初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第64話ワニ料理
「さて、飯にしようか?」
「「「「「はい!」」」」」
育ち盛りでいつもお腹を空かせている見習達は、直ぐにでも食べたいようなんだが・・・・・
「アナコンダの肉は硬くて、美味しく食べるには5・6時間煮込まないといけないんだよな」
「「「「「え?」」」」」
まあ当然の反応だろうな、となると淡白(たんぱく)だけど直ぐに食べれるワニを使うべきなんだが、俺とすればアナコンダを料理してみたいんだよね。
「だが皆が空腹なのは分かってる、ここは直ぐに食べれるワニにしよう」
「「「「「はい!」」」」」
「火を熾してくれ」
「「「「「はい!」」」」」
俺の言葉を受けて、見習達がめいめい料理の準備を始めたが、さすがに全員に仕事が有る訳じゃない。だから幼かったり料理が苦手だったりする者には、素材として売る事が出来ず、解体してもらえなかった鳥の羽をむしってもらう事にした。
さて、ワニをどう料理するかんだが、限られた調理道具と調味料では作れるレシピが限られてしまう。大量の油を必要とする揚げ物類は全て作れないし、醤油が使えないから照り焼きや煮物も無理だ。料理が好きで色々なレシピサイトを見ていた、特にゲテモノと言われる素材を使った料理を重点的に覚えたものだ。
ワニ肉は大きく分けると4つの部位に分けることが出来る。
テールフィレ肉 :尻尾の肉
ストリップロイン:背中の肉
ボンレス :腹肉と四肢の肉
手羽 :四肢の肉(前脚と後脚)
見習達に作らせたのは、葱のような野草と細切りにしたボンレスを炒めさせたものだ。脂肪の少ないワニ肉だが、腹肉周りのわずかな脂肪を炒める際に使って料理させてみた。
昨日多めに組み上げた竈石の平らな部分を使って、テールフィレ肉をステーキにしてみた。本当は香草塩に半日は漬け込みたいのだが、今は直ぐ食べれる事が最優先なので、塩と刻んだ香草を掏りこんでから焼いてみた。
次は手羽と呼ばれる四肢の肉なのだが、手から手首にかけては皮が残っていて少々グロテスクだが、この部分が美味しいと読んだことがある。テールフィレ肉と同じように、手の空いている見習いに刻んだ香草と塩を掏り込ませた。
この時点で見習達が食べるには十分な肉の下準備が出来たので、後は食べながら焼くことにした。
見習いに作らせた野草との炒め物を食べた感想は、食感は柔らかいのに歯ごたえがあり、淡白な味わいだが俺に好みの味だった。元々見た目が予想以上にきれいで鶏肉とほとんど変わらないし、食べても鶏肉にかなり近い。これなら鶏肉が美味しいレシピなら、ワニ肉を使っても美味しだろうと思う。
「俺に遠慮せずに食べろよ、俺は俺で食べたい物を食べたいように食べるからな」
「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
俺が率先して食べないと、見習達は遠慮して食べれない。本当なら一緒に食べない方がいいのだが、初めての食材であるワニ肉を料理する機会は逃したくないし、人間である見習達の率直な反応も見たかった。モンスターの白虎やリュウの反応は素直に信じる訳にはいかないし、地球の調味料を使った料理を異世界に持ち込むのもためらってしまう。
遠慮せずに、前脚を焼いた物を取った。
「俺は1本しか食べないから、残りは皆で分けて食べろよ」
「「「「「はい!」」」」」
手羽も鶏肉とほとんど変わらない味なのだが、プリプリとした食感がたまらなくいい!
掏りこんだ香草塩が思ったいた以上のいい仕事をしてくれたようで、口から鼻に抜ける香りがワニ肉の美味しさを更に引き立てる。香りはそこで終わる事無く、飲む込んで喉の奥を通る時にまで余韻を残してくれて最高だ!
愉しみにしていた皮に包まれた部分だが、厚い皮をはぎ取ると閉じ込められていた肉汁がトロトロと流れ出し、透明な肉汁にはゼラチン質の旨味がたっぷり含まれ、その味わい深さに感動さえ覚えてしまった!
そして真打ちとして最後に食べたのが、食べ易い大きさに切ったワニタンの香草塩焼きだが、食べてみて正直驚愕してしまった。
タン特有の食感と味だろうと思っていたのだが、焼いた表面はカリカリなのだが中がプリプリで、牛や豚のタンとは全然違うのだ。あえて鶏肉の部位で例えればボンジリだろう、俺が食べた中で1番近いとすれば、特上の豚トロだな。
ワニタンには見習達も食べてみて驚愕したようで、誰が2切れめ3切れめを食べるかけん制し合っている。師匠である俺が一緒だから遠慮していて争いにはならないが、食べ物の怨みは怖いと言うから、遺恨が残らないように今後も最初から人数分に分けた方がいいだろう。何といってもタンは1頭に1つしかないし、他の部位よりも量が少ないのだ。
まあ幼かったり実力が劣る者達は、最初から2切れめの争奪戦には加わらず、とにかく量を食べることに専念して、腹肉やボンレスの部分に殺到している。十分足りると思ったのだが、食べ盛りとは言え6m級のワニを食べ切るのか?
