初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第96話ハム・ベーコン・ソーセージ
朝食を食べ終えた俺は、さっきの反省からハム・ベーコンとソーセージ・ウィンナーを作ることにした。
「白虎、美味しい料理を作るから、作り方を覚えておいてくれ」
「え~、これからも主が作ってくれよ~」
「おいおいおい、俺がいつ死ぬか分からないし、元の世界に戻るかもしれないんだぞ」
「ミノル、我とデュオである限り死ぬことはないし、元の世界にも戻る訳にもいかないぞ」
「デュオが解消される可能は皆無じゃないだろ」
「確かに絶対はないかもしれんが、我から解消する事はないし、どうしてもミノルが解消するとしても、我にもミノルにも命にかかわる負担が有るぞ?」
「今は命懸けで解消しようと言う気はないが、将来の事は分からないからな」
「分かったよ主、見て真似するよ」
「まずはオープレイ、ジャイアント・レッドベアーのバラ肉の塊に塩を掏りこんでくれ、塩は肉の塊の2%だ」
「塩の量は適当でいいか?」
「ああ、大体でいいよ。そうだ、オークやコボルトもベーコンにすればいいよ」
「分かった、やってみる」
「塩を掏りこんだ肉は冷所で保管するから、冷暗所をこの場所の地下に作ろう。それと塩漬け期間は7日だ」
「え~! そんなにかかるのか?!」
「直ぐに食べれる物も作るから、取りあえずこれだけでも覚えてくれ」
「分かったよ、主」
「次にソミュール液を作る」
「何だそのソミュール液とは?」
「大量の水を用意し、その水の8%の塩、3%の砂糖、ローリエ、ジュニパーベリー、黒胡椒、コリアンダー、ナツメグをお適当に用意して、水に入れて沸騰させる」
「待ってくれ、砂糖の後が分からんぞ主」
「見て覚えてくれればいい、量も多ければ風味が強くなるし少なければ弱くなる、そんなに気にしなくていい」
「そうか、適当は大好きだ」
「これがソミュール液で、沸騰させてから自然に冷やすんだが、冷めたらロース肉・肩ロース肉・モモ肉などの塊を液に漬けこむ」
「具体的にはどうするんだ?」
「冷暗所にソミュール液を満たしたプールを入れて、その中に肉の塊を放り込んで落し蓋をする」
「ふ~ん、豪快なんだな」
「白虎やリュウに食べてもらう分だからな、大きさも作り方も豪快さ。ソミュール液が冷めるまで、他の事をするぞ」
「分かった、だがバラ肉を風魔法で塩塗ししているのは続けるのか?」
「俺と同じように続けてくれ、セイもやってるだろ」
「分かった主」
「ああ、ソミュール液に漬け込まず、ベーコンと同じように2%の塩を掏りこむハムも美味しいから、試しに作っておこう」
「ロース肉・肩ロース肉・モモ肉も塩を掏りこむんだな」
「ああ、そうしてくれ、次行くぞ」
「分かった主」
「以前に水洗いして綺麗にしておいた、オープレイ、ジャイアント・レッドベアーなんかの小腸を、もう1度念のため洗っておくぞ」
「またかよ」
「まただよ、小腸の長さと太さで食べ応えが変わるから、今まで狩った獲物の小腸は全部洗えよ」
「そんなに変わるのか?」
「変わるぞ、美味しさが全然違ってくるぞ!」
「分かった主、それなら頑張る」
「セイも頼むぞ」
「仕方ないな、だが余り多くのことを同時にやるより、1つか2つに絞ってはどうだ?」
「出来るだけ早く下ごしらえは終わらせたいんだが、まあしかたないな、白虎、集中できないようなら塩漬けは止めてもいいぞ」
「分かった、そうする」
「各種の獲物のすね肉などの硬くて筋の多い部位と脂身を、俺が手本に示した程度に切り刻んでくれ」
俺は風魔法を駆使して、オープレイの筋肉や脂身をフードプロセッサーにかけた程度のミンチにする。俺のやり方を真似て、セイも白虎もミンチ状にしてくれた。
