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初老おっさんの異世界漫遊記・どうせ食べるなら美味しいものが喰いたいんだ!

克全

第53話雑魚狩り

見習いに焚き木を集めさせてる間に、手頃な石を集めて簡単な竈(かまど)を作り上げて、アイテムボックスから水の入った大鍋を取り出した。バラバラと見習いが焚き木を集めて来たが、水が沸くまで時間がかかるから、その間に見習と一緒に野草とキノコを集める事にした。

見習いとは言え冒険者になるくらいだから、野草やキノコの見極めくらいは出来るのだが、中にはオッチョコチョイもいるので、食べれる物なのか毒が本当にないのかを密かにセイに確認してもらった。

ドローン配送でいくらでも美味しい調味料を集める事は出来るのだが、それは見習達に知られない方がいいと判断した。それに見習達が、自分で狩り集め購入する事の出来る材料で、食事は作った方がいいと考え、塩だけの味付けでコボルト鍋を作った。

見習達は欠食児童だから、肉の塊だと胃腸が受け付けない可能性もあり、少々心配だったのだが、肉の塊を貪り喰った方が気持ち的に満足できると考え、大きなぶつ切りのコボルト肉を塩鍋にした。

嬉しそうに美味しそうに食べる見習達を見ていると、今回の判断は間違っていないと思う事が出来た。50男が何を言うと笑われるかもしれないが、俺の根本のところは祖母の教えで出来ている。「お天道様に恥ずかしくない生き方をしなさい」と「高い物を食べるのは贅沢じゃない、食べ残すことが贅沢なんだ、勿体無い事をするんじゃない」この2つの教えを忘れることは出来ない。

全く望んでいなかったのに異世界に転移させられ、世界に冠絶(かんぜつ)するような力を与えられたが、のんびりと無責任に生きて行こうと思った。思ったのだが、あまりに理不尽な虐めを見てしまうと、祖母に育(はぐく)まれた不完全な良心はズキズキと痛むのだ。

力がなければ見て見ぬ振りをしていたかもしれない、長い物には巻かれていたかもしれない、自分の保身を1番に考えたかもしれない。だが今の俺には力がある、虐められている人を助ける事が出来るのに、見て見ぬ振りをしてしまえば、死後に祖母に会わせる顔がない!

おっといけない!

鍋の肉がなくなってしまう。

「しっかり喰えよ、体力がついたら働いてもらうからな」

「「「「「「はい!」」」」」



まあ、その、なんだ。

狩りは簡単なものだった。

見習達はろくな武器も防具も持っていなかったけど、俺が麻痺や睡眠の魔法をかけて動けなくした獣や魔獣に止めを刺すことくらいは出来る。もちろん彼らが後々単独で狩りが出来るように、見習達にも狩れる獲物を厳選して魔法を掛けた。

主に狙ったのは繁殖力が強く戦闘力の低いファングラットで、30cm~100cmの体長で、大型のものは見習達だけで狩るのは危険なくらいの強さだ。結構美味しいらしいのだが、部位によって大きく味が違っているのはどの獣も同じ事だ。

見習達の話を総合すると、全体的には猪に似た肉質で、モモ肉は鶏肉に似ているそうだ、後で本気で料理してみよう。人型でないのなら、鼠だろうが蛇だろうが食べることに抵抗はない。

それと見習達の訓練も兼ねて、ホーンラビットも獲物に加える事にしている。もちろん以前食べて美味しかったからではあるが、俺が人型を食べれないのだから、獣型の獲物を優先的に狩るのは仕方がないのである!

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