話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第56話みぞれ酒

(やれやれ、結局密かに城壁を越えることになったな)

仕方ないだろ、こんな事になるなんて思いもしなかったんだから。

(ミノルの予定は全く当てにならんな)

うるさい!

テトラの街に入る前は、冒険者ギルドで登録だけして、売れる物だけ売ったら直ぐに街を出る心算だった。街に入る前に助けたアグネスの事があったし、白虎に飯を喰わしてやらなければならないから、街に長居する事など考えもしなかった。

(おい! 俺に子守をさせておいてどこを遊び歩いていたんだ!)

「すまないな、冒険者ギルドでゴタゴタがあってね、直ぐに帰ることができなかったんだ」

(遅れた分御馳走を喰わせてくれるんだろうな!)

(馬鹿者! 山ほど料理は置いてもらっていただろうが、グチグチ言うのならトットトどこにでも行ってしまえ! それともこの場で殺してやろうか!)

(ヒィ~! ごめんなさい、ゴメンナサイ、御免なさい!)

相変わらずセイは白虎に厳しいな、だが白虎も優し所があるようで、アグネスの世話はチャンとしてくれていたようだ。アグネスは御腹一杯食べた後のようで、お気に入りのプールのトランポリン部分でスヤスヤ寝ている。

「白虎、何か食べたい物はあるか?」

「おおおお、主は優しいな、それなら色々な物を食べたいな」

「作り置きを出すから、食べたい物だけ自分で選んで取ってくれ」

今から新しい料理を作ると、出来上がるまで時間がかかり過ぎるので、アイテムボックスに入ってる作り置き取り出す事にした。まあ置いて行った料理は多すぎるくらいだったから、食べ切れなかった分は白虎のアイテムボックスに入っているだろう。それに白虎には調理器具と調味料を貸し与えているから、どうしても食べたい物があれば自分で作っているだろう。

そう思うと、白虎の我儘(わがまま)は主人である俺に対する甘えに思えてしまうから、チョットうれしくなって優しくしてやりたくなる。だから作り置きしてある人型モンスターの料理を全種類取り出す事にした。

オークの丸焼き
オークの腕・脚1本焼き
オークのレバーシチュー
オーク胴体のマスタード煮
オーク胴体のスティファド風煮込み
オーク胴体のイタリア猟師風煮込み
オーク胴体のマタギ汁

白虎がうれしそうに食べるのを見ていると、俺も空腹だったのを思いだした。見習達にイイカッコをしていたので、自分の食事は後回しになっていた。もちろん人型モンスターを食べれないから、見習達と一緒に食べれないと言うのは無視しての話だが。

そこで大好きなホルモンを焼いて食べることにした。まだグレーボアのホルモンが残っているから、それをバーベキューコンロで焼きだしたのだが、直ぐに白虎が反応しだした。

(主、俺にも焼いてくれ)

(馬鹿者! 自分で焼け自分で!)

(ヒィ~! ゴメンナサイ、ごめんなさい、御免なさい!)

「まぁまぁまぁ、そんなに怒ってやるな」

(怒りたくはないのだが、白虎は直ぐに図に乗るから怒らねばならなくなるのだ)

白虎、今日は頑張ってくれたから、新しい酒の飲み方を教えてあげよう。

(おう! それは有り難い主よ)

俺は手早くいつもの日本酒と地炉利(ちろり)を買った。
地炉利(ちろり)とは元々日本酒を暖めるのに用いる金属性の器なのだが、最近はガラス器などもあり、温めるだけではなく冷やすのにも使うようだ。

今回はみぞれ酒にするのに使うから、錫製2合(360cc)地炉利(ちろり)16524を20個買う事にした。

山口県産・磨き二割三分・純米大吟醸・1800ml:10800
新潟県産・銘酒3本飲み比べセット・720ml×3:4213
新潟県産・純米大吟醸・1500ml:3780
佐渡新潟産・銘酒2佐渡地酒6・300ml×6種:3980
新潟県産・吟醸生酒・1800ml:6995
新潟県産・特選大吟醸・720ml:5400
新潟県産・普通酒3・本醸造酒1・純米酒1・1800ml×5:10800
合計45968

いいか白虎、この日本酒を魔法でキンキンに冷やすんだ。日本酒は温度の伝わりやすい錫製の容器に移し替えて冷やすんだ。

(こうか?)

白虎は得意の魔法を駆使して、日本酒をキンキンに冷やしている。

日本酒がしっかりと冷えたら、きっちり90分冷やしたままにする。出来ればグラスも魔法で冷やしておくといい。

(え~そんなに待たないいけないのか?!)

待てないのなら、待つ分と直ぐ飲む分に分けたらいいよ、90分冷やしたらやや高い位置から、冷やしておいたグラスに注ぐんだ。しっかりと過冷却状態になっていれば、グラスに日本酒が衝突した瞬間に凍り始め、シャリシャリのみぞれ酒ができあがるよ。

(ふむふむ、飲みながら凍るのを待つのなら出来そうだ)

「ミャミャミャ」

チョット騒ぎ過ぎたようで、熟睡していると思っていたアグネスが起き出してしまった。仕方ない事なのだが、俺よりも白虎の方に先に甘えに行くのに嫉妬(しっと)を覚えてしまう。

「アグネスこれをあげようね」

(あ~! それ俺の!)

アグネスの歓心を買う為に、白虎用に取り出していた作り置きをアグネスに手ずからあげることにした。白虎も寸胴鍋1杯あるんだから、泣きそうな顔をするんじゃないよ!

オークのホルモンも手ずから焼いて食べさせてあげよう!

「初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く