「冷却魔法で冷やしながらしないと、肉質が変質して不味くなるから、8度くらいに冷やしながら混ぜてエマルジョン状にしてくれ」
「8度もエマルジョン状も分からんぞ主」
「俺と同じようにしてくれればいいよ」
「分かった」
セイも白虎も魔力量が半端なく多いし、魔法の習熟度も恐ろしく巧みだ。俺が出来る事など簡単に真似できるから、俺の方が先に肉塊への塩掏りこみを中止してしまった。
「ああ、コイツも一緒に混ぜてくれ、こいつも肉の量の2%程度だ」
俺は手早く塩と粗びき黒胡椒、各種スパイスを粗びきした物をドローン配送させた。
「全部入れるのか?」
「全部でも好いし、塩と1つづつ組み合わせてもいい。自分の好きな組み合わせを見つけるのも楽しいぞ」
「そうか? ならやってみる」
本当に風魔法は便利で、肉を切り刻むのもエマルジョン状にするのも、何の道具も無しに出来る。
地球では豚や牛だけでなく、馬・鹿・鶏・羊のソーセージもあれば、豚と牛の合いびき肉のソーセージある。今回は合い挽きすると美味しくなるのか不味くなるのか分からないので、単独の獲物だけでソーセージを作ることにした。
そうそう、ソーセージとウィンナーの違いだが、昔はウインナーソーセージは羊の腸に詰めたもの、フランクフルトソーセージは豚の腸に詰めたもの、ボロニアソーセージは牛の腸に詰めたものだった。だが俺がこちらに来る前には、人工ケーシングに詰められるようになり、太さが直径20mm未満の人工ケーシングに詰めたものをウインナー、20mm以上36mm未満の人工ケーシングに詰めたものをフランクフルト、36mm以上の人工ケーシングにつめたものをボロニアソーセージとなっていた。
「そうだ、血と肉を混ぜて小腸に詰めたソーセージも美味しいそうだぞ、もっとも俺は食べた事無いし、食べたいとも思わないけど」
「なに?! 確かに血は舐めたら美味しいからな、どれくらい混ぜたらいいんだ?」
「う~ん、好みだと思ううぞ。血だけを小腸に詰めてもいいし、塩や香辛料を混ぜてもいい。肉や脂を1つづつ混ぜるのも、2つとも混ぜるのもいいんじゃないか。とにかく自分の好みを見つけるのに、色々試したみろよ」
「わかった、試してみる」
「そうそう、血に小麦粉や米粉を混ぜて小腸に詰めるソーセージも多いぞ」
「え~、肉は肉だけでいいよ、小麦粉や米粉なんて混ぜたくないよ」
「分かった分かった、本当に穀物も野菜も嫌いなんだな」
「俺たち白虎族は肉食なんだよ」
「それと、心臓・肝臓・肺などのホルモンをミンチにしてソーセージにする料理もあるぞ」
「ホルモンは美味しいからな、さっそく作ろうや主」
「そうだな」
俺達は莫大な量の獲物をソーセージにして行ったが、ジャイアント・レッドベアーの小腸は余りに太く長すぎるので、リュウ専用になってしまうだろう。だから1本作って止めて、他の獲物の小腸を使う事にした。
「なあ主、味見して好いか?」
「そうだな、いい加減腹が減って来たな、いいだろう」
「どうやって喰うんだ? 生でも美味しいのか?」
「大丈夫だろうけど、俺の故郷の料理が食べたければ調理したほうがいいぞ」
「そうだな、そうするよ主」
「鉄板で生のまま焼いたら、皮に使った小腸が破れてしまうから、鉄板で焼かずに網に乗せて焼いた方がいい。」
「風魔法で浮かせて焼けばいいのか?」
「そうだな、だが風魔法で浮かせたら、火の熱が届かないんじゃないのか?」
「上から火魔法で焼くか?」
「そうだな、試してみよう」
「ミャウ! ミャウミャウミャウ!」
「悪い悪い、焼きあがったら起こしてあげるつもりだったんだよ」
食べる準備を始めた気配を感じたのか、食後のオネムをしていたアグネスが少し怒りながら起き出してきた。
「ミャウミャウ」
焼き上がったソーセージを前に出してあげたら、うれしそうに食べてくれた!
