人達が最低限必要な装備を整えるのなら、彼らを見習達に預けて世話をさせようと思い至ったのだ。

村の城壁兼用住居の部屋は4人部屋だから、今は1班で1人分、他の班で2人分ベットが空いている。その人数分の年長新人を見習の班に預けて、マンツーマンで教育させるのだ。自分達がレベルを上げるのに必死で、新人を教育するなど思いもよらなかっただろうが、新人を教育する事で、今まで自分達を教育してくれていた冒険者の苦労も分かるだろう。

確かにテトラ冒険者ギルドの見習待遇は最悪だったが、それでも見習いを抱えて教えながら狩りをするのは大変なのだ。それは理解しておいて欲しいし、新人を教育する事で自分達の至らない点も分かるようになる。

今の見習達には荷が重いかもしれないが、御神木が的確な指示と支援をしてくれるから、俺も安心して重責を任せることができる。何といってもセイと御神木はつながっているから、俺とつながっているのと同じだ。どれほど遠く離れていても、即座に助言したり叱責したりしてやれる。

「ローザ、後は任せたぞ」

「はい! 御神木様の御指示に従い、無理せず鍛錬させていただきます」

「ではイルオン、テトラ行きの指揮をとれ」

「はい!、1班7班続け」

「「「「「おう!」」」」」

俺は見習村の指揮をローザと御神木に任せて、イルオンと共にテトラに行って買い物をする事にした。見習達の装備を整えるには、テトラ冒険者ギルドの購買部門か、街の中にある商店で購入するしかない。

そうそう、見習達の班編成だが、新人を加えるに当たり班のナンバーを入れ替えることにした。成長著しいイルオンが総指揮を執るのは当然なのだが、拠点が村とテトラの2カ所にある以上、班長の中から副総指揮官を任命しなければならない。

当初素質を感じていたように、2班班長ローザと3班班長ジェミニがよく成長してくれている。番号を無視して順番を決める方法もあるのだが、分かり易いのは番号順の当番制だ。それに2班合同作戦を取る場合も、となり合う番号を組ませる方が分かり易い。そこで2班と5班のナンバーを入れ替えて、イルオンがいない拠点は、ローザかジェミニが指揮官になるようにしたのだ。まあ今回はローザもジェミニもテトラにいるから、俺達が戻るまではケインに指揮を執ってもらわなければならないが、御神木がいるから大丈夫だろう。





「これはこれはミノル様、何か御用でしょうか?」

「この子達の新しい装備を買い揃えたいのだが、見せてもらえるかな」

「はいはいはい、どうぞどうぞどうぞ、ご自由に見て下さいませ」

ギルド購買部の職員はとても低姿勢だった!

上目遣いで怯えるように俺の顔色を窺う職員には、少々苛立ちを覚えてしまう。だがここ最近の、俺自身のギルド内での言動を思い起こせば、仕方のない事なんだろう。少々反省しながらイルオン達の買い物を見ていたが、うれしそうにしながらも値段を気にする素振りが見える。

「値段は気にするな、今後も成長して使い勝手が悪くなったら新しい武器に買い替えてもらうが、その時にはこれから買う武器は共用武器にしてもらう。だから何の心配もせず、欲しい武器を買えばいい。ああ、ただし自分にあった物だぞ、見栄えが立派だからとか、綺麗だから欲しいと言うのは無しだぞ」

「「「「「はい! ありがとうございます」」」」」

(セイ、リサーチは終わったか?)

(ああ終わったよ、ミノルはどうだ)

(ああ終わった、だが掘り出し物はないな)

(当然であろう、冒険者ギルドが鑑定して販売しているんだ、街の商店より割高だが保証された物ばかりだ)

(不良品を高値で売っていないか心配だったが、それもないな)

(いろいろ問題のあるギルドではあるが、生きるのが厳しいこの世界では仕方のない所だ)

(そうなのか!? セイがそう言うのならそうなんだろうな)

(まずはここで基本の装備を買ってやれ、その後で街の武具屋を巡って掘り出し物を探せばいい)

(そうだな、俺とセイがリサーチで調べて回れば、ここよりは割安で買う事が出来るだろうし、掘り出し物を見つけることが出来るかもしれないな)

(そんなにいい武器が欲しいなら、ゲルマン帝国を滅ぼした時に回収した武器を調べればよかろう。とんでもないレベルの武具が、アイテムボックスにゴロゴロと死蔵されているぞ)

(そうなのか!? う~ん、だがそれは止めておこう)

(なんでだ? ミノルは見習達に甘いと思ったのだが)

(いや、流石に伝説の魔剣や宝剣を与えるのはやり過ぎだろう)

(では名剣程度にしておけばよかろう)

(う~ん、う~ん、それも駄目な気がする)

(ミノルの基準は分からんな)

(俺も自分で分からんよ、だが自分で武具を見立てて購入するのが大切だと思うんだ)

(そうか、そうだな、リサーチで調べることが出来る者など殆どおらんからな)

(ああ、1つ1つ経験していく必要があると思うんだ)

(その資金をミノルに出してもらえるんだ、幸運な奴らだな)

(縁だよ)

「御師匠様、全員選ばせていただきました」

「そうか、支払いを済ませるから部屋に戻っていてくれ」

「「「「「はい、ありがとうございます!」」」」」



「新見習パーティー編成」
1班:8人「イルオン」
2班:6人「ケイン」
3班:6人「ジェミニ」
4班:6人「ベルク」
5班:6人「ローザ」
6班:6人「アベル」
7班:8人「ミール」
合計:43人

見習い未満の新人:46人


          

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