「足らないといけないから、ファングラットとホーンラビットを多めに置いて行くからな、明日の朝もしっかりと食べて準備を整えておくんだぞ」
「「「「「はい、御師匠様」」」」」
さて、アグネスと白虎の所に行きますか。
「「「「「はい!」」」」」
育ち盛りでいつもお腹を空かせている見習達は、直ぐにでも食べたいようなんだが・・・・・
「アナコンダの肉は硬くて、美味しく食べるには5・6時間煮込まないといけないんだよな」
「「「「「え?」」」」」
まあ当然の反応だろうな、となると淡白(たんぱく)だけど直ぐに食べれるワニを使うべきなんだが、俺とすればアナコンダを料理してみたいんだよね。
「だが皆が空腹なのは分かってる、ここは直ぐに食べれるワニにしよう」
「「「「「はい!」」」」」
「火を熾してくれ」
「「「「「はい!」」」」」
俺の言葉を受けて、見習達がめいめい料理の準備を始めたが、さすがに全員に仕事が有る訳じゃない。だから幼かったり料理が苦手だったりする者には、素材として売る事が出来ず、解体してもらえなかった鳥の羽をむしってもらう事にした。
さて、ワニをどう料理するかんだが、限られた調理道具と調味料では作れるレシピが限られてしまう。大量の油を必要とする揚げ物類は全て作れないし、醤油が使えないから照り焼きや煮物も無理だ。料理が好きで色々なレシピサイトを見ていた、特にゲテモノと言われる素材を使った料理を重点的に覚えたものだ。
ワニ肉は大きく分けると4つの部位に分けることが出来る。
テールフィレ肉 :尻尾の肉
ストリップロイン:背中の肉
ボンレス :腹肉と四肢の肉
手羽 :四肢の肉(前脚と後脚)
見習達に作らせたのは、葱のような野草と細切りにしたボンレスを炒めさせたものだ。脂肪の少ないワニ肉だが、腹肉周りのわずかな脂肪を炒める際に使って料理させてみた。
昨日多めに組み上げた竈石の平らな部分を使って、テールフィレ肉をステーキにしてみた。本当は香草塩に半日は漬け込みたいのだが、今は直ぐ食べれる事が最優先なので、塩と刻んだ香草を掏りこんでから焼いてみた。
次は手羽と呼ばれる四肢の肉なのだが、手から手首にかけては皮が残っていて少々グロテスクだが、この部分が美味しいと読んだことがある。テールフィレ肉と同じように、手の空いている見習いに刻んだ香草と塩を掏り込ませた。
この時点で見習達が食べるには十分な肉の下準備が出来たので、後は食べながら焼くことにした。
見習いに作らせた野草との炒め物を食べた感想は、食感は柔らかいのに歯ごたえがあり、淡白な味わいだが俺に好みの味だった。元々見た目が予想以上にきれいで鶏肉とほとんど変わらないし、食べても鶏肉にかなり近い。これなら鶏肉が美味しいレシピなら、ワニ肉を使っても美味しだろうと思う。
「俺に遠慮せずに食べろよ、俺は俺で食べたい物を食べたいように食べるからな」
「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
俺が率先して食べないと、見習達は遠慮して食べれない。本当なら一緒に食べない方がいいのだが、初めての食材であるワニ肉を料理する機会は逃したくないし、人間である見習達の率直な反応も見たかった。モンスターの白虎やリュウの反応は素直に信じる訳にはいかないし、地球の調味料を使った料理を異世界に持ち込むのもためらってしまう。
遠慮せずに、前脚を焼いた物を取った。
「俺は1本しか食べないから、残りは皆で分けて食べろよ」
「「「「「はい!」」」」」
手羽も鶏肉とほとんど変わらない味なのだが、プリプリとした食感がたまらなくいい!
掏りこんだ香草塩が思ったいた以上のいい仕事をしてくれたようで、口から鼻に抜ける香りがワニ肉の美味しさを更に引き立てる。香りはそこで終わる事無く、飲む込んで喉の奥を通る時にまで余韻を残してくれて最高だ!
愉しみにしていた皮に包まれた部分だが、厚い皮をはぎ取ると閉じ込められていた肉汁がトロトロと流れ出し、透明な肉汁にはゼラチン質の旨味がたっぷり含まれ、その味わい深さに感動さえ覚えてしまった!
そして真打ちとして最後に食べたのが、食べ易い大きさに切ったワニタンの香草塩焼きだが、食べてみて正直驚愕してしまった。
タン特有の食感と味だろうと思っていたのだが、焼いた表面はカリカリなのだが中がプリプリで、牛や豚のタンとは全然違うのだ。あえて鶏肉の部位で例えればボンジリだろう、俺が食べた中で1番近いとすれば、特上の豚トロだな。
ワニタンには見習達も食べてみて驚愕したようで、誰が2切れめ3切れめを食べるかけん制し合っている。師匠である俺が一緒だから遠慮していて争いにはならないが、食べ物の怨みは怖いと言うから、遺恨が残らないように今後も最初から人数分に分けた方がいいだろう。何といってもタンは1頭に1つしかないし、他の部位よりも量が少ないのだ。
まあ幼かったり実力が劣る者達は、最初から2切れめの争奪戦には加わらず、とにかく量を食べることに専念して、腹肉やボンレスの部分に殺到している。十分足りると思ったのだが、食べ盛りとは言え6m級のワニを食べ切るのか?
「足らないといけないから、ファングラットとホーンラビットを多めに置いて行くからな、明日の朝もしっかりと食べて準備を整えておくんだぞ」
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さて、アグネスと白虎の所に行きますか。
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