これは腕によりをかけて、各種のソーセージを焼きあげてあげねばならぬ!
「白虎、美味しい料理を作るから、作り方を覚えておいてくれ」
「え~、これからも主が作ってくれよ~」
「おいおいおい、俺がいつ死ぬか分からないし、元の世界に戻るかもしれないんだぞ」
「ミノル、我とデュオである限り死ぬことはないし、元の世界にも戻る訳にもいかないぞ」
「デュオが解消される可能は皆無じゃないだろ」
「確かに絶対はないかもしれんが、我から解消する事はないし、どうしてもミノルが解消するとしても、我にもミノルにも命にかかわる負担が有るぞ?」
「今は命懸けで解消しようと言う気はないが、将来の事は分からないからな」
「分かったよ主、見て真似するよ」
「まずはオープレイ、ジャイアント・レッドベアーのバラ肉の塊に塩を掏りこんでくれ、塩は肉の塊の2%だ」
「塩の量は適当でいいか?」
「ああ、大体でいいよ。そうだ、オークやコボルトもベーコンにすればいいよ」
「分かった、やってみる」
「塩を掏りこんだ肉は冷所で保管するから、冷暗所をこの場所の地下に作ろう。それと塩漬け期間は7日だ」
「え~! そんなにかかるのか?!」
「直ぐに食べれる物も作るから、取りあえずこれだけでも覚えてくれ」
「分かったよ、主」
「次にソミュール液を作る」
「何だそのソミュール液とは?」
「大量の水を用意し、その水の8%の塩、3%の砂糖、ローリエ、ジュニパーベリー、黒胡椒、コリアンダー、ナツメグをお適当に用意して、水に入れて沸騰させる」
「待ってくれ、砂糖の後が分からんぞ主」
「見て覚えてくれればいい、量も多ければ風味が強くなるし少なければ弱くなる、そんなに気にしなくていい」
「そうか、適当は大好きだ」
「これがソミュール液で、沸騰させてから自然に冷やすんだが、冷めたらロース肉・肩ロース肉・モモ肉などの塊を液に漬けこむ」
「具体的にはどうするんだ?」
「冷暗所にソミュール液を満たしたプールを入れて、その中に肉の塊を放り込んで落し蓋をする」
「ふ~ん、豪快なんだな」
「白虎やリュウに食べてもらう分だからな、大きさも作り方も豪快さ。ソミュール液が冷めるまで、他の事をするぞ」
「分かった、だがバラ肉を風魔法で塩塗ししているのは続けるのか?」
「俺と同じように続けてくれ、セイもやってるだろ」
「分かった主」
「ああ、ソミュール液に漬け込まず、ベーコンと同じように2%の塩を掏りこむハムも美味しいから、試しに作っておこう」
「ロース肉・肩ロース肉・モモ肉も塩を掏りこむんだな」
「ああ、そうしてくれ、次行くぞ」
「分かった主」
「以前に水洗いして綺麗にしておいた、オープレイ、ジャイアント・レッドベアーなんかの小腸を、もう1度念のため洗っておくぞ」
「またかよ」
「まただよ、小腸の長さと太さで食べ応えが変わるから、今まで狩った獲物の小腸は全部洗えよ」
「そんなに変わるのか?」
「変わるぞ、美味しさが全然違ってくるぞ!」
「分かった主、それなら頑張る」
「セイも頼むぞ」
「仕方ないな、だが余り多くのことを同時にやるより、1つか2つに絞ってはどうだ?」
「出来るだけ早く下ごしらえは終わらせたいんだが、まあしかたないな、白虎、集中できないようなら塩漬けは止めてもいいぞ」
「分かった、そうする」
「各種の獲物のすね肉などの硬くて筋の多い部位と脂身を、俺が手本に示した程度に切り刻んでくれ」
俺は風魔法を駆使して、オープレイの筋肉や脂身をフードプロセッサーにかけた程度のミンチにする。俺のやり方を真似て、セイも白虎もミンチ状にしてくれた。
「冷却魔法で冷やしながらしないと、肉質が変質して不味くなるから、8度くらいに冷やしながら混ぜてエマルジョン状にしてくれ」
