初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!
第61話6m級アナコンダ
「イルオン、アナコンダは美味しい獲物なんだね?」
「はい、御師匠様、アナコンダは食べてももちろん美味しいのですが、皮が良質で高く売れます。」
「今回のアナコンダも高く売れるんだね?」
「はい、でも高く売る為なら、僕達の訓練相手にして皮に傷をつけないようにした方がいいです」
「なるほどね、パラライズで麻痺させて、一撃で頭を砕いて殺した方が品質が低下しないんだね」
「はい、それに止めさえ刺させて頂ければ経験値は手に入ります」
「確かにそうだね、でもそうしてしまうと、パーティーの連携を実戦訓練すると言う訳にはいかないし、死の緊張感を感じながら訓練出来なくなるね」
「はい」
「俺は食料さえ確保出来ればいいし、君達には目先の御金より経験値が大切だと思う、ここは危険になるまで極力自分達で狩ってもらおう。命の危険があると判断したら、即座に支援するから、出来る限り戦いなさい」
「ありがとうございます、御師匠様」
10m級のアナコンダを仕留めた後、近づく前から存在が分かっていた、6m・180kg級のアナコンダ22頭を順番に確認した。この周辺に群棲(ぐんせい)しているのだろうアナコンダ達を、見習達の練習相手に選んで交代で戦わせた。
実戦経験のほとんどない見習達には、6m級と言えどもアナコンダは強敵だった。1人が噛み付かれ絞め殺されそうになるたびに、パラライズの魔法を掛けて支援して訓練終了とする。最後は公平に止めを刺した事の無い者を選んで仕留めさせた。
だが天性の才能だろうか?
イルオン、ローザ、ジェミニ等は、パーティーメンバーに的確な指示を与え、上手くアナコンダの注意を反らして会心の一撃を頭部に加えて仕留めると言う快挙を成し遂げた。中級冒険者以上なら簡単な事なのだろうが、初級どころか見習いでしかない彼らにとったら、自慢したくなるような成果なんだそうだ。
セイの御蔭で圧倒的な力を手に入れ、この世界に来てから苦労や危険など無縁の生活なので、彼らの喜びに輝いた姿が少々眼に眩(まぶ)しい。
純真無垢(じゅんしんむく)とまでは言わないが、努力を重ねて少しづつ力をつけ、目標を達成していく姿を見ていると、胸の中でズキズキと痛むものがある。理不尽なまでの、運不運と言うのか運命と言うのか分からないが、俺と彼らの力の差に良心が疼(うず)いた。
(ミノル、こればかりは仕方がないのだ、天命と言うべきか運命と言うべきかは我にも分からないが、ミノルが選ばれたのだ。ミノルはその力の使い方を間違わないようにすればいいのだ)
そうだな、それしかないのだな!
(ほれ、もう少し行ったところにも彼らに丁度いい獲物がいるぞ)
「次の獲物を狩りに行く、油断する事無く索敵に全力を注げ!」
「「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
「はい、御師匠様、アナコンダは食べてももちろん美味しいのですが、皮が良質で高く売れます。」
「今回のアナコンダも高く売れるんだね?」
「はい、でも高く売る為なら、僕達の訓練相手にして皮に傷をつけないようにした方がいいです」
「なるほどね、パラライズで麻痺させて、一撃で頭を砕いて殺した方が品質が低下しないんだね」
「はい、それに止めさえ刺させて頂ければ経験値は手に入ります」
「確かにそうだね、でもそうしてしまうと、パーティーの連携を実戦訓練すると言う訳にはいかないし、死の緊張感を感じながら訓練出来なくなるね」
「はい」
「俺は食料さえ確保出来ればいいし、君達には目先の御金より経験値が大切だと思う、ここは危険になるまで極力自分達で狩ってもらおう。命の危険があると判断したら、即座に支援するから、出来る限り戦いなさい」
「ありがとうございます、御師匠様」
10m級のアナコンダを仕留めた後、近づく前から存在が分かっていた、6m・180kg級のアナコンダ22頭を順番に確認した。この周辺に群棲(ぐんせい)しているのだろうアナコンダ達を、見習達の練習相手に選んで交代で戦わせた。
実戦経験のほとんどない見習達には、6m級と言えどもアナコンダは強敵だった。1人が噛み付かれ絞め殺されそうになるたびに、パラライズの魔法を掛けて支援して訓練終了とする。最後は公平に止めを刺した事の無い者を選んで仕留めさせた。
だが天性の才能だろうか?
イルオン、ローザ、ジェミニ等は、パーティーメンバーに的確な指示を与え、上手くアナコンダの注意を反らして会心の一撃を頭部に加えて仕留めると言う快挙を成し遂げた。中級冒険者以上なら簡単な事なのだろうが、初級どころか見習いでしかない彼らにとったら、自慢したくなるような成果なんだそうだ。
セイの御蔭で圧倒的な力を手に入れ、この世界に来てから苦労や危険など無縁の生活なので、彼らの喜びに輝いた姿が少々眼に眩(まぶ)しい。
純真無垢(じゅんしんむく)とまでは言わないが、努力を重ねて少しづつ力をつけ、目標を達成していく姿を見ていると、胸の中でズキズキと痛むものがある。理不尽なまでの、運不運と言うのか運命と言うのか分からないが、俺と彼らの力の差に良心が疼(うず)いた。
(ミノル、こればかりは仕方がないのだ、天命と言うべきか運命と言うべきかは我にも分からないが、ミノルが選ばれたのだ。ミノルはその力の使い方を間違わないようにすればいいのだ)
そうだな、それしかないのだな!
(ほれ、もう少し行ったところにも彼らに丁度いい獲物がいるぞ)
「次の獲物を狩りに行く、油断する事無く索敵に全力を注げ!」
「「「「「「はい、御師匠様!」」」」」
「初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
《完結》腐敗した世界の空で、世界最強のドラゴンは、3人の少女を竜騎士に育てます。
-
11
-
-
祖国奪還
-
5
-
-
養父母に家族共々謀殺されましたが、死に戻れたので復讐します。
-
4
-
-
第十六王子の建国記
-
3
-
-
悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
-
8
-
-
錬金術師のなかなかスローライフにならない日々
-
13
-
-
バッドエンドは全力でぶち壊す!
-
10
-
-
聖女(笑)だそうですよ
-
11
-
-
死に損ないの私は孤独なネクロマンサーに拾われる
-
3
-
-
イリアス・フォルトナー雑貨店の営業日誌
-
3
-
-
箱庭の魔王様は最強無敵でバトル好きだけど配下の力で破滅の勇者を倒したい!
-
3
-
-
circulation ふわふわ砂糖菓子と巡る幸せのお話
-
2
-
-
勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
-
18
-
-
霊能者、異世界を征く!~奴隷からの出発、魂の能力継いで下剋上。
-
3
-
-
居候人は冒険者で店員さん
-
3
-
-
プロレスラー、異世界で最強無敵の剣闘士に転生する!
-
2
-
-
念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。
-
3
-
-
公爵令嬢は身分違いでも幼馴染の守護騎士と結婚したくて婚約破棄を画策する。
-
6
-
-
魔王娘の護衛に配属された!??
-
6
-
-
アルケミストの恋愛事情
-
10
-
コメント