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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第60話レベル上げ

「今から郊外に向かって索敵しながら狩りを続けるけど、途中で出くわした鳥は無差別にパラライズの魔法を掛けるから、皆は回収してくれ。ただし俺の事を妄信(もうしん)する事無く、常に周囲の警戒を怠らないように」

「「「「「「はい、御師匠様」」」」」

昼食を食べながら、適当な魔獣やモンスターがいないか索敵魔法を使って調べてみたら、現在地点より30分から1時間の範囲にポツポツと魔獣の反応があった。魔獣の強さも見習達のレベル上げには丁度よかったので、そちらに向かう事にしたのだけど、途中で嫌でもたくさんの鳥と遭遇するので、そいつらもついでに狩る事にした。

「ジェミニ! 真剣に索敵しろ!」

「はい! すみません御師匠様」

「ムクドリを仕留めたから回収しろ」

「はい、御師匠様」

見習達の総数は43人もいるから、常に全員に経験を積ませるのは不可能だ。だからと言って遊ばせていると、彼らの貴重な時間を浪費させてしまう事になり、彼ら自身のやる気を削いでしまう可能性が高い。だからこそ、小鳥であろうが烏(カラス)であろうが、眼につけばパラライズを掛けて地に落とし、見習達に回収させるようにした。

もちろん食べられるキノコや野草も採取させたし、冒険者ギルドに帰った後で使う薪も集めさせている。俺のアイテムボックスに入れれば重くもなく嵩張(かさば)りもしないのだが、自分達だけでパーティーを組んだ場合の訓練を兼ねているから、各自に持たせて運ばせた。

「ローザ、そろそろ魔獣と遭遇する、一旦俺の後方につけ」

「はい、御師匠様」

今前衛として索敵任務をこなしているのは、ローザが指揮する女性だけで編成されている班だ。彼女達には、女性依頼者の護衛が出来るパーティーになってもらいたい。そうなれば、安定した仕事が出来るようになると思うのだ。どんな世界であろうと、人間は男と女がほぼ同数存在するのだから、女性の護衛依頼も潜在的な需要があると思うのだ。

そんな事を考えながら先頭を歩いていると、セイが的確な助言をしてくれた。

(ミノル、ノーマル種のアナコンダだが結構大きい、ローザ達に実戦訓練として少し戦わせてやれ)

「ローザ、アナコンダがいる。危なくなったらパラライズで麻痺させてやるから、安心して戦ってみろ」

「はい! ありがとうございます、御師匠様」

セイの言ったように、アナコンダと呼ばれる体長10mはあろうかと言う蛇型の魔獣がいた。地球に住んでいるアナコンダと同じように、体色は暗い茶色で背中には2列に楕円形の黒い斑点があり、体の両側には小さな白い斑点が並んでいて、腹部は白っぽく黒の斑点がある。

ローザのパーティーは、全員レベルも低く碌な装備も武器もないのだが、それでも少しでも素早い者がアナコンダを牽制して注意を引き、攻撃力のある者が側面から頭に攻撃を加える。

正面・左・右に2人1組で別れ、1人が牽制1人が攻撃に集中する。さらに3組に分かれてアナコンダの注意を分散させて、少しでも有利に戦えるように心がけていた。

「パラライズ!」

10分ほど注意深く戦っていたローザパーティーだったが、少しづつ傷つけられたアナコンダが業を煮やし、巻き付いて絞め殺してから飲み込むのではなく、一気に飲み込もうとパーティーメンバーの1人に頭から噛み付いたのだ。

この時点で危険と判断したので、パラライズの魔法を掛けて練習戦は終了とした。止めを刺す役目は、常に手を抜く事無く全力で俺の指示に従ってくれるローザに与えた。皆いい子でよく頑張っているのだが、やはりつい手を抜いて楽をしてしまうのは人間の性(さが)と言うものだろう。

ローザが止めを刺したアナコンダの全長は10・3mと大きく、体重も411kgと地球でも最大級の大きさだった。

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