「8度もエマルジョン状も分からんぞ主」
「俺と同じようにしてくれればいいよ」
「分かった」
セイも白虎も魔力量が半端なく多いし、魔法の習熟度も恐ろしく巧みだ。俺が出来る事など簡単に真似できるから、俺の方が先に肉塊への塩掏りこみを中止してしまった。
「ああ、コイツも一緒に混ぜてくれ、こいつも肉の量の2%程度だ」
俺は手早く塩と粗びき黒胡椒、各種スパイスを粗びきした物をドローン配送させた。
「全部入れるのか?」
「全部でも好いし、塩と1つづつ組み合わせてもいい。自分の好きな組み合わせを見つけるのも楽しいぞ」
「そうか? ならやってみる」
本当に風魔法は便利で、肉を切り刻むのもエマルジョン状にするのも、何の道具も無しに出来る。
地球では豚や牛だけでなく、馬・鹿・鶏・羊のソーセージもあれば、豚と牛の合いびき肉のソーセージある。今回は合い挽きすると美味しくなるのか不味くなるのか分からないので、単独の獲物だけでソーセージを作ることにした。
そうそう、ソーセージとウィンナーの違いだが、昔はウインナーソーセージは羊の腸に詰めたもの、フランクフルトソーセージは豚の腸に詰めたもの、ボロニアソーセージは牛の腸に詰めたものだった。だが俺がこちらに来る前には、人工ケーシングに詰められるようになり、太さが直径20mm未満の人工ケーシングに詰めたものをウインナー、20mm以上36mm未満の人工ケーシングに詰めたものをフランクフルト、36mm以上の人工ケーシングにつめたものをボロニアソーセージとなっていた。
「そうだ、血と肉を混ぜて小腸に詰めたソーセージも美味しいそうだぞ、もっとも俺は食べた事無いし、食べたいとも思わないけど」
「なに?! 確かに血は舐めたら美味しいからな、どれくらい混ぜたらいいんだ?」
「う~ん、好みだと思ううぞ。血だけを小腸に詰めてもいいし、塩や香辛料を混ぜてもいい。肉や脂を1つづつ混ぜるのも、2つとも混ぜるのもいいんじゃないか。とにかく自分の好みを見つけるのに、色々試したみろよ」
「わかった、試してみる」
「そうそう、血に小麦粉や米粉を混ぜて小腸に詰めるソーセージも多いぞ」
「え~、肉は肉だけでいいよ、小麦粉や米粉なんて混ぜたくないよ」
「分かった分かった、本当に穀物も野菜も嫌いなんだな」
「俺たち白虎族は肉食なんだよ」
「それと、心臓・肝臓・肺などのホルモンをミンチにしてソーセージにする料理もあるぞ」
「ホルモンは美味しいからな、さっそく作ろうや主」
「そうだな」
俺達は莫大な量の獲物をソーセージにして行ったが、ジャイアント・レッドベアーの小腸は余りに太く長すぎるので、リュウ専用になってしまうだろう。だから1本作って止めて、他の獲物の小腸を使う事にした。
「なあ主、味見して好いか?」
「そうだな、いい加減腹が減って来たな、いいだろう」
「どうやって喰うんだ? 生でも美味しいのか?」
「大丈夫だろうけど、俺の故郷の料理が食べたければ調理したほうがいいぞ」
「そうだな、そうするよ主」
「鉄板で生のまま焼いたら、皮に使った小腸が破れてしまうから、鉄板で焼かずに網に乗せて焼いた方がいい。」
「風魔法で浮かせて焼けばいいのか?」
「そうだな、だが風魔法で浮かせたら、火の熱が届かないんじゃないのか?」
「上から火魔法で焼くか?」
「そうだな、試してみよう」
「ミャウ! ミャウミャウミャウ!」
「悪い悪い、焼きあがったら起こしてあげるつもりだったんだよ」
食べる準備を始めた気配を感じたのか、食後のオネムをしていたアグネスが少し怒りながら起き出してきた。
「ミャウミャウ」
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